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偽薬9錠め 貴族の服に着替えたなら

「おお、似合うではないか、ヤーマダ殿!迅速だな!」


私は帝国軍第3部隊長ウィトブリシア・アルドランさんの邸宅に来ていた。召使いに手伝われ、着替え終わったところだった。


「ヤーマダ殿の体形が亡き父上と同じであったとは……」とウィトブリシアさんは言った。

「見ず知らずの私が着てしまっていいんでしょうか?」

「何をおっしゃるか、ヤーマダ殿!父は倹約家であったから、自分の遺品が役立っているのをはるかヴァルハラの地で喜んでおられることだろう」


鏡に映った自分の姿を見た。ヒダの付いたシャツ、黒い光沢のある上着とズボン、白いストッキング。パジャマ姿よりはマシだが、コスプレにしか見えなかった。


私がこんな格好をしているのは、王宮に登城するためである。


なぜこんなことになってしまったかというと──


時はさかのぼる。


迷宮の最奥部で龍さんと出会い、龍さんの記憶の映像を見た。最後の映像は、龍さんと白い少女、偽薬(プラシーボ)さんが溶け合うようにして一つになった場面だった。


美しく荘厳で、それでいて少し悲しく、はかなげな場面だった。


次の瞬間、私たちはプラネタリウムのような空間から解放され、迷宮の最奥部に戻っていた。足元には固い地面があった。円形に配置された灯りが、白と黒の少女、プラシーボさん=龍さんの姿を浮かび上がらせていた。


その前に、キーリアさんと女騎士ウィトブリシアさんが立ち、アーシャさんは丸くなって寝ていた。


「こうして龍だったボクはプラシーボと一つになり、長い歳月をかけて魂が交じり合った。それが今のボクだ」とプラシーボさん=龍さんは言った。

「親友の少女の名前を取り戻したことで、力を取り戻したのはなぜなのでしょうか」と私は聞いた。

「その前にまず、ボクがなぜ力を失ったか説明すべきだろうね。龍だったボクは、彼女を肉体ごと己に取り込んでしまった。彼女が死んでしまうのが許せなかったからだ。でも、それは世界の(ことわり)に反することであり、それは罪だった。それはあの老魔導士がやろうとしたことと同じだ。他者を取り込み我がものとするのは、愛する者と一体化したいという幼い願望だ。二つの魂が一つに交じり合うなんて、本来はあってはならないことだ。二つの魂が一つに交じり合った結果、ボクは力を失い、親友の少女の名前さえ失ってしまった」


白と黒の少女は遠くを見た。


「龍は、強すぎる魔力のために人格や記憶を保つことがとても難しい。だからこそ名前が大切なんだ。名前は、人格や記憶を一つに束ねるものだから」


少女は私を見た。


「ヤーマダくんがボクに少女の名前を思い出させてくれた。そのおかげで、ぼくは記憶を束ね、自我を取り戻し、龍の力を制御できるようになったんだ」


少女は私の手を握った。


「ヤーマダくん、キミはボクの恩人だ。そして世界の恩人だ。キミがいなければ、ボクは世界を滅亡させていただろう。世界を救ってくれてありがとう!」

「ははは、私はそんなご大層な存在ではありません」

「謙遜するなよ。キミはボクとプラシーボと世界を救ってくれたんだ」

「龍さんにとってプラシーボさんはほんとうに大切なお友だちだったんですね」と私は言った。

「そうさ!龍は、理解されるたびに誤解される。力が大きすぎるがゆえに。神と崇めていた人間が、ボクを世界の破壊者として忌み嫌い始める。そんな中で、プラシーボと出会い、二人で遊べたことは、ほんとうにボクにとって救いだったんだ」


「龍神様」とキーリアさんが言った。「龍神様は、もはや竜人族の守り神ではないということなのですか?白い少女、プラシーボさんと混じってしまったから。……私がもっと(しっか)り者だったなら、理解できたのでしょうが」

