新しい闇の花
青々とした草のにおいを
追いかけて無邪気に走った
君との夏
風に吹かれて舞い上がり
天をあおいで
ひとつになって
匂い草と土の上
ありのままの姿で
季節の雨が
妬けるほどの痛みを洗い流して
乾いた風が
君の狂おしいほどの薫りも
さらっていく
木の葉が地にはらはらと
風に吹かれて散り落ちる
葉は土を肥やして
ゆっくりと果実を実らせる
生きている喜びを
ひとつ手にとって
風に吹かれて また
舞い散る
季節はこころの花を
散らしてしまった
けれど
まるでしずかな夜
まるで魂のふるさと
そんな不思議な存在
そんな悠久の森の中へ
精霊達が帰る場所へ
新たな地に根をはり
そして花を咲かせ 風に乗って
彷徨いながらも 微笑みの花を
咲かせたいのです
よかったらその花をまた
あなたにみてもらえたら
気に入ったのなら
また摘んであなたの部屋に
挿してもらえたらいいな
あなたの「夜」に