其の六
其の六です。楽しんで頂けたら嬉しいです。
日は変わり流星は今、霧雨魔法店の前に居る。早く来すぎた為か扉は閉まっている。
流星は扉をノックしようとしたが少し待つ事にした。少しすれば魔理沙は起きて出てくると思ったからだ。
流星は丸太に座って昨日の夜の事を思い出してる。恐らく人生の中で在れ程の感動はそうそう無いだろう。
あれからは特に大きく変わった事は無かった。唯四人でひたすら空を眺めて、途中で紫が帰って霊夢もその後に居なくなって気が付いたら流星と魔理沙だけになっていたくらいだ。
そして暫く魔理沙と話をしていた。まるで十年間も会ってなかったのが嘘に感じるくらいに。
それと十年間として離れていた期間が自然に洗い流される様にも感じられた。
最後に魔理沙は流星にこう語りかけてきた。
「兄貴は本当に凄いぜ」
其の言葉を聞いて流星は嬉しさでいっぱいだった。其れは魔理沙のお陰でもあるんだなと思ったからだ。
周りの小鳥の鳴き声が聞こえてきてる。ふと周りを見ると三妖精の姿は見えない様だ。
「あの三人は何時も此所には居ないんだな」
扉を開ける音がする。魔理沙が起きた様だ。
「よく寝たぜ」
寝間着姿で魔理沙が出てきた。魔理沙は周りを見て流星が居る事に気付いた。
魔理沙は顔を真っ赤にさせて凄い勢いで中へ戻って行った。中から凄い音が聴こえる。
何時ものスタイルで魔理沙が出てきた。今度の魔理沙の表情は怒っている表情だ。
「兄貴!居るなら何で扉をノックしないんだよ!」
「だって寝てたかなって思ったから!?」
「そう言う問題じゃないぜ!」
だけど魔理沙の表情は徐徐に笑みになっていく。そして思わず魔理沙は笑ってしまった。
「何か昔を思い出したぜ。こんな事も当分無かったからな」
「其の前にごめん魔理沙。まさか寝間着で出てくるとは思わなかったから」
「謝らなくていいぜ。兄貴も私の事を気を使ってくれたんだろう?」
流星は立ち上がり魔理沙に店の中へ案内される。色々な物が辺りに置いてある。
そして1つのテーブルの椅子に座った。魔理沙が流星に語りかける。
「お湯とか火はあっちな。冷蔵庫に色々入っているから昼飯に適当に使って良いぜ」
魔理沙は箒を手に取った。流星は其れを見て魔理沙に問いかけた。
「早速、お出掛けか?」
「ちょっと霊夢の所に行って来るぜ。夜には戻って来るから」
魔理沙は外へ出て箒に乗って物凄いスピードで空へと飛んで行った。
流星はテーブルから立ち上がるとカウンターの椅子に座った。誰か来るのかな。
暫く座っている。流星は時計の方を見る後少しで昼になる頃だ。
「何か小腹が空いたな。何か作ろうかな」
流星は台所の方へと行き冷蔵庫を開けた確かに色々な物が入っている。
「カレーなら軽く作れるな」
材料を揃えて、流星はカレーを作りだしてる。幻想郷から離れて居た時に何度も作ったので作り方はマスターしてる。
暫くして出来上がった。少し多めに作り過ぎてしまった気がした。
「後は夜だな」
勿論、自分で完食するつもりではいる。魔理沙が食べたいとは言ってくれないだろう。
其れは小さい頃に訳が在った。初めて作ったカレーを魔理沙に食べさせて余りの不味さに魔理沙を泣かしてしまったからだ。
「多分あれを忘れてなければ絶対に食べてくれないな」
テーブルにカレーを置いて流星は食べようとする。久々なので味の方が気になる。
「おっ!美味いな」
暫くカレーを食べている。そして誰かが凄い早さで中へと入って来た。
三妖精達だカレーに誘われて来たのかと思ったけどどうやら違う様だ。
「どうしたの!?」
「外に来て!」
サニーが直ぐに流星を表に引っ張る。
流星は外を見ている。なにやら紅い霧が空を覆っている。
異常気象か。でもこんな異常気象等は初めてだ其れにこの霧には何か人間に害する物が混じっている様に感じる
「さっ里は!?」
咄嗟に里の事が気になった。この霧は普通じゃない恐らく里は大変な事になっている筈だ。
流星は中に入り書き置きを置いた。そして流星の姿はその場から消えた。
読んで頂きありがとうございます。
遂に紅霧異変へ突入します。
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では!また次回で!