表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

明日に繋がる道

二人のシアワセ《前編》

作者: minoarei

二人の出逢いから続く物語の二人のシアワセ《前編》です。


俺の名前は、山森健一。山森財閥の御曹司だ。俺は、山戸川高校生徒会会長だ。俺には、彼女がいる。彼女の名前は白岩涼子。品行方正、才色兼備で身長159㎝と小柄だがしっかりとしている。白岩とはクラスが同じで席は隣同士という幸運に恵まれている。因みに、白岩も生徒会に入っていて副会長だ。

今回は、俺と白岩が恋人同士になるきっかけを話そうと思う。今から二年半前の話だ。



俺の名前は、山森健一。山森財閥の御曹司だ。俺は山ヶ崎中学校に通う中学二年生で生徒会会長をしている。部活は、野球部で部長をしている。因みに、定期テストでは二学年首位、全学年首位だ。これは、一年の時から変わらない。彼女はまだいない。これまでに、女子生徒から告白されたことは何度もあるが付き合うに至った女の子はいない。因みに、告白された女の子は上級生、同級生、下級生と告白されている。

キーンコーンカーンコーン

「健一、部活行くぞ!」

「おう。」

俺に声をかけてきたのは、同じ部活で副部長の安西秀輝だ。こいつとは一年の時から同じクラスだ。

バシッ

「山森、後十球だ。」

「へーい。」

俺の投球練習でキャッチャーをしているのは崎川徳だ。こいつは、一年の時からキャッチャーをしている。俺とは良いコンビだ。ここに安西を加えれば学校内成績トップ3が揃う。因みに、首位は俺、二位は崎川、三位は安西と一年の時から変わらない。

「山森、後一球全力で来い。」

「行くぞ。」

俺は、振りかぶって全力で投げる。

ズドンッ

と銃声のような音が響き渡る。

「ナイスボール。」

今までだったら、取れないか落としていた崎川だが、一年半も同じ速さのボールを受けていれば嫌でも取れるようになる。

「皆、集まって~。」

そう言って俺たちを集合させているのは野球部顧問の霧山玲だ。性別は、女性で身長152㎝体重は言えないスリーサイズは上からB90W53H70と本人は自称しているが、俺の予想では、Bが97Wが52Hが67だと思う。そんなことは、置いておくとして玲ちゃんが俺たちを集めた理由を聞かないとな、と言っても分かりきっていることなんだが。

「今日の練習はこれで終了です。山森君いつものよろしくです。」

「へーい。…んじゃグラウンドを全力で一周その後ストレッチをやってグラウンド整備して解散。位置について用意スタート!」

そう言うと皆一斉に走り出す。

「あれ?山森君は行かないんですか?」

「いや、行きますよ。半周差がついたら行きますよ。」

「もうすぐ半周ですよ。」

「そうですね。それでは、行ってきます。」

「ケガしないように気を付けてください。」

俺は、走る前に玲ちゃんに自分の帽子を被らせて全力で皆を追いかける。

半周差がドンドン縮まっていく。

「お、おい!山森が来たぞ!」

「な、なに!?」

「お疲れさん、お先に 」

そう言って俺は全員を抜かしてトップで戻ってストレッチを始める前に玲ちゃんから帽子を返してもらってストレッチを始める。軽くストレッチをした後グラウンド整備を始める。他の部員も戻ってきてストレッチを軽くした後グラウンド整備を始める。グラウンド整備が終わって解散となった。


