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20話 学園祭があります


いつものように登校

しかし学園内では ヒソヒソとする生徒達が必ず視界に入った


「……良い噂なのかな? ……それとも悪い噂かな?」


「どうだろ…… ショージ達がデタラメな噂流してるのかも……」


「イジメっ子の性だよね~~ 晒すとかさ

SNSがある世界じゃないから取る行動は壁や黒板に満遍なく張り紙かな?」


「昨日よりも人を集めてリンチの準備して待ち構えてたりしてね」


馬車から顔を出すツバメとコンは

ショージ達からの嫌がらせの予想パターンを出し合いながら楽しんでいた


「少し勘違いしてたが あんたらって結構肝が据わってるんだな」


「「 え? そぉ? 」」


ウホマンドの言葉に照れるJK二人

しかし予想は外れ 近寄ってくる生徒達から思わぬ賞賛を浴びる


「ツバメ先輩とコン先輩ですよね?!! 握手して下さい!!」


「国内のゴミから学園を救っていただいて本当にありがとうございます!!」


握られた両手を上下に振られるツバメとコンは周りからの尊敬の的だった


「えっ? あれってコボルトさんじゃない?!」


「本当だ!! 〝宮廷傑物ドラゴンクローフォースシテ〟のコボルト様よ!!」


いつの間にか注目の的となるコボルトの周りには女子生徒軍

歓声を浴びる彼も仕方なく馬車の御者台ぎょしゃだいから降りて挨拶している


「悪質生徒を退治して下さいコボルトさん!!」


「国の英雄がお出でになられたぞぉ!!」



「王宮でも既に議題に挙がっています

すぐにでも対応出来る段階ですのでご安心下さい」



コボルトの一言一言に目を輝かせる生徒達

玄関前の騒ぎには当然教師達も出張ってきた


「ホームルームが始まります 早く教室にお入りなさい」


ツバメ達3年Aカップ組の担任カザド・トールキンだ

人気が徐々にいなくなる頃を見計らい ツバメ達も中へと入ろうとする


「じゃぁコボルトさん行ってきます!!」


「行ってらっしゃいませ」


次々と下駄箱に靴を入れる中で コンだけは玄関の物陰に隠れていた


「行かないのコンちゃん?」


「ちょっと確かめてから!!」


他四名も一緒に物陰に隠れてみる


「お久しぶりですね カザド先生」


「えぇ……」


トールキンの両手は既にコボルトの手をいじくり回していた

そして握ったかと思えばそのまま持ち上げて


「ずっと…… お会いしとうございました!!」


「えっと…… 先生?」


「あっ…… すみません つい本能が」



ーーあれはメスの顔だ



見物するコニャック以外の女子生徒達にも緊張が走る


「やっぱりモテるんだ…… あのイケメン」


「どうしましょう…… 急に胸がドキドキしてきました」


ハーフルは顔が真っ赤っか

それとは逆にコニャックは冷めた目で見ていた


「他人の色恋ごとには興味ないでゲル」


「ムード無いわねコンニャク娘…… そんなんじゃモテないわよ」


「ゲル?!」


鋭い一言を愛する者から突き刺されたコニャックは後ろで落ち込む

そんなことは気にせずに 四人は再び恋模様を探る


「あの…… コボルトさん」


「何でしょう?」


「その…… その……」



「「「「 まさか…… 告るのか? 」」」」



「わ…… 私とその…… らら… 来月の学園祭で…… その……」


「そう言えばもうすぐですね…… 今年も生徒達の出し物 楽しみですね!」


「そ…… そうですね…… それで夜には花火が打ち上がるんですよ!!

それで~~ その~~ わわわ…… 私と!!」


「毎年恒例の一大イベントですからね!

カザド先生も息抜きの時間を探して楽しんで下さいね!!」


「はい…… そうさせてもらいますぅ……」



「告らんのかい!!!」



「「「 学園祭あるんかい!!!! 」」」



コンは恋愛面で ツバメ・ハーフル・ウホマンドは行事面で一斉にツッコミを入れた

その後のホームルームでの トールキンのいつもの覇気は消沈する


「これでホームルームは終わります

クラスの出し物または催し物の企画書は今日中にまとめて提出するように

……以上です 起立 礼 では次の授業の準備を では」


ーー早い…… 生徒に行動の隙を与えさせないとは


冷静にそして少なからず心配しているツバメはコンと話し合う


「やっぱりカザド先生ってコボルトさんのこと好きだったんだね」


「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花

容姿端麗で完璧人間を匂わせつつ 実は意中のあの人にはウブですとか需要ヤベーな」


「え? 何の話?」


「萌えの話」


「……コンちゃんってアナログレコーダー並にスイッチが豊富だよね」


「んぇ?」


今日はショージ達RSTの集団が登校していないのか

昼食は何の問題も起きることなく 食堂で過ごすことが可能だった


「いやしかしコボルトさん人気は国レベルだったとは……」


「イケメンだし 強いし 優しくて爽やかナイトだし 言うことないよね~~」


「そういえば護衛騎士だって前に聞いたわ」



「元々の肩書きは〝近衛騎士団長〟でゲル

私が生まれる前は荒れてたらしいでゲルが

国に仕えてからは 実績が目まぐるしいものだと聞いてるでゲル

郊外からやってくる盗賊団を一網打尽 空から攻めて来た巨大な怪鳥を一人で仕留めるなど

話せば国中から歓声が上がるような伝説を残す英雄でゲルな」



「てかツバメの兄貴に似てるよね? コボルトさん」


「どこが?!」



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