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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第二章~首都・グランモール~
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謁見

第44回!


僕たちは、謁見の間に足を踏み入れる。

だだっ広い部屋に、支柱が左右に並び、その前に騎士団員がずらりと並んでいる。

奥に、ヒリナの主君と思われる者が座っていた。

その右には、少女と同じように鎧を装着していない騎士礼服の男。

遠目からでも、威圧感がすごい。慎重もかなり高いのではないだろうか。

もう片方、左には、その男に比べたらひ弱そうなおじさんが居た。

君主の隣に立っている事から、この都市にとって重要な人物なのだろう。

服装から考えるに大臣的な人なのかもしれない。


少女が動き出し。

僕たちもその後に続いた。


RPGなら、まさに城!という感じのBGMが鳴って豪勢さを演出するところだろうが、そんなものは一切なく。

静かな中、僕たちは騎士団員が並ぶ中を歩いていく。

それが緊張感を煽る。

もし、この騎士団員達が一斉に襲ってくることを考えるとゾッとする。


君主から50メートル離れた所で止まり、少女は片膝を立て頭を低く下げた。

謁見など経験した事のない僕は、とりあえず僕よりは経験のありそうなクラサの様子を伺う。

すると、にクラサも少女と同じように片膝を立て頭を低くした。

それを見るや、すかさず僕も真似をする。

チラリとウィーネを確認すると、僕たちをちゃんと見ていたのか、同じポーズをしていた。


しっかりとした子で助かります!


「顔をあげよ」


横の大臣風の人の声だろうか、厳格そうな声が聞こえてきた。


僕たちは顔を上げ、君主の声を待った。


「どのような用件かな?」


意外と優しそうな声で君主は話しかけてくれた。


クラサは一度ヒリナを見る。

ヒリナは、クラサに頷いて見せた。

それを確認すると、クラサは口を開く。


「はい、神殺しの剣についてお聞きしたく謁見させて頂きました」


「なるほど…貴女か、現在神殺しの剣を番している者は」


「はい」


「そうか…ならば、話しておいた方が良いかもしれないな」


話が分かる人のようだ。

優しい口調で君主は僕たちへと説明をしてくれた。


「現在、魔法都市デンゼルと、我が都市グランモールは友好関係ではあるが一つ違えば戦争もありえる状況なのは知っているかな?」


昨日の夜クラサが教えてくれたのは間違い無さそうだ。


「はい…風の噂ではありますが」


「調査の結果なのだが、デンゼルは『神殺しの剣』の力を欲している情報を得た。その力がどれくらいのものかは我らには計り知れぬが、そういう要因と成りえるものは、早めに取り除いて置きたいのが我が都市の考えだ。早々に引き渡して頂きたいのだがどうかな?」


君主は、あくまでも、奪うではなく渡していただく体で話を進めている。

そういう所は少し好感が持てた。


「…渡したとして、この剣をそれ程までに欲しているのであれば、あちらが奪いに来る可能性はないのですか?」


クラサが疑問を口にする。

確かにそうだ。

クラサの幼馴染イトキを侵入させてきたのが良い証拠だ。

それが引き金で戦争もありえるのでは。


「…その可能性も考えた。しかし、今の時点では我々の力は拮抗している。まだ何とかなる状況でな。そのキリヤードがあちらの手に渡ることにより、あちらの勢力が伸びる事を今は避けたい」


「…あの剣一つで情勢は変わるものなのでしょうか?」


僕は口を挟んでしまっていた。

僕の無礼な行動に、君主は怒りもせず僕の質問にも答えてくれた。


「これも調査の結果なのだが。あちらは『神殺しの剣の量産化』を企んでいるらしい」


「え…?量産化…ですか?」


僕たちは驚いてしまう。


「その研究の為に、オリジナルである神殺しの剣を手に入れたいらしい」


「…ですが、あの剣が簡単に使えるとは思えません…」


クラサが本音を口にする。

そうだ。番人であるクラサ自体、あの剣を作動した事はないと言っていた。

雫が居たからこそあの剣は力を発揮していたのだ。

ならば…誰かの魂を量産化された剣に入れる可能性も考えられてくる。

それは…人の所業じゃない…。


「デンゼルの長は少し変わった人間でな、読みきれぬ面がある。それと同時にこの世界でたった三人の最上級魔法使いでもある。そこいらの問題は問題ですらないのかもしれん」


僕としては、神殺しの剣を研究してもらった方が、雫がどうなったか分かるかも知れない。

だがその為に、この都市や量産化されたあの剣に魂を込められるかも知れない人たちを犠牲には出来ない。


「ですが…何故今頃…?少し前までこの剣には無関心だったのに…」


クラサは少し声を荒げ質問する。


すると…。


「それは俺が説明しよう」


背後から若い男の声が聞こえた。


「何者だ!!!!」


君主の横に居る騎士礼服の男が声を上げると、すかさずこの謁見の間に居る騎士団員全員が己の剣に手を当てる。


姿を現したのは…。


「イトキ…!?」


あの若い男だった。

ザル防衛!!(ぉぃ)

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