ネットワーク構築 2
構築シリーズは5回の予定です。そのあと話の展開を持ってくる予定です。ご期待ください。
34.ネットワーク構築 2
クルルとのお話は大変盛り上がった。自分の生み出した精霊姫とはやはり異なるようだ。新しい出会いというやつだろうか?この後が楽しみになってきた。
ということで、二人目の参加者(者?)のもとを訪問。ルオーブの星系の小惑星帯に滑り込むと同時に、ルオーブのメカ体が起動する。
『来た来た。・・もっと頻繁に来てもらってもいいんだよ』。
「今日は面白い話があって来たんです」。
ニコニコしながらイリーゼが応じる。
記憶交換をすると、ルオーブの顔が劇的に変化する。
『お話ができるの?ルエーニとも?・・感激――!』。
そこで、六精霊姫に気が付く。
『あら?あなたたちは?』。
イリーゼを交えて紹介が始まる。そして、その間にマザーがお茶の準備をする。お茶会の手番はどんどん洗練されていく。
お茶をしながら新四属性(次元、時間、空間、重力)の使い方を思い出したか確認する。
問題ないようだ。やはり、スター・マインドのタイプ(?)によって普段使わない情報はロックされているようだ。これも何か重要なことの鍵なのかもしれない。
基本的な情報は記憶交換で伝わっているので、ネットワークの当面の目標などを話し合う。
『確かに自分だけの試みで子供たちを育てるのは効率が悪いわね。私も何度か失敗しているし。そういうやっちゃダメ情報を検索できると便利かもね』。
「何かデメリットは想定できますか?」。
イリーゼの質問に少し考えて、
『子供たちを育てることはとても長い時間がかかるわ。だから、中途半端なタイミングで真似をすると、それはやっちゃダメ情報だった、なんてこともあり得るわね。・・でも、私なんかは新しいことをするのに時間をかけて考えるから、問題は大きくないような気もするけど・・』。
インタビュー形式で様々な課題を検討・記録していく。シスターたちもものすごく集中しているように見える、相変わらずファミリーの前のめり姿勢がすごい。彼らもAIから次の存在に進化しているのだろうか?ギンガは注意深く観察していた。
お茶会が一段落したところで、ルオーブにウィルスターのネットワークセントラル(仮)との接続をしてもらう。
『こうかな?』。
すぐにチルドレンから受信確認。
「クルル母様と話してみますか?」。
『イリーゼの母様ね。良いわね』。
ルオーブがプロトコルの宛先にクルルを指定して属性マジュ粒子を送るとセントラルがクルルのもとに転送する。
シスターが通信状態を確認。
『通信、問題なし』。
『もしもし、こちらは、クルルです』。
『もしもし、はじめましてルオーブです、クルル姉さま』。
一応周りも聞こえるようにシスターがコントロールしている。六精霊姫も自分たちの属性マジュ粒子で通信がせいりつしているのを固唾をのんで聞いている。でも、何か誇らしげな様子だ。
『こちらこそ初めまして、ルオーブ姉さま。スター・マインドがこんな形でお話しできるなんて、感激です!』。
『私もですよ!』。
見事にハマったらしくおしゃべりがはじまった。
「私も参加してみます」。
イリーゼの思い付きで三回線通話を行ってみる。
結果として何も問題なかった。非常に便利である。
属性マジュ粒子の消費量も計測できた。コスパはかなり良いようだ。六精霊姫の負担は小さいようだ。万事問題なし、と思ったが、課題が一つ発覚。
スター・マインドの情報処理キャパシティはファミリーに匹敵した。つまり、何かをしながらでもずっとしゃべり続けられるということだ。移動をするイリーゼがこれでは困るということで、ノード管理をして、【取り込み中(BUSY)】というステータスを設けた。そのうえでもメッセージを送れる緊急モードも作っておいた。これで大丈夫だろう。
ルオーブとクルルのおしゃべりは続いていたが、次のルエーニに向けて移動開始。
ネットワークの立ち上げは順調である。
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