ラウンド4:技術はチートなのか?
(照明が未来的な白と青のグラデーションに変わる。テーブル上にはホログラム風の演出。スクリーンに「TECHNOLOGY = CHEAT ?」の文字)
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あすか(楽しげに):
「さあ、ラウンド4です!
テーマは――『技術はチートなのか?』」
(軽く指をクルクルと回して)
あすか:
「異世界転生でチートっていったら“魔法”ですけど、現実世界ではそれに近いのが“テクノロジー”ですよね。
スマホで世界と繋がる、AIが文章を書く、自動運転…
便利すぎて、“努力”とか“修行”とか、置いてきぼり?
でも、それってズル?それとも進歩?
…今日の登壇者の中に、未来から来たみたいな人がいますね~」
(にやっとテスラの方を見て)
テスラ(微笑):
「褒め言葉と受け取っておこう。」
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テスラ(堂々と):
「私は、技術こそが“正当なチート”だと思っている。
努力の果てに生まれた“知”は、すべての人を進化させる。
それをズルだと言うのは、過去への嫉妬だ。」
ニーチェ(首を傾げ):
「だが、誰もが“進化”を望んでいるとは限らない。
便利な技術が人間を退化させる可能性について、君は考えたことがあるか?」
テスラ:
「もちろんだ。だがそれでも、
退化させるのは技術ではなく、意志を持たぬ人間の側だ。
道具は使い方だ。火を持っても焼け死ぬ者はいる。」
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神功皇后(静かに):
「テスラ殿、あなたの言葉は理にかなっています。
ですが、“使う者の徳”が伴わなければ、技術は災いともなりましょう。
力ある剣は、守る手に握られねばならぬ。」
テスラ(うなずきながら):
「まったくその通りです。
でも、私は信じている。“知”には人を変える力がある。
それを“正しい方向へ”導く術もまた、技術に含まれると。」
ナポレオン(ふと目を細めて):
「君の語る“理想”は美しい。だが現場は、もっと無秩序だ。
技術は軍事、監視、支配…人間の欲望に即座に利用される。」
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ナポレオン(鋭く):
「私の時代には、火砲が戦場を変えた。
それに“徳”があろうとなかろうと、威力こそが支配した。
テスラ、君の夢は素晴らしいが――
現実は、もっと残酷だ。」
テスラ(じっと見つめ返す):
「…それでも、私は“理想”を持つ。
それがなければ、人は技術に飲まれるだけだ。
だから、発明者には倫理が必要なんだ。」
ナポレオン:
「だがその“倫理”は、勝敗を決しない。」
(空気が少し重くなる)
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ニーチェ(静かに):
「…私は、技術が悪だとは言わない。
だが、それに“魂”を委ねる人間の姿には…不安を感じる。」
(手を組み、全員を見渡す)
ニーチェ:
「“道具”に支配される者は、いずれ自ら考えることをやめる。
その時、超人ではなく**“凡人の奴隷”**となるだろう。」
あすか(静かに口を挟む):
「つまり、技術を“信じすぎる”ことに危険があると?」
ニーチェ:
「信じるのではない。問い続けることこそが、人間の尊厳だ。」
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神功皇后(目を閉じて):
「問い続けること…それもまた、“徳”の一部なのかもしれませんね。
ただ力を授かるのではなく、力と向き合う心を持つこと。」
テスラ(頷く):
「技術も、人も、絶えず進化する。
だからこそ、対話が必要なんだ。
創る者と、使う者と、そして――問う者と。」
(ニーチェがわずかに笑い、テスラと目を合わせる)
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あすか(感慨深げに):
「“チート能力”としての技術。
その是非は、答えが一つじゃないからこそ…私たちは、語り続けなきゃいけないんですね。」
(少し間を置き、視線を全体に向ける)
あすか:
「さあ、いよいよ最後のテーマに向かいましょう。
ラウンド5:現代における“チート”の意味。
今の社会に、私たちはどんな“力”を求めているのか――ご一緒に考えていきましょう。」
(照明が静かに落ち、映像が切り替わる)