名港線とパーコーメンってなんか似てるよね。
『次は港区役所、港区役所でございます』
「名港線とさ」
「うん」
「パーコーメンって似てるよね」
「ちょっと待って、何言ってるか全然分からない」
「いやいや、分かるっしょ、それくらい。乗ってるのはメーコー線でラーメンはパーコー麺。そこに何の違いもありゃしないでしょうよ」
「いやいや、どう考えても違うから。イントネーションしか変わらないから。いや、イントネーションというよりかは、アクセントの違い? どちらでも良いっちゃ良いけれど」
「良くない! 全然良くないよ!」
「いやー、でも全然変わらない気がするけれど」
『お客様にお知らせ致します。十二月三十一日は上飯田線を除く全ての路線で終夜運転を実施致します。初詣などのご利用に是非ご活用ください』
「あー……、そういえばもうそんな時期か」
「お年玉ってこと?」
「違うっちゃ違うけれど、あってるっちゃあってる」
「でも、名古屋って何か変わった場所だよねー」
「何が?」
「だって、考えてみても分かる話じゃん。地下鉄がいっぱい走ってる。バスもいっぱい走ってる。この前バスで名古屋市一周したことあるけれどさ」
「え? いきなり何を言い出してるの……」
「鳴尾車庫辺りで躓くんだよね。んで、名古屋港に向かうか神宮東門に向かうか悩むんだよね。ま、いっそ基幹バスに乗って栄に出るのもありだけれど。そういえば、引山バスターミナルは案外何もないよね」
「いや、それここで言う話? ……で、何の話してたっけ?」
「名港線とパーコーメンが似てる話」
「そうだった! その話について詳しくしたいけれど……」
『まもなく港区役所でございます。お出口は左側です』
「さてさて、降りる準備をしないとね。……ところで今日は何処へ向かうつもりだったんだっけ?」
「もちのろんでららぽーとっしょ! タピろうぜタピろうぜ!」
「うーん。それも良いけれど、イオンに行くのもありじゃね? 映画見たいし。ほら、映画やってるっしょ? 人気シリーズの続編!」
「スターウォーズ?」
「そこはアナ雪でしょ!?」
「じゃあ、何処に行く? 無料バス出てるし、そっち行く?」
「いや、あっちはゴーストタウンめいてるし……。やっぱり広くていろんなテナント入ってる方が良くない?」
「えー。でもあっち交通の便悪いし……」
「でも高畑とかからもバス出てるから帰りは良いんじゃないの? そっちに行こうよ」
「わーったよ。じゃあ、そっちに行こう。ご飯はサイゼ?」
「最近羊肉の串焼きが美味しいんだよね! よっしゃそこに行こうぜー!」
「ったくあんたと居ると飽きないよ……」