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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第三章~天然都市・ファンノン~
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兄妹

第69回!


「君はウィーネの何なの?」


「兄妹だよ」


「え…?」


兄妹…。

それはどういう意味だろう。

人類皆兄弟的な意味なのだろうか。

それとも、精霊族は一つの大精霊から生み出されているとか?

単純に兄妹?

…二人は雰囲気からしても全然似てないない。

腹違いの兄妹とか…?

いや…養子という線もある。

そもそも、精霊族の子孫繁栄システムってどうなっているんだろう。


「この世界の精霊族って、どうやって生み出されるの?」


「人間と変わらないんじゃない?よくしらないけど」


まぁ、そうだよね…こんな子供に聞く質問ではなかったかもしれない。


「ウィーネと、えっと君は…」


「ギュレンだけど?」


「ギュレン…うん。あ、僕はユウタ、宜しくね」


相手に名乗らせて自分は名乗らないのは失礼だ。

僕は礼儀的な挨拶をしておいた。


「別にいいよ。そういうの…で?」


そっぽを向くギュレン。

意外と恥ずかしがりなのだろうか。

怖いイメージがあっただけに、そのギャップに少しかわいく思ってしまう。


「何だよ…」


ギロリとにらまれてしまう。

おっと、まずい…。

僕は質問を続けることにした。


「ウィーネとギュレンは、本当の兄妹なの?」


「そう聞いてる。会ったのは初めてだけど」


多分、父上と言っていた大精霊からだろう。

初めて会ったのには、何か複雑な理由でもあるのだろうか…。


普通に考えたら、このギュレンは火の性質、ウィーネは水の性質。

それが兄妹ということは…。


「…帰る」


僕がそんな事を考えている間に、ギュレンは踵を返し、宿の前から去ろうとしていた。


「ウィーネに会わなくていいの?」


ついそんな言葉が出てしまう。


「苦手なんだよ。あいつ…」


どういう意味なんだろうか、やはり火と水だから性格的に合わないという事なんだろうか。


ギュレンと名乗った少年はそのまま姿を消した。


焦ることはないだろう。

あの少年はまたウィーネに会いに来るはずだ。

またその時に少しずつ情報を引き出そう。


今回で、ギュレンから色々と情報は得られた。


やはり、この世界も大精霊が居るようだ。

後は、時の大精霊の存在・所在を確かめて、時の大精霊に会ってキリヤードをあの時間軸に戻してもらって…。

その後は…。


その後はどうするんだろう。

あっちの世界での雫の身体は朽ち果てている。

ウィルの予想の範囲内だけど、それは確実なのかもしれない。


なら、一緒にあちらの世界に戻るには、魂を入れる器を用意するしかない。

漫画とか、物語によくある…ホムンクルスとか…?


「……」


なんだか頭が痛くなってきた。

やる事が多すぎる。


ただ分かる事は、一歩ずつでも前に進まなければ、雫と会えなくなってしまう事だった。


僕は腰につけたキリヤードに触れる。



―それがあなたの戦う理由だからです―



クラサの言葉が頭をよぎる。

優しい気持ちと、勇ましい気持ちが交差する。


僕は顔を上げ、ゆっくりと一歩を踏みしめ前へと歩き始めた。

雫さん復活への道は険しい。

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