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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第二章~首都・グランモール~
45/76

要望

第45回!


「どうしてここに…!?」


謁見の間の入り口から、コツコツと僕達の方へ歩みを進めてくる。


「グランモールの君主に謁見しに来たんだよ」


そう騎士の少女へと返事を返した。


「え…?」


彼は尚も僕たちの方向へ、君主の元へ近付く歩みを止めない。

そんな彼に対し、騎士団員が次々に抜刀を始めた。

彼が僕たちに五十メートルまで差し掛かった頃。

騎士団員の足が動こうとしたその時。


「止まれぃ!!!!」


君主の隣に居る騎士が大声を上げた。

ビリビリとした威圧感が僕たちを通り抜け、彼にまで届いた。


彼もそこでピタリと動きを止める。


僕たちに放った言葉ではなかったが、その怒号は僕の背筋すらもピンとさせた。

数秒たった今でも、体がビリビリとしている。

その場は時が止まったかのように、シンと静まり返っていた。


その時間がずっと続くのかと思われたその時。


「…君は、デンゼルの者かな?」


君主が口を開いた。

今、この場で唯一、発言を許された者だった。


その言葉を聞き、その場で彼は君主に向かい立膝を立てる。

だが、先ほどの僕たちとは違い、頭を低く下げる事はしなかった。

あくまで敵意はない事と、対等の立場である事をこの場に居る人間に示しているかのように。


「本日は、デンゼルの使いとして、グランモールの君主に要望があり、ここに足を運んだ」


そして、そう口にした。


「…なにかね?」


君主は彼に問いをかける。


「剣の番人と、神殺しの剣を受け渡して頂きたい」


予想はしていた。

彼がここに居る理由なんて、それ以外にありえない。


「それは出来ない相談……だが、理由は聞かせて頂けるのかな?」


言うからには理由がある。

その真意を確かめる為に、君主は質問を続けた。


「先ほど、何故我々が神殺しの剣を求めるようになったかという話になっていた、その理由も兼ねて説明させて頂く」


彼は、チラリとクラサに視線を移す。


「ほう…」


「……魔族の存在を確認したからだ」


「?!」


周りがざわつく。

一番驚いていたのはクラサであろう。


確か、種族の話をしているとき、魔族は神族と同じで、伝承にだけ残っている存在だとクラサが言っていた。


「それに対抗する為の力として、神殺しの剣の量産化を考えている」


こちらに秘密がバレている上での発言か、それとも協力関係を求める為に情報の開示したのだろうか。

彼はそれ(・・)を口にした。


「こちらとしては、その研究で得たものをデンゼルの騎士団員強化にも当てて貰いたいたく思っている」


「ほぅ…」


共に神殺しの剣の力を共有すると言う事だ。

それほどまでに、魔族というのは脅威なのだろうか…。


「なるほど…。魔族の力は聞き及んでいる。だが、そこまでの脅威か疑問ではある」


「先日だが、最上級魔法使いの三人のうち一人が殺された」


「なっ…!?」


僕以外のこの場の人間が驚愕した。


周りのざわつきようが、その状況が今までなかった異常な事態だという事を伝えてくる。

だが、それがどういう事か、僕はまだピンときていない。


「知っているとは思うが、魔族は人の血を吸う。それは魔力を得る為にだ。魔力とは血を媒体に作られる。最上級魔法使いを倒したという事実だけではなく、最上級魔法使いの濃厚な魔力…血すらも手に入れた。これを緊急事態とし、我が長は今まで手付かずで放置していた神殺しの剣の研究と量産化を決定した」


「……」


沈黙が続く。


「何故、魔族は人から魔力を奪うんだ?」


僕は場違いと知りつつも、彼に質問した。


「それは分からない。何せ伝承の生き物だからな。力か、恨みか…本能か…。だが、この世界において、悪魔時代というものがあるのは知っているだろう?血を得た魔族は血に狂い悪魔となり、神にも並ぶ力を得る力を手にする」


その犠牲になるのは、何か分かるだろう?

そんな目で僕を見てきた。


犠牲になるのは、この世界の人々だろう。


僕の無知な発言は、より一層この状況がヤバイということをその場に居る者に伝える手伝いをしたようだった。


「一刻も早く、神殺しの剣とその番人をを譲り受けたい」


そんなざわつく場内の中。

彼はもう一度、君主にそう要求した。

出切れば、今日もう一回更新したいですね…!

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