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俺は/私は オタク友達がほしいっ!  作者: 左リュウ
第4章 襲来するお母さんと夏休み
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第42話 人類最強のシスコンNEETが無双するお料理番組

今ゴーカイジャーとカブト三週目を見てるんですけど戦隊物も結構面白いですね。戦隊物は小さいころ見たきりなんですけど。ゴーカイジャー制覇したら次はマジレンジャーあたりでも見ようと思います。

「暑い……」

 今日も元気がありあまってらっしゃる太陽に照りつけられながら、俺たちは長蛇の一部になっていた。周りには人、人、人。人の渦。人の山。あ、何か人という字がゲシュタルト崩壊してきた。

「暑いぃ~……」

「水のむか?」

「あうう~……飲む~……ってか、かいくん。それ、さっきかいくんが、えっと、の、飲んだやつだよね?」

「あ、そだな。悪い悪い。こっちだこっち。まだ開けてないヤツ」

 迂闊だった。暑さのあまり頭がおかしくなってたな。まさかそのまま自分が飲んでいたものを恵に渡してしまうとは。これでは間接キスになってしまう。まあ、幼女との間接キスならともかくBBAとなら別に何とも思わんが。

「~~~~…………!」

「あれ?」

 気が付けば、俺の手からボトルが消えていた。あまりの暑さからか恵は顔をゆでだこのように真っ赤にしながらごくごくと水を飲んでいる。そんなにも喉が渇いていたのか。

「ッ!?」

 はっ、殺気!?

 ぞくり、と背筋が凍るような思いだった。こう見えても姉ちゃんとの特訓、入学直後に巻き込まれた喧嘩その他諸々で人の気配には敏い方だ。殺気の位置を的確に割り出す。そこにいたのは――――、


「恵と間接キスしやがったぶち殺す恵と間接キスしやがったぶち殺す恵と間接キスしやがったぶち殺す恵と間接キスしやがったぶち殺す恵と間接キスしやがったぶち殺す恵と間接キスしやがったぶち殺す恵と間接キスしやがったぶち殺す恵と間接キスしやがったぶち殺す」


 お前かぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ! お前だったのかぁぁぁああああああああああああああああああああ!

 幸いにも、恵はこの俺だけに向けられた殺気には気づかなかったようだ。つーか恵って、基本的にチートキャラだけど母親が絡むと途端にスペックダウンするよな。なんかアレだ。最強キャラが理由つけられて途中退場したり力にリミッターかけられたりするみたいな。禁書のアクセロリータさんみたいな。

 それにしても。

 コミケの行列に並ぶ美人。うーん、凄い不自然だ。

 そう。

 俺たちは今、コミケの列に並んでいる。周りにいるのはひたすら同類。それぞれの目的を持って今日この場にやってきた者たちである。そんな中に富音さんがいるのは不自然極まりない。まあ、変装してはいるんだけどね。うん。や、変装とはいっても髪まとめて眼鏡かけてるだけなんですけどね。