「うん、まあ、そういうことになるのかな」とプラシーボさん=龍さんは言った。「ボクはこの世界を影から見守ることにした。この世界が活気にあふれ、うまく回っているなら静観する。停滞し、閉塞するなら、変化のきっかけとなる(たね)を蒔く。ヤーマダくんがこの世界に呼ばれたのも、ヤーマダくんが変化のきっかけの種だからだ」

「え?私が変化の種?」

邪蛇(ジャジャ)の洞窟にある転移陣、あれは龍とプラシーボがいっしょに作った最初の作品なんだよ。世界が停滞し、閉塞した時に自動的に外の世界から変化の種を呼び寄せるための。そういうシステムをボクたちは作ったんだ」

「ひょっとして、私がこの世界に来るためにも、火山一つ分のエネルギーが必要だったのでしょうか」

「いや、大魔導士の魔法陣を解析して改良したから、必要になるエネルギーはちょっとで済むようになったんだ」

「私ごときのために貴重なエネルギーが使われたのではないと知って安心しました……。この世界に来るのは、誰でもよかったのでしょうか」

「誰でもよかったわけじゃない。キミがキミだから選ばれたんだ」

「私が私だから?」と私は言った。「私は平凡なサラリーマンです。あるものといえば、薄毛、老眼、腰痛、夜間頻尿だけの、取り柄のない人間です。そんな私がなぜ選ばれたんでしょうか」

「キミが変化を望んだからだよ」

「私が?」

「そうさ。システムがキミの祈りを検知した。『偽薬(プラシーボ)のおかげで、今日は夜中にトイレに行きたくならない』っていうキミの祈りを」

「あ……」


そうだ。この世界に来る直前に、私は布団に入り、そう念じたのだった。


「キミの祈りに、ぼくの中のプラシーボだった部分が反応した」

「そういえば、夢の中に何度も白い少女が現れました」

「それそれ。プラシーボがキミの祈りに応えて、キミをこの世界に招いたんだ」

「あれは祈りというか……。私はただ、夜中にトイレに行きたくなかっただけです。このような大それたことに巻き込まれるつもりはなかったのですが」

「プラシーボが伸ばした手を握り返したのはキミじゃないか」

「はぁ」

「キミがこの世界に来たおかげで、世界はまた回り始めた。キミが果たした役割は小さくない」

「私は勇者などではなく、ただのおっさんです」と私は言った。「そんな私でも役割を果たせたのでしょうか」

「君が本物か偽物かなんて関係ない。効き目があればそれでいいんだ」

「偽物でも効き目があればいい、ですか。……なるほど、わかりました」


私もまた、偽薬(プラシーボ)だったわけだ。


「龍神様」とキーリアさんが言った。「龍神様は、竜人族だけではなく、この世界全体の守護者となられた、ということでしょうか」

「守護者というか、傍観者であり、システムの管理者なんだけど、世界全体を見ているというのはその通りだ」

「敵軍が攻めてきたり、竜の里を守っていた結界が壊されたり、里ババ様が殺されるような悲劇がまた繰り返されるのでしょうか」

「結界についてはまた元通りになるよ。あれもシステムによって自動化されたボクの魔法の一つだから」とプラシーボさん=龍さんは言った。「戦争を続け、殺し合いを続けるかどうかはキミたちの選択次第だ」


キーリアさんは表情を引き締めた。


「選択か」と女騎士ウィトブリシアさんが言った。「ならばこうしよう」


ウィトブリシアさんは剣を抜いた。


その音を聞いて、アーシャさんが飛び起きて短剣を抜いた。その毛が逆立っていた。


「やんのか、こら!」

「こうするのだ」


ウィトブリシアさんは、腰まで伸びた金髪の三つ編みを掴むと、剣で、首の後ろのあたりからバッサリと切り落とした。「帝国軍第3部隊長ウィトブリシア・アルドランであった女は、今、死んだ。龍殿、私はそなたの軍門に降る」ウィトブリシアさんは手に握った金髪の束を突き出した。「我々の住むこの星を見て、人間同士で領土争いをすることの愚かさを悟ったのだ。ましてや、私のように父の復讐や家名再興に捉われることの矮小さを……。この命、そなたのために捧げよう!」


