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夜が明けてから母と共に城へ向かった。
今日は国王との謁見があるらしい。
衛兵が開く扉が響かせる重たい音を聞きながら
僕は覚えたての礼儀作法を頭の中で反芻した。
「面を上げよ。」
母の動きに遅れて、僕は頭を上げた。
荘厳という言葉が、これほど似合う場所もない
僕らが控えている場所から一段上、玉座に座る王と目が合う。
そして王は母に視線を移し口を開く。
「よく来た。」
「急な呼び立てですまない。」
「今後の話をする前にお前に会わねばと思ってな。」
抑揚は少なくとも親しげな雰囲気を王から感じられた。
母が応える
「御心遣い、ありがとうございます陛下。
戦後処理も終わらぬ内に、1人部隊を離れた事ーー」
「よい」
王の声が、静かにそれを遮った。
「勝利とは言え、失った事の方が多い。他の者にも休むよう勧めたが、皆何かをしていたかったのだ。」
騒がしい外の音が遮断されたこの場所は
恐ろしいほど、静かに感じた。
「ーー夫の葬儀は無事済ませることができました。明日からは私も、任務に戻ります。」
「我が言いたかったのはそれだ、エリナ。」
短く息を整えて、王が続ける。
「一度、剣を置いてみてはどうだ?エリナよ。」