「ん」

 手持ちのスマホにLINEの通知が来た。富音さんだ。


富音「凄い人の行列ですね」

海斗「まあ、コミケですからね。俺も初参加ですからこれが初めてですけど」

富音「それで、どうして恵がこんなところに?」

海斗「あ、そうそう。ちゃんと水は持ってきましたか? 二リットルとプラスαがいいらしいですよ。美羽に教えてもらいました」

富音「その辺りは抜かりないですよ。二リットルどころか三リットル持ってきてます」

海斗「今日、俺たちが行くのは企業ブースですけど、お札はちゃんと持ってきてますよね?」

富音「ええ当然。ネットで調べるとそうするのがマナーだと。ちゃんと硬貨もある程度そろえてきました」

海斗「それなら問題ないですね」

富音「ええ……って、そうじゃなくて。どうして恵がこんなところに?」

海斗「そりゃ勿論、同類だからですよ」

富音「同類? 誰と」

海斗「ここにいる人たちと」


 俺たちの少し後ろにいる富音さんの様子を伺ってみると、きょろきょろと周りを見渡している。

 それにしても浮いてるなぁ。あんな美人が紛れていると明らかに浮くよな。うん。

 ……まあ。

「海斗くん、暑いです……暇だからガン〇ラ作っていいですか」

「周りの人に迷惑だから止めろ。つーかよく出来るなおい」

「……海斗、だっこして」

「こんなクソ暑い中やってられるか」

「今年も暑いですね、美紗」

「うん。そうだね、お姉ちゃん」

「ああ、美紗、美紗! 汗をかいた姿も可愛いですよ! ハァハァ。美紗の汗ハァハァ」

「みさみさ、落ち着こうよ……今日はいつにもまして変態に磨きがかかってるよ」

 ……このメンバーもかなり浮いているんだけどな。

 何しろこいつらは幼女相手では足元にも及ばんが、BBAの中だとかなり可愛い。少なくとも、こういうところに来る人間としてはかなり浮くぐらいは。

 だが本当に残念なことにBBAなんだよなぁ。

 っと、また通知が来たか。


富音「嘘ですよね? 恵が……ここにいる人たちと……同類?」


 おおう。狼狽しているのがここからでも見える見える。まあそりゃね。今までそんなそぶりも見せずに自分の言うことに従ってきた真面目で可愛い一人娘がどんな趣味を持っているのかをいきなり聞かされるとね?


海斗「まあ、恵だと仮面ラ〇ダーとか、戦隊物とかプ〇キュアとか? 俺は初代しか知らないですけど」

富音「え? それってあの、小さな子供が見るような物なんじゃ……」

海斗「何言ってるんですか。本当に子供だけに売っているならフィ〇ュアーツなんて出ませんし、プリ〇ュアだってあざといピースちゃんがセンターのピンクをさしおいて最初に出たりしませんよ」

富音「え? なに? あざといピースちゃん? なんですかそれ」

海斗「そもそもお金を落とすのは誰だと思ってるんですか。子供じゃなくて大人ですよ? 特に最近の仮面〇イダーなんかベルトがよく喋るんですよ。それがウケてベルトがバカ売れしてますし、変身アイテムの種類を数多く揃えるなどの商法をとってますからね。ああ、でもテンバイヤーのせいでもありますけど。仮面ラ〇ダーは今や財団Bでガン〇ムを越えておもちゃの部門では一番の売り上げを叩き出してるんですよ? シャバドゥビですよ本当に」

富音「すみません。日本語を喋ってください」


 俺はさっきから日本語しか喋ってないんですけどそれは。


海斗「恵がぼやいてましたよ。『私ね、言ったんだよ? 受付の人に。ミラクルライト貰えないですか!? って。でも貰えなかったんだよ……ショックだよぅ』みたいな感じで」

富音「ちょっとミラクルライト買ってきます」

海斗「一般販売はしてませんよ。映画を見に行かないと」

富音「次のプリ〇ュアの映画の公開日はいつですか? ちょっとスケジュールこじ開けてきます」

海斗「中学生以下しかもらえないらしいですよ」

富音「私だって……中学生でもまだいけるはず」

海斗「無理すんなBBA」

富音「は?」

海斗「ごめんなさい」


 怖い。BBA怖い。


富音「…………あの」

海斗「なんですか」

富音「…………その、か、仮面ラ〇ダーとやらを見れば、私も恵と仲良くお話しできるでしょうか?」


 なにこのBBA。可愛いんですけど。

 でも幼女じゃないしな。可愛いけどねーわ。


海斗「まあ、出来るんじゃないですか? たぶん。保証はしませんけど」

富音「じ、じゃあ頑張りますっ!」

海斗「そうですか」

富音「ええ、とりあえずたった今、ク〇ガからフォ〇ゼとやらまでのDVD全巻をポチっておきました」

海斗「すげえなおい!」

富音「これでもけっこう儲けてますから」

海斗「羨ましい限りですよ本当に……」

富音「とりあえずたくさんありますね。どれから見ればいいんですか?」

海斗「とりあえず、Wからで良いんじゃないですか。見やすいですし、全体的に安定してますし、個人的には平成ラ〇ダーの中で一番好きですよ。あ、そうそう。BD-BOXが出てるんでそっちもついでにポチっといたらどうですか」