そう言って、プラシーボさん=龍さんの前で膝をついた。「一生お仕えし、お世話をさせていただく!」


「えー……」プラシーボさん=龍さんは困惑していた。


私たちの前に映像が浮かび上がった。竜の里の入り口付近で地面に倒れている騎士や兵士たちの姿だった。


「そろそろ彼らも起きるから、キミには彼らを連れて帰るという役目を担ってほしかったんだけどね」

「はっ。そうであった」とウィトブリシアさんは言った。「私としたことが、迅速(軽率)だった」

「うーん、そうだね。ボクは傍観者だけど、キミの役目を少し助けてあげるくらいなら、いいかもね。ちょうど依代(よりしろ)もあるし、じゃ、こうしよう、えい!」


ウィトブリシアさんの握っていた金髪が、ぼふっと煙に包まれた。煙が消えた時、金髪だったものは、羽根の生えた丸い竜のような形の、クレーンゲームの景品のような、金色の生き物になっていた。


「それはぼくの分体だ」

「なんと!」ウィトブリシアさんは自分の肩のあたりでぽよぽよと浮いている丸い物体をいとおしそうに眺めた。

「キミがこの世界のために働きたいなら、キミの立場でしかできないことがある。それをやったらどうだい?」

「私にしかできないこと?」

「かつて王位継承権すら持っていたキミにしかできない仕事だよ」

「なるほど、迅速だ!」とウィトブリシアさんは言った。「王宮の説得であるな、龍殿、いや、龍師匠!」

「うん。その仕事のため、ぼくの分体が役立ってくれるだろう」

「龍師匠、この子に名前をいただけないだろうか」

「ボクの分体だから、ボクを呼ぶのと同じでいいんじゃないの?」

「それでは気分が出ないではないか」

「じゃあキミが名付ければいいさ」

「いいのか?それは迅速だ。では、真龍(アル・ドラク)の子どもだから……」ウィトブリシアさんは目を輝かせて言った。「この子の名は、ドラコバーン!」


金色の、翼ある丸い生き物の体が光った。ウィトブリシアさんは、つんつんと龍さんの分体をつついた。「よろしくな、ドラコバーン」


それを見ていたアーシャさんが「いいな、俺にもなんかくれよ!」と言った。


「そうだね、不公平はよくないよね。……ボクが世界への不干渉を決めたのは、不公平による不満をなくすためでもあったんだよ。誰かの願いを聞き入れたら、他の人の願いも聞き入れないと不公平になるだろ?そうなると、すべての人々の願いを聞かないといけなくなってしまう。エンドレスだし、すべての人の願いを満たすなんて不可能なんだ」

「ん?むずかしい話はわかんないけど、黙っておけばいいんでしょ?」とアーシャさんが言った。

「そうだね。わかってるじゃないか」とプラシーボさん=龍さんは言った。「キミには服をあげよう。ヤーマダに服を返すといい」


アーシャさんは私のパジャマをすばやく脱いで私に放った。私はパジャマを受け取った。アーシャさんは裸だった。私は仏像的微笑(アルカイックスマイル)を浮かべ、目を逸らした。


