第六話
ミチミチと弾けそうな大胸筋にボールみたいな三角筋。
ガガロックの腕も足も一気に三倍くらいに膨れ上がっていた。
というか身長が倍くらいに伸びているのは筋肉の問題じゃなくて骨格の話だよね。
「ぷしゅ~ハァ~」
機関車みないな勢いでガガロックは息を吐きだしたよ。
歯をむき出しでガガロックはニヤリとした。
「どうだ!」
ガガロックは得意げに言うとまたポージングを決めたよ。
その姿勢は最初に見せてくれたものと丸っきり一緒だったんだけど、その圧力は比じゃなかったね。
なんせ、身長は倍くらいに伸びているし、膨らみ切ったその肉体の体積はどうみても三倍を超えているもの。
「こいつも適化なんだぜ!」
女性型に寄った適化は見た目の変化だけだったのに、男性化のサイズUPにはびっくりだよ。
もうこれは、変化というより大変身だね。
「びっくりだよ」
「あはははははははっ!」
素直な感想を伝えるとガガロックは楽しそうに大笑いしたよ。
「カッコいいだろ!」
ガガロックはふんすと鼻を鳴らしてポージングを変えたよ。
あえて比較のために同じポージングをしてくれたんだと思ったんだけど、なんで変えたんだろ。
「カッコイイけど、どっちかという凄く強そうって感じだね」
大きくなったことに対して端的に伝えたよ。
女性型や最初の見た目に比べたら戦闘力は圧倒的に上がっているしね。
質量自体が増えている謎はよく分からないけど、見かけ倒しじゃないことはすぐ分かったよ。
「こっちの滴下は種をあげるほうだからな!」
ガガロックの言葉を聞いてピンときたよ。
さっき、欲しい能力をもった相手って言い方をしていたからね。
「その姿だと能力が全て使えるってことだからかい?」
ちょっと驚いたって顔をガガロックがしたから、僕の予想は当たっていたみたいだね。
「そのとおりだぜ!こっちの滴下で扱える能力を見て交尾の相手を決めるのさ!」
やっぱり当たりだったね。
「そもそもデカさと強さをアピールするって意味もあるけどな!」
ガガロックはそう言いながら大きく両手を広げたよ。
ガガロックの言葉からすると、どうやらこれが一番自分が大きく見えるポーズみたいだね。
「ガガロックの能力ってどんなのがあるんだい?」
「ん?」
見た目では十分に鑑賞させて貰ったので、さっきからちょいちょいと出てきている能力ってやつについて聞いてみたよ。
でも、またちょっと認識のすれ違いがありそうな反応をガガロックがしている。
「ラトは俺の種が欲しいのか?」
「えぇ!?」
ちょっと考えた感じの後に出てきたガガロックのセリフにびっくりだよ。