【完結】絵の中の人々

自分の在り方を探し続ける画家の物語

雪に覆われた冬の森の中、銀色のサナギがひしめく洞窟の奥で、少女は青い果実を見つけて食べる。その果実を食べたことで、少女はまるで孵化するかのように、死んだ自分の体から何度も生まれ変わるようになってしまう。

やがて、少女は生きる手段として絵を学び、画家として世界を旅し始める。彼女に絵を依頼する人々はそれぞれ複雑な事情を抱え、その救いを求めていた。誰かのために絵を描き、誰かの記憶に残ることに戸惑いながらも、画家は次々と新たな人生を歩み始める。

その旅路の途中で、一人の少年と出会い、画家は希望を抱くようになる。

乙女の頭部、それが世界の形。

絵の中に広がる世界には、森や海、空から形を模った精霊たちが住んでいる。人型や馬型、魚型の精霊や、郵便屋で働く風の妖精など、さまざまな存在と出会いながら、画家は自分の生き方を模索していく。