表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第三章~天然都市・ファンノン~
63/76

経緯

第63回!


普通に戻った森を抜けるのは容易かった。

半日もかけて彷徨った森を、僕達は出ることに成功したのだ。


「やっと出られた!」


一番最初に森から駆け出したヒリナは、太陽の光を浴び気持ち良さそうに背伸びをした。

それにつられ、僕も背伸びをしてしまう。


すると、クラサもウィーネもつられたように伸びをしていた。

なんだか面白い光景である。


周りに少数の人が見受けられ、僕達の事を不思議そうに見つめ過ぎ去っていく。


(いや~すまなかったね)


すると、ウィルが一言謝って来た。


「身を守るためですから、仕方ないですよ。それに、キリヤードが導いたんですし」


僕がフォローを入れると。


(そう言って貰えると助かるよ)


そう返してくれた。

クラサもヒリナもウィーネも森で時間をくった事はあまり気にしていないようだ。


ここからファンノンまでまだまだ時間がかかる。

それまで村もないようなので今夜は野宿だ。

女性三人を野宿にさせてしまうのは申し訳ないけど、彼女達そんなのはあまり気にしていないようだ。

この世界では当たり前の事なのだろうか。


僕たちは野宿するに適した場所を探しつつ、先に進むことにした。


ポツリポツリと、商人達だろうか。

野宿の準備をしている人たちが目立ってきた。

が、やはり女性の姿は滅多にみないような気がした。


「私達もそろそろ野宿の準備をしましょうか」


クラサがそう言葉を僕達にかけた。

まだ日は傾いていない。


その言葉に則り、僕達は野宿の準備を始めた。


テントを張る係、火を起こすために木を集める係りと分かれる。

水の確保もしておきたいところだけど、その点は大気からウィーネが水を練り上げる事が出来る。

一日程度なら問題は無いと思う。


水場を探しても良いがやはり避けるべき難所である。

水場は生き物が集まる場所。

モンスターも然りである。


このメンバーならモンスターに遅れを取ることはない。

…が、用心に越したことはないだろう。


テントを張る係は、僕とウィーネ。

焚き火する木を集める係りは、クラサとヒリナが担当する事になった。


戦力的に考えて、この配役が妥当だと思う。


テントの設置し、焚き火の木を集めも何事もなくすんなりと終わり、夕食までの間、僕達はウィルにこれまであった旅の経緯を話す事にした。


(―――面白い事になっているね)


話し終えた時、ウィルはそんな風に言っていた。


面白いかはさておき。


僕がウィルに話したのは、僕が違う世界の人間ということ。

そこでクラサと出会い、元の世界で一緒だった大切な少女がキリヤードに入ってしまった事。

ウィーネが精霊族である事、そのウィーネを縛っていた契約書。

その縛りからウィーネを解き放つ為に剣に宿った少女が消えてしまった事。


そして、グランモールであった魔族の事、今の状況を打破するために、知識のある大精霊に話を聞くために、ある部族の元に向かっている事だ。


(初めに、君がここに来たのは落雷による転移だろうね)


大雑把な感想の後に、ウィルが自分の見解を述べだした。


(君とその少女、シズクは違う形でこの世界に召還されたものだろう)


「違う形?…つまり?」


(君と違い、少女の体は既に朽ち、魂だけが移転していると言う事さ)


「…っ!」


予想はしていた。

だが、はっきりそれを口にされると心が鷲掴みにされるように痛かった。


(すまないね。だが、はっきりしておく必要があるからね)


「…はい…」


(続けて言うよ、その少女の事は忘れたほうが良いね。どうにもならないよ)


続けさまに、ウィルは僕の心を抉る言葉を繋げた。


「…何故ですか?」


(僕達の身には荷が勝ち過ぎている)


最上級魔法使いの彼が言うのだ…。

魔法があるこの世界の人間でも無理な事なのだろう。


僕の希望が打ち崩された瞬間だった。

事実とは無情なりぃ…!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