ネットワーク構築 5
37.ネットワーク構築 5
最後は六連星系だ。ここの六人にネットワークを繋げば、既知のスター・マインドはすべてコネクトできるようになる。
イリーゼ以外は自分では移動できないスター・マインドたちにとって、このネットワークは非常に大きな力となるだろう。
星系外縁に着いた途端、六人のメカ体が起動する。精霊姫たちはそれぞれの母親のもとに飛んでいく。そして、イリーゼは定番のお茶の準備である。
お茶会が始まった。マジュ粒子ネットワークの現状を説明する。精霊姫は自分の母親のメカ体の膝に座ってお茶菓子を堪能している。
『なるほど、ネットワーク立ち上げはうまく言っているということだね』。
『私たちも狩のセントラルとやらとのリンクを取れば物質系惑星スター・マインドたちと何時でも話ができるのね?』。
リュミエルとカラルはさすがに全体像を把握している。やはり、経験がモノをいうようだ。
四姉妹はネットワークの意義がよくわかっていないようで精霊姫の経験を聞いて盛り上がっている。まあ、実際に使い始めればその価値に目覚めるだろう。
「リュミエル、カラル、最初にルルーと話してみてくれないか?」。
『いよいよ子供たちを生み出そうとしている若いスター・マインドだね?』
『私たちの経験が物質系惑星の子供たちに何かをもたらせるかもしれない、そう考えると楽しみだわ。娘たちにも良い刺激になりそう』。
カラルの言葉にはリュミエルも笑みを浮かべる。
『私から始めるよ』。
リュミエルがネットワーク・セントラルにコネクトを試みる。すぐにチルドレンから受信正常の連絡が来た。そのまま、ルルーにコネクト。
『もしもし、こちらは、ルルーです』。
『あら、はじめまして。恒星スター・マインドのリュミエルよ。話しても大丈夫かしら?』。
『リュミエル姉さま!はじめまして!ぜひお話ししたいと思っていました。感動です』。
『ルルー、私の娘のカラルも参加して良いかしら?』。
『もちろんです。カラル姉さま、よろしくお願いします』。
おしゃべりは一気に盛り上がる。
六精霊姫のことも話題に上がっているようだ。ただ、物質惑星に宿るルルーとしては、やはり、火、水、風、土、加えて光と闇の六属性にするらしい。普通の物質惑星に次元属性や重力属性の精霊姫がいたらどんな事が起こるのだろうか?想像もつかない。
精霊姫がバランスを取れるようになるコツとか話題は尽きない。ルルーへのレクチャーが一段落した後は、お茶を飲みながら精霊姫たちの話になる。
『ギンガに預けたことは正解だったね』。
『素晴らしく成長していますね。能力開花だけでなく、考え方の方向性が特に良いですね』。
リュミエル、カラルからの評価がすごいことになっている。
「そんなすごいんですか?」。
『クルルとも話したんだが、気の循環で能力の底上げをしていることも能力が伸びた要因だな』。
『でもそれ以上に、修行で成長したな。力を合わせて大きな力を使うということに気付くのは、普通はもっともっと後になるんだ。運が良かったとも言えるが、そこに到達させた鍛え方も良かったんじゃないか?』
たまたまじゃないかと思っているギンガだが、今後のためにも検証を考えることにした。
『そろそろ良いかもしれないね』。
『そうですね、リュミエル母様』。
何が良いのか聞こうとしたとき、突然その通信が入った。
『ギンガ、ラクエンド星系のラーノから緊急連絡です」。
最高緊急度アラートでの連絡だった。
「シスター、情報を遮蔽し投影せよ」。
『了解』。
通信映像がポップした瞬間、その異常に気が付いた。
「ラーノ、その黒い痣は・・・」。
コマンダー・ラーノの頬には黒いしみが浮き出ていた。
「ギンガ、原因不明の奇病が急激に蔓延しています。星系はすでに封鎖。治療方法はありません。科学者もすでに倒れつつあります。・・対処不能です」。
「すぐに行く、体力温存に努めろ。通信回線はこのまま維持、絶対切るな」。
「シスター、遮蔽解除」。
すぐにスター・マインドたちが問いかけの視線を向けてくる。
「【リセットの意思】が発動した。文明が一つ滅ぼうとしている。すぐに向かう」。
『わかったわ。私たちにできることは・・無いわね』。
リュミエルの言葉に、少し間を置いて、
「・・いや、今回は頼むことがあるような気がする。ネットワークを早速フル活用することになるかもしれない」。
六人のスター・マインドは頷くとメカ体から離脱した。
「ラクエンド星系に向かう」。
アークフェニックスは速やかに移動を開始した。
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