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俺は/私は オタク友達がほしいっ!  作者: 左リュウ
第7章 先輩と後輩
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第74話 合宿に行こう

遅れて申し訳ありませんでした。


PCが家の事情で使えない日々が続き、更にフルブの発売、MGガンダムXの発売と製作、弥生掘り、別府ちゃんのレべリングという多忙な日々を過ごしており、執筆時間がなかなかとれませんでした。


この次はもう少しはやく更新できるように頑張ります。


もう少しで別府ちゃんとケッコンできるので、それを活力にして頑張ります!


「すっかり忘れてましたけど、そういえばそろそろ文化祭の事について考えておかなければなりませんね」


 もう夏休みまっただ中というのに、唐突に部室で加奈がそんなことを言い出した。

 そういえばと、俺たちも思い出す。

 夏休みも明けると文化祭が訪れる。


 この学園の文化祭は去年体験した通り、かなりの規模になるので夏休み中からその準備に余念がない……はずなのだ。普通は。

 そう考えると、我が文研部はけっこうのんびりしている。


 運動部はともかくとして、文化系の部活はもう忙しく働いているはずなのだ。

 文化祭、という単語に二人の一年生が反応する。


「去年はたしか、喫茶店をやってましたよね?」と、小春。


「まあな。ありゃ死ぬかと思った……」


 あいつらなんであんなにも来てるんだよ。頭おかしいだろ。

 こっちの身にもなれよ。


「今年も喫茶店をするんですか?」


 と、南央が言ってきたが、俺としては是非ともご遠慮願いたい話だ。

 今度あれやったら絶対に死ぬ。


「うーん。この部の部費の収入源はあの文化祭での収入が主なので、ここはやはり海斗くんに頑張ってもらうしか……」


「おさらばでございます!」


 俺は一目散に部室……いや、強制労働施設からの逃亡を試みた。背後から追手である恵が迫りくる。

 確かにあいつはハイスペックなやつだ。

 しかし、向こうも人間、こっちも人間、チャンスはあるはず!


 数秒後、俺は恵に捕縛された。こいつどうなってるんだよマジで。

 何を食べたらこんなにもハイスペックになるんだよ。

 なんかあいつが指輪をベルトにかざした瞬間に光速で追いかけてきたとかはきっと幻覚に違いない。


「いや、本当に勘弁してください。去年のアレはもう無理です」


 恵が指輪の魔法で召喚した鎖によって捕縛された俺は身動きがとれないながらも懸命に土下座していた。つーか恵はなんなんだ。指輪の魔法使いか。日々ファントムと戦ってらっしゃったのか。

