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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第三章~天然都市・ファンノン~
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早朝

第56回!


「…ん」


あのまま眠ってしまったのだろう。

目が覚めた頃には朝になっていた。

と、言ってもまだ日も昇りきっていない、少し薄暗い時間帯だ。


なんだか、最近はこういう時間に起きる事が多い気がする。


そういえば、昨日の夕ご飯を食べ損ねてしまった。

結構この世界の料理も悪くないと思っているので、少し残念だったりする。

でも、食事は宿泊と料金が別なので、節約という意味では良かったのかも知れない。


とりあえず、僕は体を起こし、ベットから出た。


しばらくボーっとしていたが、やる事がない事に気がついた。

スマホの電源が入れば、ネットに繋いで時間を潰せるのだろうけど…。


一応、スマホは今も持ち歩いてはいる、ズボンのポケットに常に入れている状態である。

別に邪魔にもならないから入れているけど。

お高いものだし…。


などと考えていると、机の上に軽い食事が置かれているのに気がついた。

クラサが気を利かせて、昨日の夕飯で冷めても大丈夫なものを購入してくれたみたいだ。


いつもこうやって気を使ってもらっている気がする。

とてもありがたい。


朝御飯までまだ時間もあるし、食べてしまおう。


「ありがとうございます。頂きます」


僕は少女達が寝ている部屋の方向に手を合わせ、一礼すると、その食事をありがたく味わった。


食事を済ませると、これまたやる事もないので、キリヤードを装着し外へと向かう。


外に出ると、僕は背を伸ばし、一気に空気を肺に流し込んだ。

部屋の中の空気も変わらないだろうが、なんとなく外に出た時はこういう事をしてしまう。


そこで、僕は少しデジャブを覚えた。


確か…この時間帯だったかもしれない。

クラサを起こさないように雫と宿屋の外に出て、ウィーネを見つけて、一緒に森の中にある湖に行ったのは。


そんな事を思い出していると。


「…あ」


あの時と同じようにウィーネを発見した。

まだウィーネがあの男から開放されて、数日しかたっていない。

まだまだあの頃の生活習慣は直らないようだ。


でも、なんだかあの頃のような感じとは少し違ってみえた。


あの頃は、トボトボとなんだか無機質な歩みだったが。

今は楽しそうな歩調なのだ。


僕はウィーネに話しかける事にした。


「おはよう」


最初はビクッとなったウィーネだったが、僕に気がついて挨拶を返してくれた。


「…おはよう」


これもあの時の名残なのだろう。

あの村では、『契約』を恐れるあまり誰もウィーネに声をかける事をしなかった。


だから、あまり人と触れ合うのには未だになれないのかもしれない。


「散歩してたの?」


僕はあの時のように世間話をする事にした。


「…うん、最近の日課なの」


「へぇ~…僕も一緒していいかな?」


邪魔だったり嫌そうだったら、その時は引き下がろう


そう思っていたが。


「…うん!」


意外にもウィーネは笑顔で頷いてくれた。


二人して、朝の道を歩く。

特にあれこれ話す事もなく、ウィーネの隣で、ウィーネの歩調に合わせて歩く。

それがちょっと楽しかったりする。


自然の中を歩くウィーネはなんだか、神秘的な雰囲気をまとっている。

精霊族って、こういう感じの種族なのだろうか。

ウィーネの動きに合わせて、空気が踊っているような。


その神秘的な雰囲気に、ウィーネには自然が合っている気がした。

今回向かう部族の人達がいい人達なら、本当に任せた方が良いのかもしれない。

そう考えると、なんだか今の時間がとても大切なものに思えた。


そうやってこの時間を楽しんでいると、前方から身長の低めの人影が近づいてくるのに気がついた。


身長はウィーネと同じくらいだ。


子供…?

こんな朝早くに…?


この世界の子供は早起きが多いのかと疑ってしまう。

顔はフードを被っていて分からない。


しかし、その子供は少し変わった雰囲気をまとっていた。

なんだか…ウィーネに似たような。

でも、ウィーネのような柔らかい水といった感じではなく…。


火のような…。

燃え盛る炎をまとったような雰囲気だった。


その子が僕達の前へと辿り着き、立ち止まる。

戸惑う僕達を前に、その子はフードを剥ぎ取り隠していた顔を現した。


「やっと見つけた」


そう言ったその子の頭には角のようなものがついていた。


またしても、新キャラ登場!

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