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「エリナ様。」
謁見の間を出て少し歩いたところで、侍女に呼び止められた。
無駄のない一礼の後、侍女は話し始める。
「リュシア様から、お茶のお誘いが。
よろしければ、カイル様も合わせ、三人でいかがでしょうか」
「畏まりました。すぐに向かいます」
母も慣れた様子で応えた。
王妃の下に向かいながら
僕は、なぜを飲み込んでいた。
国王の提案をあっさりと了解した母。
そのあまりに事務的な様子は、
僕に口を挟む余裕を与えなかった。
「ようこそおいで下さいました。」
「さ、こちらに座って、エリナ。
カイル君も……また大きくなりましたね?」
部屋に入ると、王妃の歓迎を受けた。
優雅な所作とは裏腹に、
王妃は次々と言葉を重ねていく。
「お砂糖は? カイル君も、エリナと同じでミルクかしら?」
「ああ、立たなくていいわ。これは私がやりたいの」
「お茶にはうるさいのよ、私。
夫にも一度出したことがあるのだけれど――
いきなり砂糖を五杯よ? 信じられる?」
「それで美味しいなんて、もう砂糖水でいいじゃない!
……あら、関係ないわね。ふふ」
母は対照的に、そんな王妃を微笑んで見つめていた。
次第に、王妃の言葉もペースダウンしていく。
「貴女は、きっと戻りたいって言うと思っていたわ。
でも――私がお願いしたの」
「急がなくていいの。
それに……今の貴女を見ていると、私が辛いわ」