 なんてことだ。こいつが最後の希望とかゲート終わったな。


「かいくん、ドーナツ作るなら私、プレーンシュガー食べたいな」


「うるせぇ!」


 ……まあこいつなら今更なにやったところで驚かないからいいや。


「まったく、何を考えているのかは知りませんが、去年と同じにはしませんよ」


 と、呆れたようにため息をつきながら美羽がパタムと文庫本を閉じた。

 カバーがかかっているが、あの下にはきっと桃色の拍子が広がっているに違いない。


「そうなのか?」


「う、うん……海斗くんの負担も考えるようにするつもりだよ」


 た、助かった。

 確かに去年の文化祭は楽しかった。楽しかったけど、もうあんなにも忙しいのは嫌だ。


「そりゃ助かるけど……どうする気だ?」


「メニューを一つに絞って、一日限定何食にするという風に制限を設けます。これなら、去年みたいな事にはならないはずです」


 なるほどな。

 それなら助かる……ていうか、去年の事を考えたら凄い楽だ。


「で、何を作るんだよ?」


「それはこれから考えるんですよ」


 なんたるアバウトな。まあ、去年もこの調子だったしなんとかなりそうな気がする。


「あの、言いにくいんですけどこんなペースで大丈夫なんですか?」


「大丈夫だろ。去年もこんな調子だったし」


 俺が気楽に言うと、それでも南央は不安そうだ。

 普段からしっかりしているからだろうか。

 こういったアバウトな展開は苦手なのかもしれない。


「メニューが決まっても店内の装飾とかは? 去年はけっこう、凝った物だったみたいですけど」


「メニューさえ決めてしまえばあとは簡単だろ。店内の装飾も、去年手順をプリントに纏めといたから、後でそれ見せてやるよ」


「……いつの間にそんなものを?」


 姉である南帆が首を傾げており、二年勢も同じ反応だ。

 ていうか、言ってないから知らないのも当然だろう。


「次の年も文化祭をするってことが分かってたからな。だから、次の年で慌てないようにマニュアルみたいなもんを作っといた」


 展示物を作った時、ついでにマニュアルをサクッと作っておいたはずだ。

 まさか一年生たちの役に立つとは思わなかったけど。


「なら、あとは何を出すかを決めるだけだな」


「それと、衣装もありますし」


「い、衣装ってもしかして、去年みたいなメイド服、ですか?」


「いやぁ、楽しみですなぁ。こはるんとなおっちの衣装姿っ。メイド、ナース、チャイナ、その他もろもろ……」


 一年生二人の顔が若干引きつっている。

 ご愁傷様。

 俺は一年生二人に心の中で合掌した。


「なんていうか、去年もこんな感じで割とアバウトに決まったよなぁ……去年の文化祭といえば、もうコンテストだのスタンプラリーだのに出なくてもいいんだよな?」


「今年はまだ何も来てませんね。出なくてもいいんじゃないでしょうか。……私は、その、またでたいですけど……」


 ぼそぼそとわけのわからんことをほざく加奈。あんなもんにまた出たいなんて物好きだな。

 ただの見せ物にされるだけじゃないか。


「なにか芸も取り入れたら面白くなりそうだよねっ」


「芸って何するんだよ」


「んーと……異世界から現れた巨大バナナを被りながら歩くとか?」


「そりゃお客さんたちも大爆笑するだろうよ」


 でも確かにバナナを頭に被ったまま歩かれるのは笑ったわ。

 しかも態度デカい割にボッコボコにされているのがもうネタキャラ一直線な気もする。


「それでは、不思議な美少女に導かれて見つけた巨大人型兵器の起動に成功したら神様を信じるというのはどうでしょう」


「それ芸でもなんでもないだろ!」


「一芸として月の力を借ります」


「芸で済んでねぇ!」


「お客さんも、手の震えが止まりませんね」


「恐怖的な意味でな!」


 そういえばあの人ってNEETと勘違いされがちだが、スペルはNEATなんだよな。なんという風評被害。後の時代にNEETなんて言葉が出来るなんて想像もしていなかっただろう。

 ……キラキラネームで『無職ニート』なんて名前の子が出ない事を祈る。

 過ちは繰り返しちゃダメだからね。


「……ビットモ〇ルスーツを動かすのは?」


「それです!」


「『それです!』じゃねーよ! こんなものはもういらないんだって言ってただろうが!」


 過ちを繰り返す気しかねーよこいつら。


「……芸になりそう」


「そりゃそうだけども!」


 大量破壊戦略級兵器を積んだ人型兵器が十三機もそこら辺を飛んでたら怖すぎる。


「ならば、ここは美紗がひと肌脱ぐしかありませんねっ」


美羽おまえじゃなくて!?」


「まあ、私が見たいだけなんですけど」


「それは知ってた」


「あ、ひと肌脱いだ美紗を男が見ようとした場合は始末するのでそのつもりで」


「理不尽過ぎる!」


 こいつの発想があたり屋のそれをまったく変わらない。

 こんな姉をもって美紗もさぞかし大変だろう。


「じゃあ、ここは海斗くんと正人くんがひと肌脱ぐしかないね」


「お前もかぁあああああああああああああああああ!」


「大丈夫だよ。他の人には見せずに、ちゃんと参考文献として役立てるから!」


「なんの参考にするの? なんだかすごく嫌な予感しか無いんだけど」


「そういえば美紗、最近は部屋にこもって何か描いてますね」


「その一言でもうだいたい分かっちゃったよ! 嫌な予感が的中しちゃったよ!」


「そ、それは秘密だよ。…………やっぱり正人くんが攻めで海斗くんが受け、だよね」


「モウヤメルンダ!」


 本当にやめてください。俺の精神衛生上。

 いや、待てよ。仮に薄い本の参考文献として使われていたとしても、肝心の絵が下手くそなら、まだ希望は……、


「そういえば美紗、あの話は断ったのですか?」


「デビューの話? うん。わたし、今はまだ忙しいし、好きな物を好きに書いていたいんだ」


「もったいない。編集さんにもベタ褒めされる画力があるのに」


「畜生! 夢もキボーもありゃしねぇ!」


 デビューて! デビューてあんた!

