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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第二章~首都・グランモール~
52/76

打開

第52回!


壊滅…?

僕たちは、騎士団員の言葉に耳を疑った。


それに一番驚いていたのは魔法使いの彼だった。


「嘘だろ…?」


ふらふらとした足取りで、騎士団員に近づき、その甲冑を掴む。


「どういう事だ!!!」


「え…えっと…」


いきなりの奇行に戸惑う騎士団員に、騎士団長は言葉を投げた。


「説明してやれ」


「は、はい。今より半日前、何かの集団に襲われ、驚くべき速さで壊滅したと…」


半日前…?

それは、僕たちがあの女性のようなものに襲撃されたのと同じ時刻だろう。


「それは、女性の形をしていた?」


「は…はい。そう伝令は受けております」


僕が質問すると、思った通りの言葉が返ってきた。

一気に魔力を手に入れる為に、魔法都市を襲撃したのだろう。


「…婆さん…いや、デンゼルの長はどうなった…?」


イトキが続けて騎士団員へと質問を交わす。


「…確認しておりません」


「……」


最悪、二人目の最上級魔法使いも魔力を奪われている可能性がある。

だとしたら、魔族であるあの女性本体はどれだけの魔力を集めたのだろうか。


「う…おえっ…」


魔力により血液を失った上に、この最悪の報告は、彼の心に多大な負担をかけたようだった。

嘔吐しながら、イトキは倒れこんでしまった。


「イトキ…!?」




―――再び、魔法使いの彼はベットで眠ってもらっている。


「この状態ではキリヤードの量産化もままならんな…この状態でキリヤードを持って出向くのは危険か」


僕たちは、壊滅したと思われる魔法都市へ向かう事を躊躇していた。


本来の目的であるキリヤードの研究・量産化が今の魔法都市の状況で進められるわけがないからだ。

そして、真の力が分からないが、魔族に唯一対抗出来るかもしれないキリヤードを失うのは、避けた方が良いと言うのがこの都市の見解のようだ。


「ですが…イトキが起きれば、私達の制止も聞かず飛び出すと思います。キリヤードを持っていくかは不明ですが」


そう口にしたのは騎士の少女だった。


僕たちとしても、魔法都市の長に会えなければ、魔法都市に行く意味はない。

だが、今現在。

あの女性の本体は魔力を集める事に行動を費やしている。


「あの女性は魔力を狙っていました。なら魔力がない僕たちなら安全なのでは…?」


「いや…」


僕の意見を否定したのは、いつの間にか目を覚ました魔法使いの彼だった。


「魔力は、血から生成される…。時間はかなりかかるが…人の血があれば魔力は作れるんだ。魔法使いは、すぐに魔法に変換出来るように身体の血液を魔力に変換してある。そして、魔法使いの大半はデンゼルに居る…それを一掃したのなら、次は…魔力のないものを襲う可能性もある」


ゴクリと、喉を鳴らしてしまう。

僕はあの気配を思い出していた。

ピタリと背中に憑かれ命を握られている感触を。


「それでは、あれに対抗する術はないのか…?」


君主が次に魔法使いの彼へと質問をした。


「あれは純粋な魔力で作った影だ。魔力で打ち消すしかない…。だが、相手は最上級魔法使いの最高純度の魔力を所持した魔族だ…。俺の魔力では歯が立たなかった」


彼は、握った拳を見つめ、ギリッと歯軋りをした。

自分の力不足に苛立ちを隠せないようだ。


果たして、キリヤードでも通用するものなのだろうか…。

雫が居たとしても、キリヤードを使って僕の一生を捧げたとしても、あれには敵う気がしなかった。


すると…。


「宝石があれば…」


クラサがそう呟いた。


「キリヤードに装着出来る宝石があれば、魔族に対抗できるかも知れません」


それは希望的観測だった。


「伝承の上ものだろう?どこにあるかは分かっているのか…?」


案の定、魔法使いの彼に指摘され。


「それは…分かりません」


クラサは黙るしかなかった。


しかし、魔族も伝承上のものだった。

それが存在しているという事は、キリヤードの本当の力を出せる宝石も存在している事になる。

だが、その場所が分からないのでは意味はない。


下を向いたクラサをウィーネは慰めようと、クラサの服をぎゅっと握った。

それに気付いたクラサはそんなウィーネに大丈夫と、笑顔を向けた。


待てよ…?

ウィーネ…?

RPGの世界での、精霊はすごい魔力を秘めてた気がする…?

なら…。


「精霊族に力を借りるのは?」


僕は一つの打開策を提示した。


争奪も何もなく争奪編終わっちゃいましたね!(ぉぃ)

二章サブタイトル変えますか…(震え声)

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