俺以外のメンバーは解散後直ぐに着替えて帰っていった。グラウンドには、玲ちゃんと俺が取り残されている。

「山森君、帰らないんですか?」

「帰りますよ。」

「じゃあ、早くしてください。」

「はーい。」

玲ちゃんに言われて俺は、グラウンドから出る。玲ちゃんは、出入口に鍵をしっかりとかけて

「それじゃあ、山森君も気を付けて帰ってください。」

そう言って、霧山玲は車に乗り込み帰っていった。

「さて、俺も帰るかな。」

俺は、家へと歩き始めた。歩き始めて数分したところで、誰かが後ろから走って近付いてきた。

「山森君、待って~。」

そう言って後ろから走って近付いてきたのは、白岩涼子だった。

「どうしたんだ?白岩。」

「一緒に帰ろうと思って、走ってきたらグラウンドにいないから、追いかけてきた。」

「そ、そうか。」

「それより、今日は居残り練習していかないの?」

「明後日から、大会だから今日は家で疲れをとろうかと思ってる。」

「そ、そうなんだ。」

「明日は練習が休みだから、暇なんだよ。」

「あ、あのさ、もし良かったら、明日朝から遊びに行かない?」

「うーん、そうだなぁ。」

「べ、別に嫌なら断ってくれても良いんだけど、その、良かったらで──」

「いや、暇だし俺で良いなら、一緒に行くよ。」

「え、本当に良いの!」

「ああ。」

「やった。じゃあ、何時に待ち合わせにする。」

「そうだなぁ、・・・・・」

俺と白岩は、帰り道に明日何時に待ち合わせするか決めたり、何処に行くか決めたりした。

待ち合わせの時間は午前10時に駅前の喫茶店で待ち合わせをした後映画を観てショッピングをするといった形に決まった。その後、俺は白岩を家まで送る事にした。前みたいなことがあってはいけないので。

白岩の家に着くまで、他愛もない話をしながら歩みを進める。白岩を家に送った後家まで全力疾走する。今日は、親父が早く帰ってくるため急いで帰らないと夕食を抜きにされてしまう。

俺は、何とか親父が帰ってくる前に家に着くことが出来たが、俺の背後からリムジンが入ってくる。親父を乗せたリムジンだ。俺は、道を空けると俺の前にリムジンが止まる。後の窓が開き、威厳溢れる顔つきの親父が顔を出す。似なくて本当に良かった。

「健一、今帰ったのか?」

「はい、只今帰りました。」

「そうか、早く家に入れ。俺が入ったら飯にするぞ。」

「はい。」

俺は、親父の言葉通り家に入る。直ぐに、着替えることにして、部屋に戻ろう階段を上がり自分の部屋に行く途中で

ガンッ!

と開いた扉に顔をぶつけてしまった。その部屋から出てきたのは、俺の妹の山森結香だ。

俺は、結香が開けた扉に不覚にもぶつかってしまったというわけだ。

「あ、ごめん。お兄ちゃん、そ、その大丈夫?」

「あ、ああ、大丈夫に見えればな…痛いだろ…思いっきり開けてみろ、ここに倒れてるぞ。」

「その、腫れたりしてない?」

「ああ、大丈夫だと思うぞ。」

「本当に?その後々腫れてたら、困るしちょっと見せて。」

結香は、そう言って額を押さえてる左手を掴んで俺の左手を額から離す。俺の額を見て結香は

「少し腫れてるね。とにかく部屋に行って着替えたら、私の部屋に来て。」

「へいへーい。」

俺は、そう返事をして部屋に行って着替えを済ますと、結香の部屋の扉をコンコンと二回程ノックする。すると、部屋の中から結香の声がして、

「鍵開いてるから、入ってきて良いよ。」

俺は、結香がいった通り鍵は開いていて、ドアノブを捻り結香の部屋に入る。俺は、部屋に入ると結香の部屋を軽く見回す。結香の部屋は、俺の部屋と違って明るい印象を受ける。俺の部屋が暗いかと言うとそうではない、結香の部屋より劣るが明るい印象は受ける。ただ一言言うなら、女の子らしい部屋だという事だろう。

「あ、あんまり、部屋の中、見回さないでよ。とにかくそこに座って。」

俺は、結香に言われた通りにその場所に座る。すると、結香が近付いてきて、俺の前で膝立ちになると額の腫れている部分に、

「動かないでよ。」

結香が軽く消毒をして、湿布を貼ってくれた。いつもは、お兄ちゃん、お兄ちゃんと俺の後ろを追ってくるのにこういう時は、俺の世話を焼きたがるお兄ちゃん思いの妹だ。

「ありがとな。さて、早く下に行こうぜ。親父が待ってる。」

「うん。」

俺と結香は、急いで食卓へと急ぐ。親父とお袋と三女の凛は、既に座っていたがまだ夕食を食べてはいないようだった。

「ふむ、来たか。飯にしよう。」

「「はい。」」

俺と結香が返事をすると親父は、二回程手を叩くと奥から料理が運ばれてくる。今日の夕食は、黒毛和牛のステーキにサラダ、コーンスープという洋食だった。


夕食を無言で食べるのが我が家のルールだが、親父が話し掛けてくるときだけは、返答をしなければならない。案の定俺の、額の湿布のことについて聞かれた。俺は、「部屋の扉にぶつかってしまった。」と話しておいた。


