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英雄前夜  作者: Nasu
3/4

1-3

「エリナ様。」


謁見の間を出て少し歩いたところで、侍女に呼び止められた。

無駄のない一礼の後、侍女は話し始める。


「リュシア様から、お茶のお誘いが。

よろしければ、カイル様も合わせ、三人でいかがでしょうか」


「畏まりました。すぐに向かいます」


母も慣れた様子で応えた。


王妃の下に向かいながら

僕は、なぜを飲み込んでいた。


国王の提案をあっさりと了解した母。

そのあまりに事務的な様子は、

僕に口を挟む余裕を与えなかった。



「ようこそおいで下さいました。」

「さ、こちらに座って、エリナ。

カイル君も……また大きくなりましたね?」


部屋に入ると、王妃の歓迎を受けた。


優雅な所作とは裏腹に、

王妃は次々と言葉を重ねていく。


「お砂糖は? カイル君も、エリナと同じでミルクかしら?」


「ああ、立たなくていいわ。これは私がやりたいの」


「お茶にはうるさいのよ、私。

夫にも一度出したことがあるのだけれど――

いきなり砂糖を五杯よ? 信じられる?」


「それで美味しいなんて、もう砂糖水でいいじゃない!

……あら、関係ないわね。ふふ」



母は対照的に、そんな王妃を微笑んで見つめていた。


次第に、王妃の言葉もペースダウンしていく。


「貴女は、きっと戻りたいって言うと思っていたわ。

でも――私がお願いしたの」


「急がなくていいの。

それに……今の貴女を見ていると、私が辛いわ」

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