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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第三章~天然都市・ファンノン~
65/76

魔物

第65回!


お礼を告げたあと、周りが少しざわつき始めた。


「なんだろう?」


その方向をみても、暗闇でよく分からない。


「ヒリナ達を起こした方がいいですか?」


今眠ったところを起こすのは申し訳ない気がする。


「ちょっと僕が様子を見てくるよ」


「え…大丈夫ですか?」


「大丈夫、いざとなったらウィルに力を借りるから」


他人の力にすがるのはあまり好きじゃないけど…。

一度は宝石をつけたキリヤードの力を試しておいた方がいいだろう。


「私も行きます」


腰を上げた僕に対し、クラサがそう口にした。

キリヤードの力をクラサにも確認して貰いたいところだけど、商人達や旅人の所持品狙いの盗難が目的かもしれない。


「寝ている二人も心配だし、所持品の盗難目的の騒ぎかもしれないから、クラサはここに残ってて?危ないと感じたら二人を起こして」


僕はこういう事態の為に備えていた、たいまつに焚き火の火をつけながら、クラサに注意を促せる。


「…そうですね、すみません。考えが足りなくて」


僕の言葉に、クラサは少し反省したような表情を見せた。


キリヤードはクラサにとって大事なものだ。

キリヤードの力が気になるのもあるだろう。

クラサの善意に甘えて、僕はずっとキリヤードを預かっているのだから。


「ごめん…」


なんだか無性に罪悪感を覚えた僕はクラサに一言謝罪をのべた。


「え…?」


その謝罪の意味が分からないのか、きょとんとした表情のクラサを置いて、僕は先ほどからざわついている方向へと足を向けた。


「ウィル…?大丈夫?起きてる?」


(あぁ、起きてるともさ。この状態は眠らなくても良いみたいでね)


まるっきり、雫と同じ状態だ…。

心が痛んだが、今は気にしないようにした。


「力を借りたい」


(力を試したいんだね。それは重要な事だよ)


「ありがとう」


察した上で肯定してくれたウィルに、僕は礼を述べた。


早足で現場に近づく。


すると、人の悲鳴と人じゃない大きな唸り声のようなものが聞こえてきた。


それから察するに、モンスターの襲撃のようだった。

この場では数人の商人達が野宿をしていた。


この暗さでは、どれくらいの被害かは分からない。


現場につくと、


まず目についたのは、四散した焚き火の火の粉と、商人が所有していたアイテムだ。


「ひ…ひぃ…」


商売品の剣を手に腰を抜かして座り込んでいる商人と思わしき人物。


目の前には、大きな巨体。

全長3メートルは優に超えている。


(トロールだね)


ウィルがそう答えた。

ファンタジー系の創作でよく聞く名前だった。

筋肉質で、原始人のような衣装。

確か妖精と呼ばれるたぐいのものだった気がする。

人食い巨人のイメージがあり、こちらの世界でもそうなのだろうか…。

だとしたら、ここで食い殺される可能性もある。


それを想像し、僕はゴクリと喉を鳴らした。


そのトロールに現在対峙しているのは、契約書にて雇われた傭兵なのだろう。

うまく、トロールの腕での攻撃を避け、その腕に対し一刀両断を試みる。

しかし、その太い腕に傷つける事は出来ても、切り裂く事が出来なかった。

硬い筋肉が刃を通す事を許さないのだ。


「ちっ」


傭兵は、無理と悟ったのか、一旦引き距離を保つ。

経験が伴っているのだろう。動きに躊躇がない。


商人はというと、そのまま座り込んで身動き一つ出来ないでいた。


このままでは傭兵の邪魔になってしまう。

僕はその商人の元へ駆け寄り、逃げるように急かした。


「すまない!」


その様子を横目で見ていたのか、傭兵はそう言葉をかけてくる。

僕は、傭兵に向かい会釈しながら、商人に肩を貸し誘導する。


すると、トロールはキョロキョロと周りを見回しはじめた。


「?」


何だ…?


その場に残った傭兵と、僕は一瞬戸惑った。

すると、トロールは近くにあった大木に近づくと手をかざした。


まさか…あの大木を…!?


そのまさかだった。

トロールは一息に大きい大木を根っこから引き抜いたのだ。


やばい…この射程距離は…。


そのまま、トロールはその大木を僕達に向かい、横一線に振りかざした。


感想嬉しい感想嬉しい感想嬉しい感想嬉しい感想嬉しい感想嬉しい感想嬉しい感想嬉しい!!!!


おっと…!

トロールさんは犠牲と…(ぉぃ

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