作戦準備-ラーノの視点
今回は別の人物からの視点で書いてみました。書きやすいようなので、外伝とか主役を張らせてみようかなと思ってます。
44.作戦準備-ラーノの視点
ふと目覚めた。気分はとても良い。少しづつ覚醒していく意識。
突然、自分が死にかけていたことを思い出した。
「私は、生きているの?」。
思わず独り言を口にする。
『24時間眠っていました。病変は完全に消えています』。
「マザーさん?」。
『はい、マザーとのみ呼んでください』。
「このポッドから出られるの?」。
『許可は出ています』。
ポッドのハッチが開く。そのまま、更衣室になっておりコマンダースーツが置いてあった。
身につけて更衣室から出ると、
『食事をされますか?』。
「そうね、お願いするわ」。
『ギンガもちょうどこれから食事です。こちらへ』。
声に誘導されてコックピットとおぼしき部屋に着く。おぼしきというのは、そこがあまりに広い部屋だったからだ。ここは、たぶんアークフェニックス。星海連合最高の宇宙船と言われているが、最高機密の塊であり、SSクラス以上のコマンダーしか乗ったことは無いはず。つまり、ギンガを含めて10人。
キョロキョロしていると声がかかる。
「飯だ。早く座れ」。
ギンガの座っているテーブルには、9人の女性と2人の男性、6人の少女(といっても人形のような感じだが生きているように見える)が着席していた。
紹介されてびっくり仰天!この席にいわゆる人間は私一人だった。
AIの使うメカ体が4体。ギャラクシー・コマンダーでは有名なファミリーだった。男性型2体と女性型2体である。
後はスター・マインドの使うメカ体が6体。母親、娘、孫四人だそうだ。なんとこの星系の恒星にそれぞれ宿っているそうだ。ギンガの報告書で、惑星に宿った生命体として記述があったが、恒星にも宿るタイプもいるということだ。軟化もう、何が来ても驚かない気がする。
最後の女性は生身のようだが、なんと生身を持つスター・マインド。しかも宿る相手はギンガ。史上初めてのタイプだろうと言っていた。だろう、という意味は、スター・マインドはこれまで生まれると母親のもとから旅立って通信手段が無いからどうなっているからわからない、ということらしい。イリーゼさんがギンガのパートナーとなったことでその連絡網が出来つつあるということらしい。すごいことじゃないだろうか?
お人形さんみたいなかわいい六人は精霊姫といって、スター・マインドの幼生体ということだ。彼女たちがエネルギーを溜めると融合進化してスター・マインドになるそうだ。
そして、これから進化するそうだ。すごいモノが見られるようだ。
・・もはや、食べている食事の味がしない。
そして、いろいろありすぎて感覚がマヒしてきたが、トドメを刺すような話が来た。
ギンガはもう人を超えたそうだ。
見た目は昔のままなんだが。昔といっても3年前にコマンダー試験に合格し認証式でコマンダーバッジをもらった時と何も変わらない。しかし、魔帝との戦いでイリーゼさんとフュージョンした後進化してしまったということらしい。人間の私には同じに見えても、ファミリーの探知担当のシスターさん、おぉっと「さん」は付けるなと言われたな、シスターには全く違う生命体に見えるらしい。
さあ、味のしない食事は終わった。世紀のショーの始まりだ。
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