その体が光で包まれた。光が消えて、現れたのは──


フリフリのフリルのついたドレスを着たアーシャさんだった。


「どうだい?」


アーシャさんは身体をひねって着心地を確かめた。


「おー、意外と動きやすいな、これ」

「でしょ?獣化しても破れないんだよ」

「まじか!キーリア姉ちゃん!」

「龍の神よ、彼の者に力を与えたまえ。獣神化(セオラ・テオワンデル)!」キーリアさんが詠唱した。


アーシャさんの体が膨れ、虎の姿になった。着ていた服は破れなかった。お姫さまのようなドレスを着た獰猛な虎という絵柄になった。


「おお!」

「すごいですね」


アーシャさんの体が、元の少女の姿に戻った。


「でもさ」と言ってアーシャさんはスカートをつまみあげた。「狩りがしづらいかな」

「そうか。猫耳に魔法少女の衣装じゃ、キャラを盛りすぎだったね。じゃあこうしよう」


再びアーシャさんの体が光に包まれ、衣装が変わった。今度は、緑と白を基調にした、軽快な、狩人の服装だった。


「おお、いいね。気に入ったぜ!」とアーシャさんは言った。

「防御力とスピードが高まる服だよ。キーリアちゃんを守ってあげてね」

「よっしゃ!俺に任せとけ」とアーシャさんが言った。「じゃ、次はキーリア姉ちゃんの番だ」

「え、私は別に、服はいつものこれで十分……」

「遠慮すんなよ。こういうのはもらえる時にもらっとかないと。なあ、龍神様?」

「そうだよ。この際だ。キミも服を整えるといい、キーリアちゃん」

「私がもっと(しっか)り者だったなら、お断りすべき場面なのでしょうが……。お願いします」キーリアさんが頬を染め、もじもじしながら言った。「あの、私も脱がないといけないんでしょうか?」


キーリアさんがちらちらと私を見ていた。男は私一人だった。「私は後ろを向いていましょう」


「その必要はない。調子に乗って、ウィトブリシアちゃんにボクの分体なんていうチートをあげちゃったからな……。ここは一つ奮発しよう!」


龍さん=プラシーボさんは、指の一本を、ぼとり、と落とした。


「え、龍神様、何を!」


その指が光に包まれ、キーリアさんの上に移動し、光がキーリアさんを包んだ。


そして現れたのは──


黒の女王とでも呼ぶべきシックな服を着たキーリアさんだった。


「ふん!」と龍さん=プラシーボさんが気合いを入れると、また指が生えてきた。「その服の防御力は龍のウロコと同じだ。いかなる攻撃でもはじき返す」

「え?」

「そしてその服を着ていれば、この星のどこにでも転移できる」

「ええー?」

「キミがこの力を善きことに使うことを願うよ、キーリアちゃん」

「……そのお言葉、しかと身に刻みます」

「最後はキミだね、ヤーマダくん」とプラシーボさん=龍さんは言った。「何を望む?」

「私は何もいりません」


サラリーマン心得その十二:贈答品は受け取らない


取引先から、プレゼントや商品券を贈られることがあるが、基本的に断ろう。どうしても受け取らないといけない時は、コンプライアンス部門に連絡しよう。相手が公務員なら受け取るのもあげるのも厳禁だ。贈収賄にあたり、刑事罰を受けることになる。


「ふむ。信念に基づいた拒絶か。それなら仕方がない。それにキミはすでに得ているもんね」とプラシーボさん=龍さんは言った。「学びと教訓(レッスンズラーンド)というやつを」

「学びと教訓、ですか」

「異世界に来て、何も学びがなかったわけじゃないんだろ?ボクらにも聞かせてくれよ、キミの学びと教訓(レッスンズラーンド)を」


ふむ。漠然と考えていたことはある。それを言葉にしてみるのも悪くない。偉そうな訓示をするなど柄ではないが、朝礼だと思ってやってみるか。


「私は最初、夜間頻尿を治すことばかり考えていました」

「ヤカンヒンニオ?」とウィトブリシアさんが言った。

「夜中におしっこがしたくなって目が覚めることだよな、ヤーマダ?」とアーシャさんが言った。私はうなずいた。

「私は無意識のうちに、若い頃の健康な肉体を『正常』と考え、老いていく体を『異常』だと思っていました」


私は周りのみんなを見た。みんなちゃんと聞いてくれていた。


「この世界に来て、里ババに夜間頻尿の話をした時、尿瓶(しびん)を使えばいいと言われ、私はとっさに『それはない!』と思ってしまったのです。それで気づきました。自分が無意識に若さこそ正常なのだと捉えていたことを。老いとは、異常な状態ではなく、変化なのです。完全無欠の状態に戻ろうとするのではなく、変化に柔軟に対応することが大切なのだと気づきました」


