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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第三章~天然都市・ファンノン~
68/76

再度

第68回!


「…バカじゃないの?」


ヒリナの呆れた顔と、ウィーネの僕を心配している顔が見える。


「すみません」


謝る他なかった。


「そういう時はすぐに起こして。…何のために付いて来たか分からないじゃない」


ごもっともである。


「無事だったからいいけどさ…」


もう怒ることがないのか、ヒリナはそれだけ言うとソッポを向いた。


「ごめん、ありがとう」


そんなヒリナに、もう一度、謝罪とお礼を述べる。


今は状況も沈静化している。


商人の男は無傷で無事だった。

傭兵の男も、かなりの深手を負っているが命には別状がないようだ。


まだ木だったから良かったようなものだろう。

トロールのあの豪腕を直接食らっていれば、命の保障はなかっただろう。


後でヒリナに聞いたが、この辺で出るトロールにしてはかなりのサイズだったらしい。

自分と相手の力量を本能的に図れる事もかなり戦いなれているとも言っていた。


傭兵の男は、商人が責任を持って街まで送り届けるそうだ。

街につくまで、他の商人と共に進むらしい。

商人同士、この世界を渡り歩くには助け合うのも生きていく術なのだそうだ。


朝になり、商人たちと挨拶をし、僕たちはその場を後にする。

あの後、ずっとヒリナが見張りをしてくれていた。

僕が交代するか聞くと、睨まれる始末だ。


完全に信用をなくしてしまった状態だった。


「宿についたら、いっぱい寝てやる…」


目の下にクマをつけたヒリナがぶつぶつとつぶやく。


…本当に申し訳ない気持ちになった。


他の皆もそれぞれに眠れない夜を過ごしていた。


クラサはヒリナに付き合っていたし、僕は僕で罪悪感で寝れない。

ウィーネはウィーネで気を使っていたようだ。


僕たちは無言で次の村まで歩く事になった。

これほど気まずい旅は初めてである。


夕方に近づく頃。

次の村にたどり着いた。

ここからもう少し行った所が天然都市ファンノンだそうだ。


僕たちは、早速宿を取り、食事を調達した後に。

ぐっすりと休んだ。


目を開けると、朝になっていた。

本当にぐっすりと休んでしまったようだ。


僕は、起き上がるとキリヤードとウィルの入った宝石を手にする。


(おはよう)


すると僕に対し、ウィルが朝の挨拶をしてきた。

なんだかこの感覚は久しぶりな気がする。


「おはよう」


(変な顔をしているね)


そんなに変な顔をしていただろうか。


「ううん、なんでもない」


僕は昨日購入していた食事を取ろうとテーブルに近づく。

すると、近くにある小窓から外にいる人物が気になった。


こちらを見上げている少年。


精霊族の少年だった。


僕は食事を後にし、急いで外へと向かった。


「君…!」


精霊族の少年は僕へと視線を向ける。


用心しなくてはいけない、ウィーネが近くにいない以上、敵意を向けられれば僕は彼の熱気のオーラに殺されるだろう。


僕は少し離れた場所から話しかけた。


「ウィーネに会いにきたの?」


「…そうだよ」


やっぱりそうなんだ…。

彼にはあの事を聞かなければならない事もある。


「報告するって言ってたよね?」


「それが…?」


「ううん、どうなったのかなって…」


「…消したよ」


「…っ!」


その答えに、僕はつい身構えてしまう。


「はは、嘘だよ」


「…?」


「あの時はついカッとなったけど、報告したら『人間族に関わる事は出来ない』って言われたよ」


クラサの読みは間違っていなかったようだ。

なら、次は誰に報告したかを確認しておきたい。


「誰に報告したの…?」


「父上だけど?」


父上。

僕の読みが当たりなら、大精霊だ。


「父上って、大精霊…とか…?」


「そうだね」


当たりのようだ。

この世界に、大精霊は存在するようだ。


だが、これ以上探りを入れるのはどうだろう。

彼の感情を逆撫でする事にもなりかねない。


焦らない方がいいかもしれない。

僕は質問を変える事にした。

大 精 霊 !!

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