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9/10

エンディング:それぞれの“力”を持って

(照明がやわらかな金色に変わり、BGMは静かで透明感のある旋律に。

 対談者たちはリラックスした表情で座り、あすかがゆっくりと前に立つ)



---


あすか(穏やかに微笑んで):

「皆さま、長時間にわたりご視聴ありがとうございました。

 “歴史バトルロワイヤル”、今回のテーマは――『チート能力を考える』。」


(観客席をぐるりと見渡して)


あすか:

「このテーマに触れたとき、最初はちょっと“軽い”印象があるかもしれません。

 でも、皆さんと語る中で、私は思いました――

 “チート”って、ただの力じゃない。

 それは、社会の歪み、希望、矛盾、夢、そして人間そのものが投影された鏡でした。」



---


あすか:

「では、最後に一言ずつ、今日の対談を終えての想いをお聞かせください。

 まずは――ニーチェさん。」



---


ニーチェ(立ち上がらず、静かに):

「私は今日、“力”を巡る言葉に何度も怒りを覚え、時に共鳴もした。

 だが最後に残るのはこれだ――“お前の人生を生きよ”。」


(少しあすかの方に目を向けて)


ニーチェ:

「超人とは、神を信じぬ者ではない。

 自らを信じる者だ。」



---


あすか:

「続いて…皇帝、ナポレオン・ボナパルトさん。」


ナポレオン(少し笑って):

「私には、神も未来も哲学もなかった。ただ、目的があった。

 目的を持つ者は、与えられた力でも、奪った力でも、それを使いこなせる。」


(静かに目を細め)


ナポレオン:

「今日、他の三人の話を聞いていて――

 もし私が、少し違う時代に生きていたら、もっと…違う勝ち方があったかもしれん。」



---


あすか:

「神功皇后さま、いかがでしょう?」


神功皇后(手を合わせるように胸に置き):

「私がこの場にお招きいただけたこと、まず感謝いたします。

 私は今日、“与えられた力”というものの重さと、

 それを他者と共に考えることの尊さを知りました。」


(そっと周囲に目を向け)


神功皇后:

「チートとは…もしかすると、“孤独に寄り添う物語”なのかもしれません。

 そして、物語を信じる力もまた、尊い力の一つです。」



---


あすか:

「最後は、発明王ニコラ・テスラさん!」


テスラ(ゆっくり立ち上がり):

「かつて、私は未来に向かって独りで話していた。

 でも今日は、未来の中で誰かが耳を傾けてくれるという実感があった。」


(スクリーンに“TESLA”のロゴが小さく映る)


テスラ:

「力を持つことは、責任を持つこと。

 そしてそれを正しく使うには――“信じ合える誰か”が必要なんだ。

 今日のこの時間こそ、それだった。」



---


あすか(ゆっくりと):

「チート能力。

 私たちにとって、それは“特別な力”であると同時に、

 “普通でいることに疲れた心”が、少しだけ背中を押してほしい時に現れる物語なのかもしれません。」


(対談者たちを見回して)


あすか:

「だからこそ、この言葉が示すものは、善悪じゃなくて――“選び方”。

 誰かを傷つけないように、自分を諦めないように、

 私たちは“物語”と共に生きていくんだと思います。」



---


(BGMが少し明るくなり、照明が広がる)


あすか(朗らかに):

「それでは皆さま――“また歴史のどこかで、お会いしましょう!”」


(対談者たちが順にあすかへ軽く会釈し、観客席へ向かって手を挙げる)


(スクリーンに「歴史バトルロワイヤル/完」の文字が浮かぶ)

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