2匹目
神を名乗る2人は話し始めた。
「まずは名を名乗ろう。ワシは創造神アルケムじゃ。」
「私は戒律神リッツです。」
自己紹介されたらきちんと返すのがサラリーマンだ…
「俺は小野寺こ…
「存じておる。小野寺浩太君じゃな?」
「はい。」
「私達は謝罪に来たのです。」
???
「ワシらは君のいる世界とは別の世界『ジグナス』から来たのじゃ。」
「ジグナスはアルケム様が大陸、自然、生き物を作られたあとに私が世界の戒律、つまり理を作ったのですが…」
「魔物の大増殖や人型の争いなど、断りが乱れつつある…」
!!!
「魔物がいるんですか⁈」
「そりゃいるぞい。このドアの向こう側の世界にはな。」
「……?何言ってんですか?あなた方が神って事も信じ難いですけどこのドアの向こうに魔物がいるってことはありえませんよ⁈だってちきゅ…
「ジグナスです?」
はっきりと戒律神リッツはそう言い切った。
「ふぁっ⁇」
「その事を謝りに来たんじゃ。」
「ジグナスの理の乱れにより勝手に島ができたり新種の生物が生まれ出たりしました。その影響にあなたの部屋が巻き込まれてしまったのです。」
「…………なんで…???」
「ジグナスと地球は世界は違えど隣り合わせ、ジグナスの小さな歪みが少し地球に引っかかったのじゃよ。その時に君の部屋をジグナスに持ってきてしまったのじゃ。」
とてつもないスケールの悲劇にとてつもなく低い確率で巻き込まれたようだ。
「本当に申し訳ありませんでした…」
「すまんかったの…」
「い、いえ……」
もう何を考えていいかわからなかった。
「そこでジグナスの異世界からの入居者となってしまった浩太君にこの世界の事、生きる上でのアドバイスなんかをお伝えしようかなぁとか…」
「そうです。魔物の大増殖は先程少し触れましたが、この世界の魔物は危険なものが多く人とは手を取り合ってくれないn……」
「なんじゃこりゃぁぁぁ‼︎」
戒律神リッツが言い切る前に創造神アルケムが絶叫した。
「どうしたって言うんですか⁇」
「お主……なんちゅうもんを飼っとるんじゃ‼︎ってか飼えないはずじゃ‼︎」
(うちのペット達の事だな…)
俺は部屋方を向こうとした。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」
俺も思わず叫んでしまった。
俺が見た先にいたのは3mはあろうか双頭の蛇、
羽を畳んだ状態ですら1mはある嘴から牙を覗かせた怪鳥、部屋の丸テーブルよりでかい亀………
シャァァと蛇が近づいてくる。
「いかん、逃げろ‼︎見たこともない魔物じゃが恐らく強い!」
そんなことを言われたらなおさら動けない。
(異世界にきていきなり死ぬ⁈)
死を意識した。
、、、、、
しかし死ぬ事は無かった。双頭の蛇は俺にじゃれついてきた。かつ、俺が飼っていた蛇達の癖である尻尾フリフリを始めたのだ。
「まさかお前、いやお前ら…?ええい、ややこしい!スネ太とスネ子か⁇」
蛇はそうだと言わんばかりに尻尾をフリフリ。
2人の神が絶句している。
「人間に魔物が懐とは…」
「もしかしたらジグナスの救世主となるやも…」
1mの怪鳥もこちらに歩み寄ってくる。
そして一言。
「おかえり!」
「この声はトリスタンだな⁈よしよし!ってことはあの亀は亀吉だな。でもカブトムシのケージには何の変化も無いな…」
「浩太君。一つ頼まれてくれんかの。
本当にジグナスにとって大事な事じゃ。」
「何をですか?」
「ジグナスの魔物達を導いて欲しいのです。」
「ジグナスの人型の中には魔物と親しくなれるものなどいなかった。だがお主は違う!この通り親しいどころか大変慕われておる!」
「いや、こいつらはずっと一緒にいたからで…ってか何で魔物…?にこいつらまでなっちゃったんですかね?」
「ジグナスにはマナつまりは魔力が満ちています。その影響でしょう。」
「頼む、この通りじゃ!ジグナスを救えるのは君しかおるまい!魔物達を導いてくれれば人型達の争い問題すらも解決するかもしれないんじゃ。」
「でもせっかく俗世を離れられたならこいつらをこころゆくままブリーディングしたいし…」
「珍しい魔物もあなたならブリーディングできるでしょう(多分)」
「珍しい魔物⁈」
「可愛いモフモフだったり、爬虫類のボスドラゴンじゃったり!(簡単っは言わないがの)」
「ならちょっとジグナスで冒険しちゃおっかな〜!」
『チョロい‼︎』
2人の神は思った。
「だがただでやってくれとは言わん。この世界に生きるもの達の中にはワシらがランダムで授ける加護を持った者もおる。」
「なのであなたにも何か加護を授けましょう。」
「どんなんが良いかの…?」
「ブリードに役立つのが良いなぁ。」
「良かろう。」
2神が俺の方へ手を向ける。まばゆい光が部屋に満ち溢れる。
「これで良かろう。生き物全てのステータスも見れるようにしといたから確認しとくのじゃよ。」
「ではあなた様のご活躍を心よりお祈りしています。」
2神は消えていった。
2神のいた場所には薄いガイドブック?のような物が落ちていた。ありがたくもらっておこう。
少しワクワクしてきた。色んな生物のブリーダーになれるかもしれない!ワクワクを胸にドアを開けた。そこは見慣れた都会の汚れた景色ではなく、緑に満ち溢れた原っぱのような場所だった。
(おっと、どんな加護をもらったのか確認しておかないとな。)
ガイドブックにステータスの見方が書いてあった。「ステータスオープン」と念じれば見たい対象のステータスが見れるようだ。
(ステータスオープン…‼︎)
目の前にステータス表が浮かび上がる。
(おぉ!すげぇ、、!)
名前 コータ オノデラ レベル1
HP32 MP26 力10 防御13 必要経験値15
加護
即死耐性 幸運 魔物言語 魔物育成倍加 魔物合成
(レベルは1か…HPとかはステータスの基準が分からないからなぁ…あとでスネ太とかのも見とくか…
加護は…っと、即死耐性とかチートすぎじゃね?ありがたいけど…幸運…何か良いことあるかな。
魔物言語?あいつらと喋れるようになるのか⁈
魔物育成倍加…育てやすくなるのは助かるな‼︎
ちょっと神様達奮発しすぎなんじゃないの⁈w
………魔物合成……⁇)
名前おさらい
主人公 コータ
異世界 ジグナス
ジグナスの創造神アルケム
戒律神リッツ
双頭の蛇 スネ太&スネ子
1mの怪鳥 トリスタン
巨大ガメ 亀吉
カブトムシの蛹達 カブトムシの蛹達