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マジュ粒子ネットワーク?

23.マジュ粒子ネットワーク?


 またまた、惑星クルル訪問である。衛星の陰にディメンジョンアウトした瞬間クルルがやってきた。予備のメカ体を用意しておいてよかった。


 イリーゼはクルルと記憶交換をしつつ、頼まれたリュミエルからの私信を渡す。

 『こんな子供たちを育てている姉妹たちもいるのねぇ。興味深いわ』。



 「それで、夢、についてなのですが・・・」。

 イリーゼがストレートに質問をする。もちろんお茶を楽しみながらである。そこははずさない。


 ゆっくりと(お茶を楽しみながら)クルルが話し始める。


 『子供たちを育てるのはとても楽しいのです。もちろん滅びていってしまう子たちもいます。それは悲しいことですが、次につながることも確かです』。

 

 『滅びてしまった、のにですか?』。

 マザーの質問。


 『かつて存在したことは口伝、書物で伝わることもあります。遺跡、化石から判ることもあります。そして、何より私が知っています。伝わることはあるのです』。


 『もちろん子供たちの目指すものは子供たち自身が考えることです。そして考えて進んでいく道を私たちスター・マインドは見守り、その困難な道のりの記憶を精霊姫、新たなスター・マインドに託すのです』。


 スター・マインドとしての想いを語るクルルの話を聞いていて、ギンガがふと質問する。


 「スター・マインドの想いを受け止めるには、それなりの資質が必要なんだろう?聞く側が想いを受け取るという心構えが無いと何も伝わらない。遺跡や化石など典型だろう。受け取る側が真剣な探求心を発揮しなければ、ただの石と同じだ」。


 『その点は重要です。そういうアプローチをとれる種を期待して育てていますが、試行錯誤ですね。他の姉妹たちがどうやっているかは知りたいですね』。


 「母様、リュミエル姉さまたちのように、スター・マインドたちとその生み出した子供たちが同じように話せる環境というのは素晴らしいのではないでしょうか?」。

 『そうね、イリーゼ。即断はできないけれど興味ある点ね。私からもリュミエル姉さまに私信を出すのでまた届けてくださいね』。

 「はい!」。


 あぁ、また郵便屋さんかぁ、とギンガは内心ため息をついたが、この際突っ込んで聞いてみることにした。

 「もし、スター・マインド同士が自由に話ができる手段を作れば同でしょう?役に立ちますか?」。


 『スター・マインドが、瞬時に、常に、という意味ですか?人族や魔族が離れた場所にいるのに会話をしているようにということでしょうか?」。


 「そのとおりです」。

 『出来ることなら、ぜひ!』。


 『六連星系に置いてきた通信装置のようなものを配るのですか?』。

 通信担当のシスターの質問だ。


 「それは禁止事項だ。物質文明世界では超光速通信装置は完全にオーバーテクノロジーだ。そんなものを現地の知的生命体の目につくようなところに置けない。もちろん開発済の文明なら良いが、そうであるならば、星海連合に加盟済か交渉中、もしくは敵対中ということだ。フレアーノは特例でスター・マインドとじかに話している文明で且つエネルギー生命体だから許可した。交信相手の設定がファミリー限定というのも重要だ」。


 「許可した、って言ったわよね?ギンガが決められるの?」。

 イリーゼの質問に頷いて、

 「詳しい説明はまた別の機会な」。


 AAクラス以上のギャラクシー・コマンダーには文明との接触権限が認められる。その一環だが、ここでは省略。それよりはスター・マインド用のネットワークだ。



 「スター・マインドの話す内容は現状では最重要機密事項だ。スター・マインド自身にとっては大したことないような話でもね。だから、傍受できないような仕掛けが必要」。


 「・・もしかしてマジュ粒子?」。

 さすがにイリーゼは鋭い。


 『しかし、マジュ粒子は光速を越えられるのですか?』。

 シスターもマジュ粒子探知をテーマにしているので、当然の疑問を口にする。


 「わからない。越えられるならすでに可能になっているとも考えられるな」。

 『では?』。


 「急かすなよ。そこは私も含めて研究のし甲斐があるところだ。足りないならば・・」。

 「真マジュ粒子ね」。


 「本当に鋭いな、イリーゼ」。

 

 イリーゼは遠くを見るような目で続ける。

 「真マジュ粒子は、反マジュ粒子対策として要求されたのではない、私はそう感じるの。何か別の必要性があって真マジュ粒子とそれを生成できる私とギンガが現れた。反マジュ粒子はそのトリガーにすぎない、と」。


 「その考え方だと、クラインが狂気に走ったのも関連があるかもな」。

 『話が膨らんでいきますな』。

 ファザーが揶揄するように言ったが、何か関連があるような気がしてくるギンガである。


 『私もよく考えておきますよ。なぜ六精霊姫をギンガのもとに送ったのか。何かそうしなければいけないという衝動があったのは確かです。今はそれ以上は判りません』。


 話が大きくなってしまっているが、まずはマジュ粒子ネットワークだ。

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