表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第三章~天然都市・ファンノン~
66/76

認識

第66回!


僕はとっさに商人の男の背中を強く押し転ばせ、僕もその場に伏せた。


大木はブオンという風切り音と共に僕たちの頭上をかすめた。


危なかった。あと少し遅ければ…。


僕は傭兵の安否が気になった。

そちらに顔を向けると、姿が見当たらない。


グシャリと…。


僕の後方数メートルの方向で何かが落下して潰れるような音が聞こえた。


「あ…あぁ…」


商人の男が、声にもならない声でその場の状況を伝えてくる。


僕もそちらの方向に目をやると、やはり傭兵が倒れこんでいた。

装着していた鎧は大木との接触で四散し、その威力を物語っていた。


生きているのか、死んでいるのかは、この場所からでは確認できない。


トロールとの距離の差、こちらを気にしている差で命運が変わったのだろう。


だが、そんな分析をしている暇など僕にはなかった。

トロールは次の攻撃に備え大木を持った腕を振り上げる。


だ…駄目だ…。


まだ体を起こしきれていない。

次の一撃を、僕たちは避けられない。


(やれやれ)


するとウィルの声が聞こえた。


その瞬間、トロールの縦一線の攻撃が僕たちに襲い掛かった。


「……っ!」


万事休すと思われた一撃。

それは一向に訪れる気配がなかった。


すると、後方で何かが落下した音が聞こえた。

先ほどとは違い、大きく重い音だった。


それは目を開ければすぐにわかった。

僕たちに振るい降ろされたはずの、トロールが持っていた大木が折れていたのだ。


僕と商人の周りが、何かで覆われているようだった。

これは…見たことがあった。

クラサの幼馴染、魔法使いのイトキが使っていたものと似ている。


トロールは自分が持っている折れた大木と、僕たちを交互に見て疑問符を浮かべている。


(私の今の魔力ではそう持たないよ)


そう口にするウィル。


なら、その前にトロールにキリヤードの一撃を与えるしかない。


即座に、僕はウィルの入った宝石をキリヤードの穴に装着した。

何も反応がないが、これで良いのだろうか…?


「あぁあああああぁ!」


言葉にならない声をあげ、先ほどまで疑問符を浮かべていたトロールも動きを再開した。

思い通りにいかなかった事に腹を立てているようだ。

トロールは折れた大木を捨て、僕に近づいてきた。

素手で攻撃してくるようだ。


僕はそんなトロールに向けて、キリヤードの剣先を向けた。


だが…。

一向に、雫の時の反応は起きる気配がなかった。


「何も起こらない…?」


僕が疑問符を浮かべていると。


バチン!!!!!


という音と共に、僕の体は宙に浮かんだ。

トロールの横殴りを食らい吹っ飛んだのだ。


「がっ…!」


ウィルの魔法で守られているはずなのに、僕の体は吹っ飛んだのだ。

それは、ウィルの魔力が切れた事を告げていた。


体から地面に着地する。


だが、思った以上にダメージは大きくないようだ。

ウィルの魔法が緩衝材の役目を果たしてくれたようだ。


あの巨体から繰り出される攻撃だ。

まともに食らっていたら一撃で血だるまにされていたに違いないのだ。


僕はゆっくりと体を立ち上がらせた。


でも、何故キリヤードは反応してくれなかったのだろう。


(そういうことか…)


ウィルがそう口にする。


「え…?」


(…君は、キリヤードの本当の持ち主じゃないからね)


「あ…」


当たり前の事だった。

キリヤードの本当の持ち主はクラサだ。


僕は、雫が力を貸してくれていたからキリヤードの力を使えていたんだ。


僕は勘違いをしていた…。


何か出来ると勘違いをしていた。

遂に無能系主人公に…orz

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