それから、程なくして夕食を食べ終えると、俺は直ぐに部屋に戻る。明日の用意をするために。しばらくして、用意を終えると、いつも通り学校で出された課題を終わらせる。それからは、結香が風呂から出るまではすることもないので、本棚に置いてある小説を手に取り読み始める。


しばらくして、小説の物語が面白くなるところで、

「お兄ちゃん、お風呂空いたよ~。」

と部屋の外から結香の声がした。どうやら、結香が風呂から出てきて俺に入るように、言ってくれたわけだ。俺はパジャマを持ち風呂に向かう。

俺は、15分程入ると、浴槽から上がり体の水を拭いて脱衣場でパジャマを着る。俺のパジャマは、黒い薄手のシャツと黒い薄手のハーフパンツだ。俺は、部屋に戻り小説の続きを読む。小説を読み終わる頃には、11時30分を回っていた。部屋の明かりを消して、ベットに横たわり静かに目を閉じる。


翌日~山森家山森健一の部屋~

今は、7時15分だ。俺は、ベットから降りると着替えを済ます。今日の服装は黒のワイシャツにチェックの入ったポロシャツ、デニムといったカジュアルなファッションだ。自分の部屋から出て、下に行くと既に親父が椅子に座っていた。

「健一か、今日は随分と早起きだな。」

「まあね、今日は用事があるからね。」

「そうか。先に、飯にするか?」

「うん。」

「分かった。」

親父は、そう言って二回程手を叩くと朝食が運ばれてきた。今日の朝食は、ご飯に味噌汁、鮭の塩焼き、茄子と胡瓜の糠漬けだ。俺は、20分程で食べ終えると、顔を洗いに行くついでに歯も磨いて8時に家を出て駅前の喫茶店に向かう。9時に待ち合わせ場所の喫茶店に着き店内に入る。奥から、店員がやって来て、

「一名様ですか?」

と尋ねて来たので

「いえ、待ち合わせをしているんですが…」

「少々お待ちください。只今確認をしてくるので。」

そう言って、店員は店の中を確認に行った。5分もしないうちに戻ってきて、

「待ち合わせをしているお客様はいらっしゃらないようなので、宜しければお待ちになりますか。」

「ああ、はい。」

俺は、店員に案内されて入り口から近い所に案内された。


翌日~白岩家白岩涼子の部屋~

今は、7時だ。今日は、山森君と出掛ける日だ。でもこれって、デ、デ、デートなのかな。私はそんなことを考えながらお母さんから、貸してもらった洋服に着替える。その後家族の朝食を作っておく。お母さんは、夜勤なので帰るのは10時近くなってしまう。私は、家族の朝食を作り終えると一人先に朝食を取ることにした。私が、朝食を取っているとお父さんと弟の幸徳が起きてきて、お父さんは朝刊に目を通して、弟の幸徳は眠い目を擦りながら、洗面所で顔を洗いに行った。しばらくして、お父さんも顔を洗いに行った。その後弟の幸徳が戻ってくる時には、私は朝食を食べ終えていた。幸徳が戻ってきて直ぐに、お父さんも戻ってきた。私は、二人の朝食を用意して時間を見ると9時を回っていたので、待ち合わせ場所に向かうことにした。お父さんと幸徳は、私に「行ってらっしゃい」と言ってくれた。私は、「行ってきます。」と言って家を出る。10時になると同時に待ち合わせ場所の喫茶店に着く。


それから、一時間がした頃入り口に誰かがやって来たようだ。

入り口側を見ると、白のカットソーに七分丈のベージュのパンツを着ていて白のフレンチヒールを履いている白岩涼子だった。白岩は店内を見回して俺の姿を見つけると小走りで近付いてきて

「ごめん、待った?」

「いや、今来たとこだよ。」

「そ、そう。」

「白岩、その服に似合ってるな。」

「あ、ありがと。」

「それじゃあ、行きますか。」

「うん。」

俺と白岩は喫茶店を後にして映画館へ向かう。今日見る映画は恋愛物の映画だ。俺たちは、チケットを買うと売店で飲み物を買い上映する部屋に向かう。俺たちの席は観やすい席だった。今日観た映画は恋愛物のベタなものだったが、元々小説だったものを映画化しているだけはあって、内容は中々のものだった。

