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イルミ

もう一人のヒロインの登場です。ちょっと影が薄いかなぁ。暖かく見守ってください。

45.イルミ


 母スター・マインドから最後のエネルギーを分け与えられていた六精霊姫の準備が整った。


 宇宙空間で六人が手を繋ぎ合ってサークルを形成する。


 『『『『『『想いを一つに!』』』』』』。

 声は届かないが六人の想いが届く。ラーノにも届いたようで驚いた顔でキョトキョト周りを見渡している。

 サークルから数多の光が溢れ、温かい輝きが拡がる。



 そして、虹色の髪をした美女がコックピットに顕われる。


 母たちが一斉に拍手をする中、イリーゼが声を掛ける。

 「ようこそ妹よ」。


 そしてギンガに告げる。

 「妹に名を」。


 ギンガは頷きながら、静かに応える。

 「イルミ」。


 「イルミ・・、私はイルミ!」。


 そして、イリーゼがイルミの手を取り、

 「フュージョン、いいわね?」。


 「「フュージョン」」。

 イリーゼとイルミが輝きとなってギンガに飛び込む。



 ―― ラーノの視点


 ギンガにイリーゼとイルミが吸い込まれるように融合?した。一言で言うなら、信じられない、というべきだろう。

 星に生命体が宿る、それだけでもこれまでの常識をはるかに超えるものだが、それが人に宿る??聞いた途端に思考停止だ。

 しかし、目の前でそれが起こる。


 もう常識は捨てよう。ギャラクシー・コマンダーは新たな知識の地平を拓く。それで良いのだー(心の絶叫)!。


 融合したギンガの外見に変わりはない。こう、瞳や髪の色が変わるとか、光り輝くとか、巨大化するとか、なんていうことは無かった。後で聞いたら出来るらしい。ああそう、という感じだ。


 具合を確認していたようだが、言ええいーぜとイルミが融合を解除して実体化する。


 こんなとんでもないことの実験があっさり終わる。拍子抜けというやつである。



 その後は、当然、祝宴だ。と思ったら、酒ではなく、お茶が出た。後日シスターさんが教えてくれたが、AIもスター・マインドもメカ体を使っていて味もわかるが、酔うということはできないそうだ。ということで、誰も酒に関心を示さないそうだ。


 お茶の伝道師はイリーゼ。史上初めて(たぶん)の人に宿る実体型スター・マインドのイリーゼは自分のハマったお茶をこよなく愛しているらしい。真剣に伝道しているようだ。もちろんニューフェイスのイルミも伝道師二号であることは言うまでもない。



 お茶をしながら、ラクエンド救助作戦の詳細を確認する。


 私も会議に参加していたが(正確には参加させられていたが)、聞いているうちにとんでもない作戦であることを認識せざるを得ず、すぐに背中は冷や汗でぐっしょりとなっていった。


 その作戦とは(これ作戦なの?)、

   フュージョンしたギンガが、六連星系中枢に飛び、マジュ粒子を蓄積

    ※ ラーノ コメント

      マジュ粒子とはギンガが発見した新しい素粒子。作れるのはスター・マインドのみ

      マジュ粒子は様々な属性フレーバーを付与できるらしいが、今回は無属性

   蓄積中にアークフェニックスはラクエンド星系に向かい治療開始を宣言

    ※ ラーノ コメント

      実際は有無を言わさないように抑え込むこと(無茶苦茶)

      成功例は私

      治療しなければ発症後役5日から10日で死亡する

      発祥していなくとも感染している確率は極めて高い

      ラクエンド星の住民はどこにいても良い

      マジュ粒子の説明は割愛(説明しても納得してくれるはずはない)

      特殊な宇宙線とでも言えって、無茶苦茶だぁー

   マジュ粒子蓄積完了後作戦開始

    ※ ラーノ コメント

      ギンガが単身超光速飛行を行いラクエンド星系に向かう

      何言っているのかわからない

      人(もう人ではないと、ファミリーは言っているが)が超光速飛行する???

      何の計器もなく、どうやってラクエンド星系が判るの???


 私の疑問は、ファミリーに一蹴された。AIも根拠はわからないらしい。でも何とかなっている、とのこと。ギンガだから、ということらしい。AIにここまで言わせるとは!我々ギャラクシー・コマンダーの頂点に立つ人(?)はさすがである。


 

 確認完了!


 ギンガ、イリーゼ、そしてイルミがフュージョンし、六連星系に向かう。

 あっ!消えた!ホントにワープできるようだ。すっごい!!!


 そして、ラクエンド星系救助作戦、開始!

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