来れられない壁
side 絶
俺は一人で狩場に出ていた。
[沈黙の森]
狩場としてはレベルが低い。
161~170のモンスターが入る。
その奥へと俺は足を運んだ。
絶「さて、今更なんのようですか?隊長」
最深部で俺がそう言うと木の陰から良く知ったキャラクターが出てきた。
ゴーウ「9ヶ月ぶりだって言うのにずいぶん冷たいな」
約9ヶ月前まで[英雄]のギルドマスターとしていた。ゴーウだ。
絶「いきなり、メールでここに来いって送っておいてそれか」
昨日、メールを確認しているとゴーウからのメールがあった。
この場所に来るようにとしか書いていなかった。
ゴーウ「まぁ、それは悪かったな。俺も急用なんだよ」
絶「それで、用件はなんだ?」
俺はあまり話しをしたくなかった。
ゴーウ「そっちも急いでるようだしな。率直に言う。俺の下に戻って来い」
はっきり言って神滅に入った時の決心が揺らいだ。
それでも平然のように言った。
絶「断る。昔と今は違う。それにお前の下に行って、また裏切る可能性があるからな」
ゴーウは困ったように言った。
ゴーウ「本当か…。お前とは戦いたくなかったんだがな」
絶「戦いたくないだと…?」
まさか、[神滅]の戦力を減らすために…。
ゴーウ「お前の入っているギルド。[神滅]なんだろ?」
知らない振りをしようとしたがもう意味がないだろう…。
絶「あぁ、[神滅]だ」
ゴーウ「[神滅]はこれから強大な力と戦う。それにもし勝ち残ったとしたら俺たちが戦うことになるだろう」
ゴーウはまるで未来を見ているように言った。
絶「後者は良いとして、強大な力と戦うだと?なぜ、そんな事が解る」
ゴーウ「なぜだろうね。まぁ、有名になりすぎたっと思っておくんだな」
(有名になりすぎた?行動を起こしすぎたっと言うことか…)
ゴーウ「まぁ、がんばるんだな。強力な力に勝っても次に戦う俺たちには勝てない」
それが当然のように言った。
絶「どういうことだ?」
ゴーウ「[神滅]のトップであるお前が俺に勝てないって事だ」
はっきりと言いやがった…。
絶「なめるなよ…。何時までもお前の下な事はないんだ」
ゴーウ「なら、試してみるか?」
絶「当然だ」
俺とゴーウは決闘をした。
ゴーウ「言っただろ?お前じゃ勝てない」
絶「…」
俺が負けた…。
今まで敗北を数えるほどしかなかった俺が…。
簡単に負けた…。
ゴーウ「まぁ、がんばれば生き残れるかもな」
そう言ってゴーウは決闘場から出て行った。
(ゴーウ…。一体どこまで上に…)
俺はまだまだ下だということを知らされた。
次回から新章