守るもの
ガリン「引き分けだがどうするんだ?死神さんよ」
戻ってきた絶とゴーウに問いかける。
ゴーウ「なぜだ!なぜあんな戦い方をした!」
俺の言葉を無視してゴーウは絶に問いかけた。
クロウ「はぁ。本当に絶の上に立ってた奴かお前?」
俺の後ろからクロウが言った。
美羽「私でも解るわ」
俺の前にいつの間にか美羽が出ている。
小坂「ゴーウさん。あなたは失ってしまったんですね」
遠くから小坂までもゴーウにそんな言葉をかける。
ゴーウ「俺が失っただと!失ったのは絶だろう。プライドを失っている!あれが英雄の戦いか!」
ゴーウが何も解っていないのは俺やシノブでも解った。
この状況で絶とゴーウどちらが正義と聞かれたらこの場にいる者は絶を選ぶだろう。
絶は守ったのだ。
自分が負ければ消えてしまう[神滅]を。
攻撃スキルは絶とこだわっていたプライドを捨てて。
勝負にて自爆用のアイテムを使って引き分けに持ち込む。
それは、絶もやりたくはなかった選択肢だろう。
やりたくはなかったがやるしかなかったのだ。
それだけの事をして守らなければいけなかったのだ。
いや、プライドなどと捨てなければ英雄などといえない。
どんなことをしてでも守らなければいけない。
だが、ゴーウは大切な物が見えていない。
守るべきものを守れずにいる。
ゴーウ「哀れみの目で見るんじゃね!俺は強くなったんだ!」
ガリン「ゴーウ。あんたは強くて弱い。だから、ここで負ける」
ゴーウ「図に乗るな!延長戦だ。ギルドマスターを含む代表を3名で戦う!」
ゴーウが狂ったかのように言い出した。
ガリン「解った」
俺はそういってゴーウから離れていった。
[死神]のメンバーは狂い始めたゴーウをなだめるので苦労をしている。
ガリン「解ってるな。最後の戦いだ」
クロウ「あぁ。引き分けなんて終わり方はできない」
絶「俺を見て言うな。必死なんだよ俺も」
美羽「誰が行くかだね」
シノブ「誰が行くんですかね?」
何時までも変わらないこの調子で話し始める面子は緊張感も何もない。
小坂「決まってるだろ?ガリン」
小坂だけは解っている。まるですべてを見通す目のようだ。
ガリン「恐ろしいな。言ってみろ誰を選ぶか」
小坂「まず。ギルドマスターは絶対参加なのでガリン。次に近距離攻撃の絶。最後に遠距離補助として俺っといいたいが美羽だろ?」
美羽「え?」
ガリン「完璧だよ。相手はゴーウ、治幸、クルアで来るからクルアを倒すのは美羽だ」
小坂「って事だ。言って来い」
美羽「今度は負けるかもね」
絶「俺たちは勝つ」
シノブ「がんばれ!」
クロウ「さて、勝利の報告まで寝ますか」
ガリン「さぁ、神殺しだ。滅亡させるまで終わらないぞ!」
俺と絶、美羽が決闘場に入っていく。
シノブ(神滅の堕天使)「君が堕ちるなら、私もそこまで堕ちるよ。だから、一緒にがんばろう」
小坂(神滅の鷹)「俺の視界の中に闇は作らせない」