 しかも超上手い、編集にも褒められるぐらいの画力があるじゃないですかー、やだー!

 つーかどこの新妻エ〇ジだよこいつ!


 そんな画力で正人とお肌の触れ合い(表現を柔らかくしております)しているところを描かれていると思うと精神的にくるものがあるね!


「あの、去年もこんな感じだったんですか?」


「いや……去年はもう少しマトモだった」


 俺は満身創痍になりつつも、小春の疑問にこたえた。

 もう駄目だ。ツッコミが追いつかない。


「あ、そうそう去年といえば、まだ合宿に行ってないよねっ!」


 文化祭についての話し合いがひと段落ついてきた時、恵が何かを思い出したように……いや、タイミングを見計らったかのように切り出した。

 合宿か……そういえば、去年は最後でいろいろあってちょっと出しにくい話題だったな。


 恵はその辺りはもう大丈夫なのだとしっかりと示すために自分からこの話を切り出したのだろう。

 ちょっと気を遣いすぎだったかな。


「合宿、ですか?」


 小春が首を傾げる。が、南央も小春も一緒に楽しそうな表情をしている。

 一年生たちはまだ行った事がないから、ワクワクしているのかもしれない。

 合宿という単語だけでもけっこう楽しそうな雰囲気あるし、気持ちは分かる。


「そうだよー。去年はかなみんの家の別荘に行ったんだよー」


「……海の近くにある」


「あ、そういえば去年の夏休みにお姉ちゃん、友達と一緒に海に行くって言ってたっけ」


 南帆の妹である南央は、どうやら思い当たるところがあるらしい。


「加奈先輩って、やっぱりお嬢様だったんですか? 雰囲気的にそうなのかなーって思ってたんですけど」


 と、小春が興味深そうにたずねる。


「はい、一応。あ、変な遠慮とかはいりませんから」


 ということは、どうやら加奈も加奈で過去にはそういうこと……周りの友達に遠慮されるようなことでもあったのだろうか。

 深くは考えないけど。


 加奈って中身が痛くてあんまり気にしてなかったけど……けっこうな家のお嬢様なんだよな。

 まあ、加奈の中身がアレなのに加えて兄があんなんだから。

 そういえば徹さん見ないな。どこに消えたんだろう。


「わぁ。凄いですね、お嬢様なんて」


「私が凄いというより、両親が凄いんですよ。兄は例外として……」


「加奈先輩って、お兄さんがいるんですか?」

 

「…………………………………………はい。一応」


 うわ。凄く認めたくなさそう。

 いまの一瞬で、きっと加奈の中では物凄い葛藤があったに違いない。

 あの変態的な兄の存在を抹消するか、認めるかで。


 その微妙な雰囲気を、一年生二人も感じたらしい。

 だが、加奈は一年生たちを気遣って、出来るだけ重たくならないように、軽い雰囲気で徹さんのことを喋りだした。


「ちょっと変態的な兄なんですよね……」


「せ、先輩も苦労してるんですね」と、小春。


「ええ。中学時代は毎朝、登校する前に自分の鞄の中身をチェックしなければなりませんでした」


「どうしてですか?」と、南央。


「気を抜くと、私の鞄の中に兄の手作りの『おにいちゃん人形』だの『おにいちゃんプロマイド』だの、怪しい手作りグッズの類が入れられているので」


『怖っ!?』


 思わず一年生たちに混じって俺たちも叫んでいた。

 徹さんそんなことしてたのか。わたし、聞いてない!

 そりゃ加奈だって嫌になるわ。


「あはは。これぐらいまだ序の口ですよ。部屋に帰ったらまずカメラや盗聴器があるか調べたりしなくちゃいけないとか、他に比べればまだ可愛い方です」


 とても軽い感じで言っているが明らかに軽くないぞそれ。

 加奈のおかげで、むしろ雰囲気が悪化してしまったような気もする。

 こう、『ああ、加奈(先輩)も苦労してるんだなぁ』的なオーラが充満している。


「と、とにかく、夏休み最後の思い出作りに、合宿に行きましょう。そこで今度の文化祭の出し物についてのヒントが得られるかもしれませんしっ」


 というわけで、やや微妙な雰囲気になってしまったものの。

 俺たち文研部の、二度目の合宿が決定した。



弥生でねーぞオラァ!


本当に2-2にいるんですかね(絶望)


MGガンダムXは待たされただけとあって良い出来でした。

ディバイダーが出るならプレバンでも躊躇いはない。


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