キーリアさんと目が合った。「キーリアさんも言いたいことがありそうだね」と私は話を振った。私はただ、この世界を通過していく者にすぎない。当事者が決意を語るべきだ。そう思ったからだが、もう一つ理由があった。


サラリーマン心得その十三:会議では未発言者(サイレントスピーカー)の意見も聞こう


発言しない人は、意見がないのではなく遠慮しているだけのことが多い。よくしゃべる人よりも、あまりしゃべらない人の方がいいアイディアを持っていたりする。会議を終える前に、発言していない人がいないかチェックし、未発言者(サイレントスピーカー)がいたら、発言してもらおう。そうすることで、より実りの多い会議になるし、会議後の不満も減らすことができる。


キーリアさんは「勇者様の話を聞いて思ったことがあります」と話し始めた。「里ババ様は、龍神様の肉を食べれば弱体化した竜人族を昔のような強い龍にできると考えていましたが、その考えは間違っていたのだと私は思います。過ぎ去った最盛期に憧れ、その力を取り戻そうとすることが大切なのではありません。今の状況を素直に受け容れ、できることを考えていくことが大切なのだと思います。弱体化したとはいえ、竜人族にはたくさんの力があり、資源があります。それをヒト族と争うためではなく、ヒト族と手を取り合い、世界のために使えばいいのだと私は思います」

「キーリア殿」とウィトブリシアさんが言った。「貴殿は話し合いたいと言っていたな。話し合いとは、今言ったことか?」

「そうです。竜の里は帝国に同盟を申し入れたいと考えています」

「それは迅速だ。聞く耳を持たずすまなかった」と言ってウィトブリシアさんが手を差し出した。キーリアさんがその手を握った。


うむ。


これで大団円だ。


「では龍さん。私の役目は終わったということで、そろそろ家に帰してほしいのですが」私はアーシャから返してもらったパジャマをいそいそと着こんだ。「なにしろ無断外泊なもので」

「うん、キミにはいくら感謝しても、し足りないくらいだ」と龍さん=プラシーボさんは言った。「でも、もうちょっとだけ、この子たちに付き合ってあげてよ」

「もうちょっとだけ、というのであれば、お付き合いするのはやぶさかではありませんが」

「ヤーマダ君、キミには」とプラシーボさん=龍さんは言った。「帝国の王宮に行ってもらいたいんだ」

「……え?」

「時間のことは何とかするから心配しないで。じゃ、行くよ。転移!」


足元に現れた魔法陣が光り、その光が私たちを包んだ。


竜の里の入り口付近で寝ていた騎士や兵たちも光に包まれた。


気が付くと、私は立派な邸宅の前にいた。


「おお!我が家ではないか。迅速だ」とウィトブリシアさんが言った。そばにキーリアさんとアーシャさんもいた。


騎士たちと兵たちが地面から起き上がった。きょろきょろとしていた。


「我らは森の中にいたはずでは?」

「は!!アルドラン部隊長をお守りしろ!」


騎士が剣を抜こうとした。それをウィトブリシアさんが制した。


「構わぬ!お前たちは兵舎に戻れ!別命あるまで待機だ」

「しかし部隊長」

「これは命令だ!」

「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」


騎士と兵たちは、隊列を組んで屋敷の敷地を出て、道を進んでいった。


ウィトブリシアさんは我々を応接室に案内した。メイドがお茶を運んできた。


「ヤーマダ殿はこちらへ」

「え?」

「着替えだ。その格好で王帝の前に出るわけにもいかんだろう」


こうして、私はウィトブリシアさんの父の服を着ることになったのだった。

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