『 』
作:篠宮 楓
手元の時計は、夜の十一時。
そろそろ終盤に差し掛かる 歌による合戦を聞き流しながら
私は年越しそばを啜る
年の終わりは 初めは早く 迎える終わりは とてものんびりだ
十二月の半ばにもなると 新年に向けて掃除を始め
「日が短くなってきたねー」
なんて 毎年お決まりの言葉を口にする
だけど クリスマスははずせなくって
年末を迎える前の 一大イベント
ケーキを食べて チキンを食べて いったい自分は何人だと思いつつ プレゼントをもらって喜んで。
二十五日の夜は もう日本中が大晦日一色に絶賛変更開始!
おかしいな クリスマスって二十五日じゃなかったっけ?
つい数時間前まで サンタクロースの飾られていた場所には 大きな獅子舞
メリークリスマスは 迎春に
そして私は 値下げされてるケーキに突進!
産まれてきて数十年。
日本人ってある意味凄いわぁとか 毎年思ってたりして。
そうして迎えた 年の終わりは――
――とても静か。
耳を澄ませば 鳴り響く鐘の音に もうすぐ今年が終わることを知り
そうして0時を過ぎたら 新しい何かが静かに始まっていく。
それは 新しい年
それは 新しい自分
それは 新しい……
何かに 区切りをつけて。
私達は 新しい『 』へと 足を踏み出す。
毎年十二月に思うことを、詰め込んでみた詩です。
日本人のイベントにかける信念って凄いよなぁと、ずっと思っていました(笑
かくいう私も、その一人です♪
きっとこのお話が投稿された時、私は詩と同じように年越しそばをすすっていると思います^^
皆さまは、如何お過ごしですか?
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私たち四人最後の企画「区切り」をテーマにした詩は、如何だったでしょうか。
少しでも、皆様の心に残ることができれば幸いです。
今まで本当にありがとうございました。