表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/10

ラウンド1:チート能力とは何か?

(あすかがテーブル中央でマイクに手を添え、全員を見渡す)


あすか:

「さて――ここからが本番、ラウンド1:チート能力とは何か?

まずは、それぞれの“定義”を出し合って、土台を整えましょう。

“チート”って、ズル? 天恵? それとも……革命の芽?」


(手のひらをくるりと返すように回し、ニーチェに最初の発言を促す)



---


ニーチェ(目を細めて笑みを浮かべる):

「“チート”――愚か者たちが、自らの努力不足を正当化するために作り出した概念だ。

 安易に力を得た者は、自分の存在の重みを知らず、やがて破滅する。」


あすか(頬に指を添えて):

「さっそく手厳しい。つまり“与えられた力”は魂の腐敗、ということですか?」


ニーチェ:

「魂は、苦しみを通じてのみ鍛えられる。

 試練なき力など、皮をかぶった無力だ。」


(この言葉に、ナポレオンがやや鼻で笑うように息を吐く)



---


ナポレオン:

「だが、その“試練”を経て敗れた者は数知れず、力を持った者だけが歴史を創る。

 私はチートを否定しない。それは力の別ルートにすぎん。」


ニーチェ(即座に):

「ならば、君は結果が全てと考えるのか? 力を得た理由も、それを持つ覚悟も問わずに?」


ナポレオン(涼しく):

「覚悟とは勝った者が後からつける名だ。

 神功皇后の“神の声”とやらも、負けていたら“妄想”と呼ばれていたろう。」



---


(その言葉に、神功皇后がゆっくりとまぶたを開ける)


神功皇后:

「神の声を、妄想と呼ぶのは自由。しかし、それに従い国を導いたことは、現実です。

 チート能力とは、天命に応えるための器にすぎません。」


ナポレオン(片眉を上げる):

「天命など、勝者が自分に都合よく解釈するものだ。」


神功皇后(静かに):

「それでも、民が救われたのなら、意味はあるでしょう。」


ニーチェ(目を細め):

「だが“救い”に依存した魂は、決して自立しない。

 それは“奴隷道徳”の別名だ。」



---


(場の空気がやや張りつめた中、テスラが軽やかに口を開く)


テスラ(微笑):

「私にとって、チートとは“発明”の別名だ。

 誰もができないことを可能にする――それが科学の使命だ。」


あすか(身を乗り出し):

「つまりテスラさんにとって、チートはズルではなく“開発”なんですね。」


テスラ:

「正確には、“拡張”かな。

 脳を、想像力を、世界の可能性を――限界ごと押し広げる力。」


ナポレオン(少し皮肉を込めて):

「だが君の“力”は、大衆が理解できないから孤立した。

 それを“チート”と呼んでいいのか?」


テスラ(瞳を鋭く):

「理解されないからこそ、それはチートだ。

 君の軍隊のように万人が操れるものではない。」


(ナポレオンがわずかに肩をすくめる)



---


あすか:

「なるほど、チートとは“逃げ”であり“革命”であり“神意”であり“拡張”でもある…。

 一人ひとりの定義が違うだけで、既に火花がバチバチですね。」


(くすっと笑ってから、少しだけ声を落とす)


あすか:

「でも…もし“力を持たない者”がこれを聞いていたら、どう思うでしょう?

 “選ばれなかった側”の気持ち、誰か考えてますか?」


(その言葉に、ニーチェが軽くうなずく。ナポレオンは少しだけ表情を曇らせる。神功皇后は静かに目を伏せ、テスラは宙を見ている)


あすか:

「ラウンド2では、“努力”と“与えられた力”の関係をもっと深く掘っていきます。

 ここから、少し…熱くなるかもしれませんね。」



---


(照明が少し暗くなり、ラウンド2へ。音楽が静かに流れ出す)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