富音「ではそうしておきます。他に何かないですか?」

海斗「そうですね。あとはネットで一通りあらすじを見て興味の出てきたものを見たらいいんじゃないですか」

富音「恵はどの作品が好きなんですか?」

海斗「確か、平成だとWと龍〇と剣だったんじゃないですかね」

富音「分かりました。覚えておきます」


 この人、恵のためなら本当にどんなことでもやりかねないな。それだけ恵のことを大切に想っているのだろう。なんだかんだ、恵の趣味も受け入れているし。


富音「ん。この赤いカブト虫のようなものは?」

海斗「それはカ〇トですね」

富音「どんな作品なんですか?」

海斗「中間管理職がいかに大変かを教えてくれる料理番組です」

富音「!?」

海斗「もしくは、人類最強の……」

富音「最強の?」

海斗「……人類最強のシスコンNEETが無双する作品です」

富音「人類最強のシスコンNEET!?」

海斗「主人公の所属はZECTじゃなくてNEET。これ重要です」


 俺は間違ったことを何一つ言ってない。うん。間違ったことは言ってないぞ!


富音「と、とにかく見てみます」

海斗「ええ。某メイクアップアーティストと幼女のエピソードと、かがみん初変身回、坊ちゃまのラストエピソードは特にオススメですよ」


 かがみんが変身した時はテンション上がったなぁ。挫折や自分の無力さを噛みしめながらそれでも立ち上がり前に進んでからの変身だからなぁ。しかも見た目もカッコいいしなガタ〇ク。熱血漢のかがみんだからヒーローも似合っているし。


富音「分かりました。覚えておきましょう。これで恵とあんなことやこんなことが……」

海斗「本音がダダ漏れだぞBBA」


 こいつ本当に母親か?

 とはいえ、こうやって富音さんと話していることで何とか時間が潰せた。コミケが始まる時間もかなり近づいてきている。

「かいくんかいくん」

「なんだ」

「さっきから真剣にスマホ操作してるけど何してるの?」

「いや別に」

 恵が覗き込んできたのでさりげなくスマホを懐に隠す。

 言えない……! お前の変態的な母親に平成ライダーシリーズを布教していたなんて絶対に言えない……!

「それにしても暑いねぇ」

「ソ、ソウダナー」

 どうしてだろうね。俺の冷や汗が止まらないのは。ここは話題をそらすか。

「なあ恵。ちょっと話したいことがあるんだけど」

「ん? なぁにかいくん」

「うん。だからまずはポータブルDVDプレイヤーでけ〇おん! を見るのをやめろ」

「違うよかいくん! これはけい〇ん! じゃないよ、け〇おん!! だよ!」

「おっと俺としたことがすまねぇ。どうやらこの暑さでやられちまったらしい」

「いいんだよかいくん。気にしないで」

「そうか。恩にきる」

「かいくん! 早くけい〇ん!! 買いにいこうよ!! あずにゃんは一生懸命ギターの練習してて泣けるんだよ!! 青春だよ!!」

「そうですね恵。やはりあず澪は最高です」

「美羽ちゃん! 何を言ってるの? あずにゃんは唯梓。みおちゃんは澪律。いくら美羽ちゃんでもこの通説は譲らないよ!」

「いやまて恵。唯憂和という三角関係を忘れてもらっては困る」

「さすがかいくん!」

 恐ろしいなあずにゃん。あのウ〇トラマンタロウが推すキャラなだけあるぜ。まさかここまで俺たちを狂わせるとはな。そりゃウル〇ラマンタロウさんもprprしたくなるもんだ。それにしてもこの四コマネタが分かる人はいるのだろうか。いるといいな!

