エンディング:それぞれの“力”を持って
(照明がやわらかな金色に変わり、BGMは静かで透明感のある旋律に。
対談者たちはリラックスした表情で座り、あすかがゆっくりと前に立つ)
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あすか(穏やかに微笑んで):
「皆さま、長時間にわたりご視聴ありがとうございました。
“歴史バトルロワイヤル”、今回のテーマは――『チート能力を考える』。」
(観客席をぐるりと見渡して)
あすか:
「このテーマに触れたとき、最初はちょっと“軽い”印象があるかもしれません。
でも、皆さんと語る中で、私は思いました――
“チート”って、ただの力じゃない。
それは、社会の歪み、希望、矛盾、夢、そして人間そのものが投影された鏡でした。」
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あすか:
「では、最後に一言ずつ、今日の対談を終えての想いをお聞かせください。
まずは――ニーチェさん。」
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ニーチェ(立ち上がらず、静かに):
「私は今日、“力”を巡る言葉に何度も怒りを覚え、時に共鳴もした。
だが最後に残るのはこれだ――“お前の人生を生きよ”。」
(少しあすかの方に目を向けて)
ニーチェ:
「超人とは、神を信じぬ者ではない。
自らを信じる者だ。」
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あすか:
「続いて…皇帝、ナポレオン・ボナパルトさん。」
ナポレオン(少し笑って):
「私には、神も未来も哲学もなかった。ただ、目的があった。
目的を持つ者は、与えられた力でも、奪った力でも、それを使いこなせる。」
(静かに目を細め)
ナポレオン:
「今日、他の三人の話を聞いていて――
もし私が、少し違う時代に生きていたら、もっと…違う勝ち方があったかもしれん。」
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あすか:
「神功皇后さま、いかがでしょう?」
神功皇后(手を合わせるように胸に置き):
「私がこの場にお招きいただけたこと、まず感謝いたします。
私は今日、“与えられた力”というものの重さと、
それを他者と共に考えることの尊さを知りました。」
(そっと周囲に目を向け)
神功皇后:
「チートとは…もしかすると、“孤独に寄り添う物語”なのかもしれません。
そして、物語を信じる力もまた、尊い力の一つです。」
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あすか:
「最後は、発明王ニコラ・テスラさん!」
テスラ(ゆっくり立ち上がり):
「かつて、私は未来に向かって独りで話していた。
でも今日は、未来の中で誰かが耳を傾けてくれるという実感があった。」
(スクリーンに“TESLA”のロゴが小さく映る)
テスラ:
「力を持つことは、責任を持つこと。
そしてそれを正しく使うには――“信じ合える誰か”が必要なんだ。
今日のこの時間こそ、それだった。」
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あすか(ゆっくりと):
「チート能力。
私たちにとって、それは“特別な力”であると同時に、
“普通でいることに疲れた心”が、少しだけ背中を押してほしい時に現れる物語なのかもしれません。」
(対談者たちを見回して)
あすか:
「だからこそ、この言葉が示すものは、善悪じゃなくて――“選び方”。
誰かを傷つけないように、自分を諦めないように、
私たちは“物語”と共に生きていくんだと思います。」
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(BGMが少し明るくなり、照明が広がる)
あすか(朗らかに):
「それでは皆さま――“また歴史のどこかで、お会いしましょう!”」
(対談者たちが順にあすかへ軽く会釈し、観客席へ向かって手を挙げる)
(スクリーンに「歴史バトルロワイヤル/完」の文字が浮かぶ)