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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第三章~天然都市・ファンノン~
71/76

自然

第71回


コンコンと、部屋のドアをノックする音が聞こえる。


クラサ達だろう。

僕は自分の荷物を持ち、その部屋を後にした。


ここから、もうひと歩きすれば天然都市ファンノンへとたどり着く。


僕達は宿屋でチェックアウトを済まし、ファンノンへと急いだ。


ここからはまた森が続く。

もっと森が深くなっていくようだ。


森の葉が光を通さないように立ちはだかり、辺りを薄暗くしている。

だが、少しの木漏れ日が、神秘的な雰囲気を演出する。

それは気持ち悪いというより、美しいものだった。


そんな中、奥へと続く道を歩いていく。


奥に進むにつれ、大きな木が目立ってきた。


太い樹木。


大人10名ぐらいで手を繋ぎ、ぐるりと一周したぐらいの幹の太さである。

そんものがところどころに目立ってきた。

高さも相当なものである。


「もうすぐね」


ヒリナが口を開いた。


宿でちゃんと寝たからか、ヒリナは上機嫌になっていた。

トロールを無傷で倒せるほどの強い師団長様も睡眠には弱いらしい。


やっと、僕達は天然都市ファンノンへと辿り着いた。


想像通りというか、なんというか。

巨大樹が5つ星型に並ぶ中、それを基点として人々が暮らしている。


地面ではなく、木の上で。

木と木を蜘蛛の糸のようように吊り橋で渡り、枝に自分たちの家を建築している。


枝まで上がるのには各巨大樹に付いている螺旋階段をぐるぐると上るしかなさそうだ。

面白い作りの町だと思うが、同時に上の方から落ちたら命はないだろうなと思える。


高所恐怖症の人には絶対お勧めできない場所だ。


「この一番上にファンノンの長が居る屋敷があるわ」


ヒリナが説明してくれる。


ここからは、遠すぎて見えない。

かなり遠い道のりに感じた。


「ここって戦争には向かないよね」


螺旋の階段を上り始め、僕は一言そうつぶやいた。


攻めようによったら、楽に落とせそうなものである。


「難攻不落よ?ここ」


だが、ヒリナはそれを否定した。


「え…?なんで?」


「戦争となったら、周りの森を防衛線にするのよ。その時点で決着がついているようなものよ」


地の利を活かした戦法ということだろうか。

確かにあの深い森は、迷ってしまったらもうダメなような気がする。


「森ごと燃やすのは?」


「あー…それは、最悪の悪手ね…」


「なんで…?」


「この森にはエルフも住んでいるの。それすらも敵に回しかねない」


「エルフって、あの…?」


「そう、弓を主に使う種族ね。生れ付き人間より魔力が高いからやっかいなのよね」


なるほど…それは厄介だ。


「なら、奇襲…!」


「残念♪ちゃんと宣戦布告する事が条件よ。その都市の長は、契約書で契約済みなの」


ぐぬぬ…。

他に良い手はあるだろうけど、ここで言い争っても仕方ない、僕がこの都市を攻めるわけでもないし。


勝ち誇ったヒリナに勝ちを譲り。

僕達は他の談笑をしながら階段を上った。


何時間階段を上っただろう。

こんなに疲れる都市があるとは思わなかった。


旅で足が鍛えられてなければ、僕の足はとっくに限界を超えていた。

途中、何箇所か休憩所が設けられていたけど、何とか休憩なしでのぼり終えた。


驚く事に女性人はまだ余裕がありそうだと言う事だ。

子供のウィーネであってもだ。


僕は女性人の足を盗み見る。

スラリと伸びる素足。

とてもあの螺旋階段を上り終えた強靭な足腰とは思えない。


「…何?」


その視線に気付いたのかヒリナがジト目で僕を睨んでくる。


「なんでもありません」


僕は焦って視線を交わし、言い訳をした。


僕達はそのまま宿屋のある繁華街地区へと辿り着いた。

そこの橋はかなり大きく、人々が色々と動き回れるものとなっている。


まずはチェックインを済ませる事にする。


すると


「…だ!!!!」


外の大通りが騒がしい。

僕達は気になり、チェックイン途中のクラサと、ウィーネを残し、僕とヒリナで宿の外へ出た。


すぐに騒いでいた男が見つかった。


「誰か…っ!長に伝えてくれ…っ!」


ここまで急いで上ってきたのだろう。

息切れを起こし、足が言うことを利かないのか這いつくばっている。


それでも、伝えなければならないのか、息を整え。

男は大声で叫んだ。


「エルフの森が襲われている…っ!!」


狙われたエルフさん…!

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