「でも俺はロリ唯ちゃん派でもあるからな……じゃなくて」

 危ない。あやうく本題を忘れるところだった。

「恵、そろそろ家には帰らないのか?」

「帰らない」

 即答かよ。いや、そりゃそうか。色々と状況が変わったと感じるのはあくまでも俺視点であって、恵からすれば何も状況が変わってないからなぁ。

 恵は母親が嫌い。

 富音さんは恵のことが変態的に大好き。

 その富音さんはあくまでも、本当に、本心から恵のことを想って今回の一件が起こっているわけなんだけど。……本人が変態的なのは置いといて。いや置いといてもいいのかな。……よくないか。

「恵ってさ、富音さんのこと嫌いなのか?」

「…………嫌い」

「……なんかあれだな」

「なぁに」

「富音さんのことを話題にするとお前って珍しく子供っぽくなるよな。そうやってそっぽ向きながらむすっとした顔で拗ねるトコとか」

「そ、そんなことないもんっ!」

 あらやだ可愛い(※BBAにしては)。

「ほら、そういうところとか」

「んにゅっ……!」

 自覚があるのか詰まる恵はお返しとばかりに切り返す。ただ、俺に指摘された部分が恥ずかしかったのか頬を若干、赤く染めながらではあったが。

 ていうかこれ、少し分かってきた気がする。今の恵の反応も、見てみればあの人と少し似ている。

「か、かいくん。さっきからママに味方するようなことばっかり言ってるけど、急にどうしたの?」

 なんだろうなぁこの感じ。親が拗ねた時の子供を相手する時もこんな感じなのかなぁ。

「いや別に。ただ、なんというかさ。嫌いだっていう割に、中学の時まではちゃんと富音さんのいうことをきいてたんだろ? 富音さんの話だと、随分と素直にいうことをきいていたらしいけどさ。本当に嫌いだったらそんなに素直に言うこときかんだろ」

「……知らないもん。きらいだもん」

「やっぱさー、お前……」

 とりあえず。何気なしに言ってみる。ていうかこれちょっとデジャヴ。

「お前、実は富音さんのこと大好きだろ」

「だ、だから、そんなことないもんっ! かいくんの勘違いだもん!」

「うんうん。そうだねー。勘違いだねー」

「こどもあつかいしないでよっ!」

 ぷんすかと怒りながら抗議してくる恵だが、いつもとは違ってどこか子供っぽい。いや、だからといって別に俺が大人というわけではないけど。

 ていうか恵と富音さんって本当に親子だよな。

 富音さんは本当は恵が大好きで。恵は本当は富音さんが大好き。

 パターンからして一緒じゃねぇか。なにこの親子。

 でも恵の場合はなぁ。今回の一件があるから色々と素直になりづらいわけで。でも俺は富音さんの本性を知っているだけに……。


 シリアスになりづらい………………ッ!


 なんかこれ、凄い茶番に付き合っている気がするんだけど。例えるなら、バカップルのいちゃいちゃ茶番劇に付き合っているみたいな。そもそも、今回の一件は恵がお願いしたらすぐ片付くことだしなぁ。なんか、こう、真剣みが凄く薄れてるんだよな。ぶっちゃけた話、恵が色仕掛けでも使えば瞬殺できる気がする。

「一つ確認させてくれ、恵」

「な、なに。かいくん」

「嫌いって言うなら、どうして恵は中学時代まではちゃんと富音さんの言うことをきいてたんだ?」

 恵は自分の心の中に問いかけるようにそっと目を閉じて。それからゆっくりと、口を動かして。

「……だって……だって……ママの言うことをきいてさ。ちゃんとその通りにしていると……ママが、安心したように笑ってくれるから……」

 俯き加減で頬をやや赤らめながら言う恵。この発言で確信したが、やっぱり答えが出てしまっている。

 本心では恵は富音さんのことが大好きで。だからこそ中学まではちゃんと富音さんの言うことを聞いていて。けど、恵はどうして富音さんが恵に何かをするように言ってきていたのかは理解していなかったんだ。ただ、言った通りのことをこなすと富音さんが安心したような笑みを浮かべるから。だから今回のような一件が起こってしまったのだと思う。

