フレアーノ
かなろSFに寄ってきてしまっていますが、もう少しファンタジー感を出すように頑張ります。
20.フレアーノ
『紹介はするわよ。もう長老会には伝えてあるわ』。
カラルがこともなげに言う。
「長老会とは?」。
『寿命が長いと、成熟してくるというか、長く生きているもののほうがよく考えられていると思うの。焦らないしね』。
『そうだねえ。安定した思考ができるということかなぁ』。
カラルの説明をリュミエルが補足する。
やはりゆっくり生きて安定した成熟期を迎えるという良さをスター・マインドの子供たちは持っているようだ。
そこにファザーから提案が来る。
『通信の相手はしばらく我々ファミリーが担当します。私たちも同行できないでしょうか?通信装置はあるのですから、依り代さえあれば何とかリンクできると思うのですが』。
「プラズマの世界を見たいわけだ」。
『まあ、それもありますが・・・』。
隠さないわけだ。素直でよろしい。
再びフュージョンしてマジュ粒子でミニドールを作ってみる。イリーゼになる前のランたちのイメージで作ってみた。通信設備経由でファミリーが接続してみる。小さいから最初はモタモタしていたがすぐに馴染んだ。
『これがマジュ粒子で構成された体か!』。
『なかなか面白いわ』
『私たちの活動領域を広がるな』。
『リンクのシステムを刷新しないと限界があるかな』。
四人とも実に勝手なことを言っている。
『それで準備は良いのか?データ図書館のデータセッティングは?』。
『すべて完了です』。
今回のプロジェクトはシスターの指揮のようだ。
『お姉さま方、六連星に向かいます』。
『了解よ。私たちはもう少しお茶をいただいているわ。到着するころ向こうに戻っているわ』。
もう少しお茶を楽しむつもりのようだ。
真マジュ粒子製小型艇(コ・メートと命名)に乗り込んでアークフェニックスを出発。六連星に向かう。
六連星フレア領域に接近。物質体ならとうに蒸発している距離だが、フュージョン体、真マジュ粒子フレーム、マジュ粒子構成体、全て問題なし。
『連星の重力均衡点が設置に良いわよ』。
クラルの案内で設置場所に接近する。
すると12の意識体がそこにいるのが判った。
念話のようなメッセージが届く。
『初めまして、私はフレアーノ長老会で今回の会見の代表に選出されました。女神さまの指示でリュミエル1と名乗ることになります』。
なるほど、スターマインドの名前に数字を付けて識別することにしたようだ。外見が意味を持たない以上相手の特定の仕方が失礼にならないように確認していく必要はあるだろう。
こちらも自分たちと星海連合の紹介、今回の提供の経緯とモノを話しておく。早速ファミリー・ミニドールズが、データ図書館の使い方と通信設備の操作を教えていく。
プラズマでない世界のありようには感銘を受けていたが、意外なことに通信設備でいるでもファミリーと話をできることがフレアーノのツボにハマったらしい。
思索に生きてきたとリュミエルは話していたが、そんなフレアーノたちも一気に提示された未知の世界への興味はすごいものらしい。でも、ミニドールズから感じるファミリーの興奮も見たことが無いほどのようだ。
さすが最初に落ち着きを取り戻したリュミエル1と念話を交わしていると、リュミエルとクラルが加わってきた。ちなみに四姉妹はデータ図書館に入り浸っているらしい。
『このような物質生命体の存在を推測してはおりましたが、実に興味深い』。
『それは私たちも同じですよ。このファミリーたちのように、もともとは物質で構成された素材の上に展開される電脳空間の住人も存在します。それでもプラズマ生命体がどのように生まれ、どう考えるのかなど、このようにお会いしないと判りませんからね』。
『私の姉妹たちも岩石惑星に宿り、物質生命体の子供たちをは育んでいる、そういうことをちらりと遥かな過去に見たことはあるが、やはりこういう情報が齎されるということは大きな価値がある』。
『そうですわ、イリーゼの齎してくれた情報をよく理解しないと。プラズマ生命と物質生命がいきなり対面してもしても・・。相互理解には長い時間が必要だと思います』。
リュミエル1とギンガの話にリュミエルとカラルがスター・マインドとしての懸念を示す。しかし、そこにファザーが一つの提案を示す。
『やはりその間に私たちAIが加わるという提案をさせていただきたい。私たち自身もさらなる自己理解が必要ではありますが、その性質はプラズマ生命に似ているのではないかと推測しています。そしてAI物質生命にもその存在を認知されつつあります。私たちの新たな存在価値がここから生ずる可能性も大きいと推測します』。
「しかし、物質生命体は固定されたカタチを持っているからその思考も形に囚われがちだ。少しずつ接触の機会を作っていったほうが良いと思うな。特に炭素系生命体は寿命が短いし、その点も何か障壁を生む可能性もある」。
『そう言うギンガさんは全くそんなことは無いように感じますが』。
感想を述べるリュミエル1にカラルが笑いながら答える。
『リュミエル1、ギンガはすでに生命の進化を駆け上がっていますよ。他の物質生命体とは別の存在と考えたほうが良いですよ』。
『自分では実感できませんけどね』。
『そこがギンガの面白いところだな』。
ギンガの本音にリュミエルから笑っている感情が届く。そこは体があるほうが慣れてるなぁ、と思うギンガ。プラズマのようなエネルギー生命体、想定される精神生命体との接触は星海連合にとって大きな課題になりそうだ。
持って行ったおもちゃ(おもちゃというにはとんでもない代物の図書館だが)は、フレアーノたちに大好評になった。思索を生きがいとする彼らにとって、他の星系世界の情報はまさに大当たりだったのだ。むさぼりように情報を吸収し、議論し、ファミリーを質問攻めにする。
ファミリーの能力からすれば質問を捌くのは大した問題ではない。むしろプラズマ生命体、ある意味肉体の無い彼らの思考と対峙することはAIであるファミリーにとって大きな可能性を孕んでいるようだ。
無限の体力(疲れたりするのか自体がよくわからないが)を持っているようなフレアーノに一旦別れを告げ、アークフェニックスに帰投する。
帰投したが同時にリュミエル達もまたやってきて、メカ体を動かしている。またまた、お茶会が始まる。
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