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ラジオ体操が繋ぐ恋

「腕を上げて〜……」


 夏休み。

 小学校が休みになって、クラスの好きな男の子に会えない日が始まった。

 でも、唯一会える時間がある。


「深呼吸〜……」


 それは朝のラジオ体操の時間だ。

 毎朝五分間だけ好きな子に会える時間。


 ラジオ体操をしながら、好きな男の子の顔を見ているとあっという間に時間が経ち、もうラジオ体操が終わってしまう。

 好きな男の子はラジオ体操が終わる前にハンコをもらいに並んでしまい、話しかける時間もない。

 っていうか、そんなに話す仲でもないけど。


 今日でラジオ体操は一旦区切りで、あとは八月の後半だけ。

 しばらく会えなくなる。


「高村! また来月な!」


 いの一番にハンコもらいに並んだ岸くんは私にそういうと走って行く。


「う、うん! また来月!」


 私は去って行く岸くんの背中に叫ぶ。

 何気ない言葉でも、『また』って言葉を……しばらく会えないけど、『また会おう』って約束をしてもらえたようで嬉しかった。


 会えなくなると思って、暗くなりかけた心に光が差した気がした。


「早く来月にならないかな〜」


 来月になったら夏休みも終わりだし、夏休みが終わるのは嫌だけど、岸くんに会えるのが待ち遠しい。


 私は一日もハンコが欠くことのなかったラジオ体操のカードを、青空に掲げて見ながら家に向かって歩き出した。


 そして、心の中で来月も一日もハンコを欠く事がないようにしようと思いながらーー……。


 

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