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ひきこもり勇者の英雄談  作者: 御影友矢
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1回目04


「すいません、お待たせしました。柊 あずさ様で間違えございませんか。私は英雄ギルド、ファスト村支部受付のコルナと申します」


 ごほんと、咳払いをしてコルナはあずさに謝罪しつつ、俺の事など眼中にないかの如くあずさに説明する。


 最初は不安そうだったあずさだが、生活の保障をしてくれるというのもあって、幾分か落ち着きを取り戻していった。


 そして一回も俺の方を見ない。別にいいんだけど。


 ちなみにサヤは、『外で待ってるからサーヤと遊ぼうね。勝手に何処かに行っちゃだめだからね』

 と言い残し、英雄ギルドを後にしている。


 聞こえてきた情報の中で印象に残ったのは三点。


 まず、あずさのステータス。


 決して横から盗み見た訳じゃないぞ。無視されたが、ちゃんと口に出して見てもいいか聞いたぞ。モスキート音並の聞こえないような小声だったけど。


 見終わった後汚物を見るような視線は感じだが、誰も何も言わなかった。


 そんな代償を支払って得た情報がこれだ。

 

 名前:柊 あずさ


 職業:異世界から来た学生


 称号:


 レベル:1


 ステータス


 筋力:1


 敏捷:1


 体力:1


 知力:1


 魅力:50


 生存人数:32/34


 貢献度:0(10位)


 俺の場合、魅力は最初から-スタートだったのに不公平すぎる。分かっていたことだがへこむな。


 まぁ、それはひとまず置いといて、今回は三十四人がこの世界に来たらしく、残念ながら二人が退場している。


 それを見たとき、あずさは顔を青くし、涙を流しながら顔を手で覆い、激しく動揺していた。


 俺に女性を落ち着かせるスキルはなく、コルナが寄り添い、落ち着かせて聞いた話では、学校のホームルームの時に突然激しい光が辺り一面を支配し、気付いたら、ここにいたらしい。


 それが俺が知りたかった事の二点目、転移した場所だ。


 知らない人達と転移した俺でさえ最初聞いたときには動揺した、クラスメイトと転移した彼女の動揺は

想像を絶する。


 コルナはすぐさま他の支部や本部と連絡を取り、情報を集めていた。


 英雄ギルドには『スフィア』と呼ばれる球体簡易型情報端末があり、それを使っていち早く情報を共有できる。現代で言うところの無線のようなものだ。


 その間、あずさと二人っきりだが、気まずい、物凄く気まずい。俺は聞きたいことがあったが、あずさから話しかけるなオーラが溢れ出てて、話しかけたらどうなるか想像もつかない。無視される確率が多いが。多分、いや絶対。


 聞きたかった三点目は『何処』の高校かだ。


 天文学的確率だが、俺には従妹が一人いる。


 俺と違って読モをやっており、スタイルは抜群、容姿はクールビューティー。何年も会ってないが、確か高校生だったはずだ。何千ある高校の一クラスになる確率は、それこそ宝くじの一等を当たる確率とどっこいどっこいだが、何故かフラグがたった気がするのは気のせいだろうか。


 幸いあずさが探してくださいとコルナに言った名前の中にはなかった。


 残念ながら俺と同じ、今年度の初めての報告ではないが、初クエストで、あずさはデイリークエストの報酬と併せて金貨一枚ほどもらい、とりあえず宿屋に向かうこととなった。


 なけなしの勇気を振り絞って案内役をかってでようと思ったが、コルナに道を聞いてさっさとここを出た。


 お礼を少しでも期待した俺って恥ずかしい。べっ別に、最近の若者はって思ってないんだからね。


 思ってて気持ち悪くなってきた。


「はい、あんたのぶん。間違ってもサヤに渡さないでよね。ってあんたには無理か」


 デイリークエストの報酬と異世界人を見つけてきた報酬あわせて銀貨十三枚をもらい、コルナにしっしっとおいはらわれここを後にした。


 失敬な俺だってやるときはやる男だ。絶対に死守するぞ。





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