上映が終わり、次に昼食を取ることにした。近くのレストランで先程観た映画の感想を二人で言い合っていた。昼食を食べ終えると、次はショッピングをすることにした。白岩は、洋服屋で服を見て手に取ったりしているだけで、俺の持っているカゴには、入れようとしない。手に取っては自分に合わせて、値段を見ては元に戻すのを繰り返している。

「どうしたんだ、白岩?」

「え、何が?」

「さっきから、手に取っては合わせて戻してその繰り返しだからさ、買わないのかなって思って。」

「うん、値段も高いし家だと一生買えないから。」

「良かったら、何着かプレゼントしようか?」

「本当?あ、でもそれだと。山森君が。」

「構わないよ。」

「あ、ありがと。」

その後白岩は、数十着程持ってきた。自分の服の他にも、家族の服も持ってきた。

「家族のも買うのか?」

「うん。私一人だけ良い思いをするのも嫌だから。」

「そっか。これで全部か?」

「うん。」

俺は、レジに向かい支払いを済ませる。白岩が持ってきた服の数はおよそ四十着程だった。その後は、靴屋で二十足買った。店を出ると既に暗くなっていた。俺は、白岩を家まで送る事にした。白岩の家に着くまで他愛もない話をしながら進む。白岩の家に着いて荷物を家の中まで持っていく事にした。白岩は、初めは拒否していたが重さを考えたら、持って来てもらった方が良いということに気付き俺が、白岩の家の中に持っていくことになった。それから直ぐに白岩家の中に着いた。俺は、荷物を家の玄関に置いて帰る事にした。長居していても迷惑なので。

「山森君、ありがとね。」

「俺で、良ければいつだって良いよ。」

「うん。またね。」

「おう。あ、そうだ。明日から県予選だから、家族で応援に来る?」

「え、でも迷惑じゃないの?」

「迷惑じゃないよ。それに、学校の女子生徒の全員が応援に来るらしいからな。俺としては、その方が迷惑だけどな。」

「あはは……うん。分かった。明日の何時から?」

「明日の第4試合だから、15時からかな。」

「分かった。あ、でもお金もないし応援に行けないかも…。」

「それなら、家から迎えの車を用意するよ。時間は、何時ぐらいが良い。」

「え、でも迷惑でしょ。」

「迷惑じゃないよ。」

「ありがと、山森君。時間は、お昼過ぎにお願いしようかな。」

「分かった、それじゃあ迎えの車を用意しとくから、家族にも伝えておけよ。」

「うん。」

「じゃ、明日な。」

「うん。また、明日。」

俺は、白岩家から山森家まで今日は歩いて帰る事にした。親父は今日仕事が忙しくて帰りが遅くなるので、俺と結香、凛とお袋の4人で夕食を取ることになる。俺が、家に着くと結香が玄関で待っていた。

「ただいま。」

「お帰り、お兄ちゃん。もうすぐ夕食だから、荷物置いたら直ぐに来てね。」

「はいよ。」

結香はそのままリビングに消えた。俺は、部屋に戻り荷物を置くと部屋着に着替える。白い薄手のTシャツと黒い半ズボンに着替える。それから、下に降りて食卓へ向かう。俺が、食卓に着くと既に結香とお袋と凛が座っていた。

「それじゃ、夕食にしようか。」

「「はい。」」

俺が、親父の代わりに二回程手を叩くと、今日の夕食が運ばれてきた。今日の夕食は、秋刀魚の塩焼きに御飯と味噌汁といった和食だった。


夕食を食べ終えて、部屋でゲームをしていると部屋の外から「お兄ちゃん、お風呂空いたよ。早く入ってね。」

結香の声がした。俺は、パジャマを持ち風呂に向かう。風呂から出て、寺坂を呼ぶ。寺坂に明日白岩家に行って白岩の家族を迎えに行ってほしいとお願いした。寺坂は、快く引き受けてくれた。寺坂に白岩家が何処にあるのか知らせて、部屋に戻り眠りにつく。

中編へ続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