出現
第47回!
僕としても、この二つの都市からの協力を得て、魔法都市に行けるならそれに越した事はない。
現在の僕の目的は、キリヤードの中から消えた雫の所在。
そして、この剣をあの日のあの時間に巻き戻すことが出来るかどうかだ。
あの若い男、イトキと一緒ならば最上級魔法使いにも簡単に会わせて貰えるだろう。
だが…。
キリヤードの量産化。
神殺しの剣の番人であるクラサとしては、許してはいけない事態なのに変わりない。
僕も、量産化には反対の意見を持っている。
君主とは意見は違えど『量産化の阻止』その点で利害が一致していた。
しかし、今となっては、その利害関係も無くなってしまった。
僕はクラサの様子を見た。
クラサは俯き、胸の上で握りこぶしを握っている。
「……」
「では、同行してもらうか」
そんなクラサに、彼は近付いていく。
「待ってくれ」
僕はその間に割って入った。
「なんだ?」
「まだ、クラサの意見を聞いていない」
「そういう問題じゃない。分からないのか?一刻も争う事態なんだぞ?」
分かっている。
だけど…。
「クラサはどうなんだ?」
僕はクラサに問いを投げた。
「私は…」
クラサが答えを言おうとした瞬間。
彼はすごい勢いで入り口の方へと振り向いた。
「まさか、この魔力は…」
表情は見えなかったが、とても驚愕しているような声色だった。
「こんな事が…」
次に大臣風の男がつぶやいた。
僕は、彼らが見ている謁見の間の入り口の方へと視線を移した。
そこへ現れたのは、一人の女性だった。
遠目でも、その整ったボディラインが分かる。
ゆらりと動くその姿は、異質な空気を纏っていた。
突如、彼はその女性に向かい片手を差し向けると、ぶつぶつとしゃべり始める。
…これは…もしかして。
僕がそう思った瞬間。
『フレイム・キャノン』
そう彼は一言放った瞬間。
急速に手のひらから出た炎が急速に凝縮し、巨大なレーザーのようなものとなり、その女性目掛けて一直線に放たれた。
ドウン!と言う爆音と共に、それは女性へと直撃し大きな爆発を呼び起こした。
その爆発の爆風に乗り、熱い熱気が僕達を襲う。
一瞬の出来事。
周りの騎士団と僕達は、その爆風に身構えるのが精一杯だった。
その中で、騎士の少女と王の近くに居た騎士団長は既に抜刀を済ませ、身構えている。
石のフローリングを焼いた湯煙のようなものが立ち上がる中。
ゆらりと人影が揺れた。
まだ…生きているようだ。
「ちっ…」
そう舌打ちをした後、彼は次は違う魔法を練り上げる。
だが…。
その瞬間、女性の身体はその場から消えてしまった。
「?!」
何処に!?
僕はあたりをキョロキョロと見渡したが見つからない。
その瞬間。ぞわりと背筋に寒気が走った。
そう…。
その女性は僕の真後ろ。
僕の背中に張り付く形でそこに居たのだ。
相変わらずフラグ回収が早いです




