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遺跡訪問

滅びの元凶【リセットの意思】消去を目指して遺跡星系を訪問していきます。さあ、何が起きるのでしょうか?

14.遺跡訪問

 

 アークフェニックスの準備と、資料の整理、マジュ粒子の分析状況を点検して、ラクエンド星系国家駐在のラーノと連絡を取る。


 「やあ、この間ぶりだ、ラーノ」。

 「はっ、またご連絡をいただき光栄であります」。

 「そんなに緊張するな」。

 「前回も言いました。無理です」。


 「まあ、良いけど・・・。で、状況は?」。

 「調査団は帰国しています。こちらの時間で明日、調査報告の記者会見があります。現状で特に異常の報告はありません」。

 「あらゆることに注意してくれ。【リセットの意思】の作用はわかってはいない。最終的に文明破壊に至るダメージを与えるものということだけだ」。

 「了解。あらゆることに留意します」。




 準備を整えて、確定15件、推定79件の遺跡巡りに出発する。巡る前にヴィオネロン帝国本星(推測)に向けて情報収集機器を設置する。星海連合領域内からの超長距離監視なので何か判るのかも怪しいが、とりあえず何もしないよりはまし、という程度だ。




 設置後、ファザーの設定ルートに従って遺跡を巡る。基本的に確定上は必ず調査。その途中途中で推定情報のある星系に立ち寄ることにした。【リセットの意思】が存在すれば消去。しかし、その設置時期の情報が最重要である。それを繋いでいくことで、イーヴィル・ダストの行動をトレースできるのではないかという期待もある。


 10件目の遺跡星系に到着。着いた途端にイリーゼから報告。

 「【リセットの意思】発見」。またあったよ。


 イリーゼとフュージョンし、情報回収後消去。データはファミリーに渡して分析、調べることはたくさんある。

 ・文明の形態(闘争状態、技術水準云々)

 ・発展速度

 ・時期(どれくらい昔か?)

 ・何がリセットの判断なのか?

 

 ここまでの10星系中9星系で【リセットの意思】を確認した。ものすごい確率だ。しかもそのうち5星系は推定されていた遺跡星系で、発見された【リセットの意思】の近接惑星上に実際の遺跡が発見できた。1つだけ【リセットの意思】が発見されなかった星系があるが、そこにも遺跡は存在した。ファミリーの分析によれば、エネルギー兵器の暴走の跡が検知されており、イーヴィル・ダストがリセット判定を下す前に自滅したのではと推測されるそうだ。


 「これだけの確率で【リセットの意思】が確認されるということは文明は意外に多く発生しているようだ」。

 『しかもリセットされたことを考えれば、危険な文明が多いという推測も成り立ちます』。

 ブラザーの意見である。


 「イーヴィル・ダストの判断基準がまだ不明で断言はできないがな。まあ、好戦的な文明が多いという推測は成り立つかもね」。

 『ヴィオネロン帝国の状況を監視していれば判るかもしれません』。

 「そんな悠長なことは言っていられないが、政治情勢を考えれば手出しできないなぁ」。

 溜息をつくギンガだった。


 ちなみに、スター・マインドとは接触していない。リセットされる星にスター・マインドの星は含まれないという仮説は今のところ否定されていない。スター・マインドの星だから対象でないのか、スター・マインドの産み出す種族の文明はリセットの閾値から外れるのか、はいまだ結論は出ない。ギンガには後者のような気がしてならなかった。そしてそれには何か意味がある。といことは、それを学ぶ意味がある、そうギンガは考えていた。



 いつものように情報を整理し、11番目の遺跡に向かう準備をしている時にイリーゼが言い出した。

 「とても近くにお姉さまがいらっしゃる感じがします」。


 『多量のマジュ粒子を観測しています。方向は、1024:512:768。惑星スピリット・ルルーの例によれば、距離は25光年と予測されます』。

 報告はシスター。さすが、アークフェニックスの通信・探知担当。


 「該当宙域に生命体発見報告はあるのか?」。

 『惑星cse-002564-5 に初期宇宙文明レベルの報告があります』。


 「どういうレベルなの?」。

 イリーゼが聞いてくる。


 『惑星スピリット・クルルよりすこし進んで、人工衛星を打ち上げられるレベルになったレベルです』。

 「名前はついているのか?」。


 ギンガの質問にファザーが答える。

 『35年前に連合の無人探査船が発見しました。初期宇宙文明レベルであるのと、近辺に加盟星系が無いため有人調査は未実施です。そため愛称はついていません』。

 「行けば名前つけろと言われるな」。

 「当然です。お姉様をcse-002564-5 と呼ぶなど許しません!」。


 「35年前か。どこまで発展しているかな?。星系図は出せるか?」。

 「どうしたのですか?」。

 「星海連合が新しい宇宙文明と接触する場合は厳しいルールがある。理由もなく連合側から接触することは禁じられているんだ。簡単に言えば、自力で加盟してくるまで待て、ということだ」。

 「ふうん」。


 『星系図投影します』。

 

 その星系は、岩石型惑星が内惑星として7個。ガス惑星が外惑星としてやはり7個。ただ、第二惑星と第三惑星の間は小惑星帯がありかつては15個の惑星を持つ星系だったようだ。


 「この小惑星ベルトに接近し、大きめの小惑星の陰に行くか。・・よく考えるとスター・マインドの星で宇宙文明に手が届いた星とは初めて接触するな」。

 「そうなの?」。

 「まあ、スター・マインドがいても気が付いていない星もあるかもしれないが」。

 「ふーん。まあ、そのうち調べましょう」。


 イリーゼはお姉さまに会うことを楽しみにしているが、ギンガは違うことを考えていた。宇宙文明まで発展したということは、cse-002564-5 のスター・マインドはそれなりに長くそこに宿っていた可能性が高い。イーヴィル・ダストに近いことからも何か知っているかもしれない、それを期待していた。

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