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子供たち2

もう少し子供の絡みで書いてみましたが、タイトルにそぐわない、ような。

49.子供たち2


 六連星系でのお披露目が終わった後にくるのは、もちろんクルルへのお披露目。有無を言わさぬイリーゼの圧に負けてしまった。


 ということで、クルルの星にやってきた。



 クルルの衛星の裏側にディメンジョンアウトするとすぐにクルル(リモート)が起動する。クルルだけは地上(リベイタ大陸の隠れ里)にもメカ体があるので2体持ちなのだ。


 『さっきリュミエル姉さまからネットワークで聞いたわ。イリーゼとイルミの子なのね。まあ、可愛いわね!』。

 自分たちが褒められているとわかるのか、ふよふよと飛んでクルルに抱きついている。


 『ところで隠れ里に、ソイラとフーレも来ているの。来られないかしら?』。


 イリーゼが行きましょうと言う前に、別のところから声が飛ぶ。

 「コマンダー・ギンガ、私も行きたいです。私はスター・マインドの惑星に降りた経験はありません。是非、お願いします」。

 もちろん、ラーノである。自分も活躍したから褒美をくれ、ということらしい。


 今回の事件で経験を積んだこともあるが、スター・マインドのことを理解している、というよりスター・マインドと会っているコマンダーはラーノしかいない。この後のイーヴィル・ダストの発見と謎の解明には不可欠な人材となってきたということで、ため息交じりで許可を出すギンガであった。



 クルル星へ - ラーノの視点 -


 搭載艇にギンガ、イリーゼ、イルミ、ヒカリ、ソラと私の6人で惑星クルルに降下する。実は私以外は瞬間移動テレポートできるらしいのだが、ギンガは人としての常識が邪魔をしていて搭載艇で降りないと気が乗らないと言っている。たぶんこれを、残念、というのだろう。



 搭載艇の降下に伴って、この惑星の全貌がわかってきた。一番大きな大陸が人族の王国。亜人と呼ばれる獣人や妖精も共生しているようだ。ギンガの友達だという王子さまや王女さまが差別や偏見をなくすよう奮闘しているそうだ。


 南半球?のやや小さめの大陸には魔族と呼ばれる特殊な属性を持つ人族の一種が住んでいるそうだ。魔族は300年前に人族の人体実験で生み出された種族。その因縁を乗り越えて人族と交流を始めたそうだ。その切っ掛けを魔帝デーモンロードが与えることになったようだ。星海連合世界と、私たちギャラクシー・コマンダーに甚大な被害をもたらしたあの事件も、この世界では前向きの結果を残した面もあるということか。魔族のリーダーもギンガの友達らしい。


 そして、これから向かう砂漠の大陸。大きさは他の大陸の中間くらいのサイズに見える。しかし、沿岸部と中央の浮上に高い山をを覗いてほぼ砂漠。山にはクルルさんの神殿があるそうだ。イリーゼはそこで誕生(融合)したと言っていた。そういう場所なら見てみたい気もする。しかも既に時の彼方に消えた種族が作ったというならなおさらだ。


 砂漠大陸リベイタというそうだ上空からみると外輪山のカタチの中だけが緑に輝いているのが見えた。

あそこが目的地のようだ。上空から見ないとわからない、まさに隠れ里だ。この世界では高度飛行が可能なのは、風属性の竜族だけのようだ。そのためここはまだ発見されていないそうだ。



 搭載艇は隠れ里の空き地に着陸。


 ハッチが開くと様々な種族が寄ってきてお祭り騒ぎになった。もちろんその中心は、イリーゼとイルミ。いや、それ以上にヒカリとソラだ。早速、羽を持つ小さな種族ピクシーというらしいと一緒に飛び回っている。


 その騒ぎをギンガと眺めていると、中性的な雰囲気の若者が近づいてきた。

 「ギンガ、久しぶりだね」。


 ギンガとは旧知らしい。ギンガが紹介してくれた。

 「リームだ。彼女は私と同じ保安官ギャラクシー・コマンダーのラーノだ。よろしく頼む」。


 「始めましてラーノさん」。

 「こちらこそよろしくお願いします、リ-ムさん。私のことはラーノ、で良いですよ」。

 「では、私のこともリームでお願いします」。


 挨拶が住んだところで、林の上から大きな顔が現れ腰が抜けそうになった。


 「驚かせて申し訳ない。ワシはギブリだ。よろしくな」。

 「ハイ!」。

 声が裏返ってしまい、リームに笑われてしまった。


 「ギブリさんは人化しないんですか?」。

 気になったので何気なく聞いてみた。

 「ホッホッ、もっともな質問だ。・・ワシのような年寄りの地竜はな、体が大きくなりすぎてしまって、人化したときも体のバランスがうまく取れないんじゃよ。・・簡単に言うと重すぎなのだよ、ホッホッホッ」。

 面白い話し方についつい釣られて笑ってしまった。

 

 「すいません、笑っちゃって」。

 「構わんよ、そして、ワシにも星の世界のことをぜひ教えてくれ」。

 「はい!」。


 

 挨拶が一通り終わると、予想通りお茶会になった。

 

 なんとこの隠れ里ではお茶の品種改良に力を入れているようだ。そこまで好きなのかといいたいところだが、ヒカリとソラも喜んで飲んでいるので本当に好きなようだ。もっとも、ヒカリとソラはお茶請けの焼き菓子も大好きなようだが。


 面白いのは、お茶に属性付きマジュ粒子を定期的に与えると風味が違う茶葉が収穫できるらしい。そのために精霊がここにきて様々な属性を試しているらしい。

 ギンガも初対面の精霊が何人かいた。


 『私は娘たちが何処にいるのか、ちゃんとわかるのよ。その子たちを順番にここに招いているのよ。リーム便を使ってね。・・体があるっていろいろ面白いわ』。

 クルルは結構自由に行動しているようだ。面白いという理由でリームが全面協力している。


 ということで、今は新顔が二人隠れ里に来ていた。

 「光精霊のビーナよ」。

 「闇の精霊シャナ」。

 かなり貫禄のある二人の精霊とラーノは自己紹介を交わしていた。


 

 「それでね、・・」。

 ラーノが星海の話をビーナとシャナにしていたが、いつの間にかラーノの周りにみんな集まって来て熱心に聞いていた。

 ゆっくりとした時間が流れる世界では、星海の話はとても面白いらしい。エルフ族が何人か熱心に物書きをしている。どうやら吟遊詩人のようだ。この後、次々と新しい叙事詩が生まれるんだろう。


 

 大事件の後の静かな時間が流れていた。

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