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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第二章~首都・グランモール~
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驚愕

第51回!


「クラサ」


僕はクラサを見上げ話しかけた。


「なんですか…?」


「いや、どうするつもりなのかなって、キリヤードの受け渡しの件」


あの時、クラサが答える前に、あの奇妙な女性が現れた。

そのせいで答えを聞く事ができなかったのだ。


僕としても、クラサの意見を知っておきたかった。


「…そうですね。キリヤードと共に魔法都市一緒に行こうと思います」


「いいの?」


「はい…。キリヤードがなくなるわけではありませんし、量産化が出来ると決まったわけではありません。先ほどの事でよりキリヤードの力を知っておく必要があるとも感じました。そして…なによりも」


クラサは、手前に組んだ手をぎゅっと握り。


「…シズクを取り戻すのも」


そう口にした。


本当に、不器用な子だと思う。

真っ直ぐ、僕達の事情なんて放って置いて、自分の目的の為に行動していれば、こんなめんどくさいことに巻き込まれる事なんてなかっただろうに。


だから…僕はありったけの気持ちで。


「ありがとう」


そう口にした。

謝るより、お礼が言いたくなったのだ。


「いえ、これは私の覚悟なので…気にしないでください」


だけども、クラサは首を横に振り、その言葉を受け取ろうとはしてくれなかった。


「…うん」


だけど、それでいい。

これは僕の気持ちだ。

押し付けるつもりはない。


クラサとの今後の方針は決まったが、魔法使いの彼が眠っている以上行動を起こすことは出来ない。

しばらく、その場で待機していると。


ドアをノックする音が聞こえた。


「はい」


返事をすると、ドアから入ってきたのは騎士の少女だった。


「イトキが目を覚ましたわ」


そう教えてくれた。


僕達は部屋を出て、魔法使いの彼が寝ている部屋へと向かった。


彼が寝ているであろう部屋の前には、僕達の部屋の前にはいなかった騎士団員が2人警備していた。

厳重注意なのだろうか…?

騎士の少女がノックをし、部屋へと入る。


僕達がいた部屋と同じような作りの部屋が広がっていた。

客室なのだろうか。


ベットの上では上半身を起こしている状態の彼と、その周りに君主と騎士団長の姿を見つけた。

そこで、騎士団員の警備がついていた理由が分かった。


僕達4人は、ドアを閉めると彼が寝ているベットに近づく。

すると、魔法使いの彼が僕へと話しかけてきた。


「…容態はどうだ?」


心配してくれているのだろうか。


「うん、大丈夫。すっかり治ったよ。ありがとう」


僕は素直にお礼を言うと、彼は「そうか」と少し安心したような顔を見せた。


「話を戻そうか」


そう口にしたのは君主だった。


「あぁ、そうだったな」


何かの話をしていたのだろう。

三人はもう一度話しに戻った。


「大臣が狙われたのは、魔力を補強するためだと思われる」


「何故、君が狙われなかったのかね?」


問い詰めるように、君主が言葉を放つ。

片腕でもあった、優秀な人間を失ったのだ。当然だろう。


「俺が使った最初の魔法…あれが運命の分かれ目だったみたいだ。あれで大幅に魔力を使った俺より、魔力を大量に保有していた大臣がターゲットにされた。大臣が魔力を吸われた頃には俺の魔力は底を尽いていたからな。目的を失ったあれは姿を消したと言う事だ」


話から察するに、いきなり現れた女性の話をしているようだった。


「なるほどな…あいつは運がなかったという事か」


騎士団長がそう言いながら頷いた。


「……」


少しの沈黙が流れる中、あの正体が気になった。


「あれは、なんだったの?」


魔法使いの彼は僕をチラリと見ると口を開いた。


「あの時話していた、話の流れから想像はつくだろう…?」


遠まわしに答えを言ってくる。

僕は考えるまでもなく想像していた答えを口にした。


「魔族…?」


「そうだ。だが、あれは魔族本体じゃない」


僕は、魔族って言ったらもっと…すごいのを想像していた。

角が生えていたり、翼があったり…。


「でも、あれって…人間…じゃ?」


あの姿。

あれは完全に人間のそれだった。


「あぁ、伝承でもあるように、人が魔族になる。そして、魔力を集め、悪魔となる。言わば、あれは悪魔になる直前だ」


そう言うと、彼は立ち上がろうと足をベットから床に下ろした。

立ち上がると共に、その場でくらりと立ちくらみをしたものの、何とか耐え凌ぐ。


「そんな体じゃ、旅なんて無理です」


そう口にしたのはクラサだった。


「そうよ。今日はちゃんと休みなさい」


続いて、騎士の少女がクラサに同意する。


「いや、一刻も早くしなければならない…」


体を支えようとする、クラサと騎士の少女を制止し。


「答えを聞かせてもらうぞ。共に来るか、来ないか」


体を支えに来たクラサの目を見て、イトキは再び問いただした。


「はい…一緒に行きます」


次は、間髪居れずに返事を返した。


「…そうか、ならば行こう」


安心したような表情と共に。

魔法使いの彼は、よろりとドアに向かい足を踏み出した。


…その時だった。


バァン!と、ドアが勢いよく開け放たれたのだ。


「ご報告致します!!!!」


騎士団員の一人だろうか、慌しくこの部屋に入ってきた。


「なんだ…騒々しい」


君主も驚いたのだろう、ノックもせず入ってきた無礼な騎士団員に向かい、機嫌の悪そうな声で対応した。


「し、失礼しました!ですが、これは…即急に報告した方が良いかと思われ…」


「で、何じゃ?」


君主は聞き飽きたかのように、その言葉を流し、先を促した。


「はい…それが…」


戸惑っていた騎士団員だったが。


「魔法都市デンゼルが壊滅した模様です…」


驚くべき事を口にした。

なんということでしょう…!あの魔法都市が…見るも無残な姿に~…(ぉぃ

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