「……でもなんだかさ。途中から分かんなくなっちゃった」

「何が?」

「……こうしてかいくんに聞かれるまでさ、どうして私がママの言うことを聞いていたのかなぁって、忘れてたような気がする」

「そうか……まあ、そりゃよかった」

「私、必要以上にママのこと嫌い過ぎたのかなぁ……」

 今は、夏だ。大混雑する行列の中にいるせいか蒸し暑い。今日だってあまりの暑さに何人かが熱中症で病院に搬送されたらしい。水分を補給するために俺はペットボトルのスポーツドリンクを口に含む。

「そもそも恵、お前、どうして今回は富音さんに表だって反抗したんだよ」

「ふぇっ!?」

 俺が何気なしにきいた問いに恵はびっくり慌てたようにして、俺から顔を逸らしてそっぽを向きつつ、けど視線だけはチラチラと俺の方を向けながら、さっきの余韻を引きずっているのか頬を赤く染めて。

「みんなみたいなお友達は、えっと、初めてで……とても、私にとっては大切で……だから、離れたくなくて……」

「友達か……確かに、俺が恵と同じ立場だったら同じような行動をとったかもなぁ」

 俺だって、今の文研部みたいな友達をもったことは初めてで。だから恵の言うこともわかる。

「あっ! か、かいくんは友達じゃないよ!」

「………………………………………………………………あ、そーですか」

 くそぅ。これだからBBAは! べ、別に泣いてなんかないからな! これは夏の暑さのせいなんだからな!

「か、かいくんのことは……えっと……友達、じゃなくて……こ、こ、こ、恋……恋び……とさん……がいいかなって……」

 これだけ周囲の人が話していたりスタッフの声が響いていたりする中で俯きながらぼそぼそ言われても何を言っているのか聞こえるわけがない。

「ん。悪い。ちょっと聞き取りづらいからもう一回言ってくれ」

「や、やだっ!」

「あ? なんで。『こいび』まで聞こえたんだけど、ここまで聞かされたらなんか気になるだろ」

「な、なんでもないよっ!」

「なんでもないことないだろこの流れで。しかも何かお前、顔が真っ赤になってないか? ちゃんと水分補給しろよ?」

「ち、違うよこれはっ! なんでもないったらないのっ! 本当にっ! かいくんは気にしないでいいからねっ!」

「まあ、そこまで言うなら別にいいけど……どうせ俺って、友達でもなんでもないみたいだしさ……」

「ああっ! それはそーいう意味じゃなくて、ええっと……」

 またもや焦りながら今度は何か弁解の言葉か何かを言おうとするが……こういった焦った顔も可愛い! とか富音さんなら言うだろうな。

「まあ、なんだ、恵」

「か、かいくんっ! えっと、さっきのは、」

「富音さんとのことを解決する良い手段がある」

「えっ……?」

 突然の俺の言葉に驚く恵。その顔の前に、俺は人差し指を突き立てる。

「方法は一つ」

「う、うん」

「今日を思いっきり楽しめ。それだけでいい」

 俺の言葉に、恵はきょとんとした顔をする。

「そ、それだけ?」

「それだけ」

「そ、それだけで……いいの?」

「それだけでいい」

 恵はにわかには信じられないとでも言いたそうな顔だ。まあ、そりゃそうだろう。こんなことで解決すれば世話はない。だけど、信じてもらうしかない。俺だって上手くいくかは分からないけど、とりあえず信じてもらう為に俺は恵の頭の上に手を乗せる。

「ふぁっ」

「大丈夫だって。お前は皆と今日を楽しんでればいいんだよ。あとは俺が何とかするから」

 上手くいくかはわからない、が……上手くいかせるしかないか。

ドレイクとゴンの別れ話(なお、後に再会する模様)、ガタック変身回、坊ちゃまの最期の話は良かったと思いました(小並感)


天道カブトはあまり負けるイメージないんですよね不思議(本編では苦戦する場面もありますが)。

まさに最強のハイスペックシスコンNEET。

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