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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第二章~首都・グランモール~
39/76

決裂

第39回!


「久しぶりね」


彼がいなくなるのを確認すると、少女は剣を鞘へとしまい僕たちへと近づき、挨拶を交わしてきた。


そこで倒れている騎士達とは出で立ちが異なる少女。

重苦しい兜や甲冑を装着していない。

だが、騎士と分かる服装である。

騎士の礼服みたいなものなのだろうか。


「はい…お久しぶりです。ヒリナ…」


クラサは警戒しながらも返事を返す。


『そいつも神殺しの剣を狙っているぞ』


そう…。

彼が残した言葉、それが僕の脳内にもこびりついている。


警戒するのが当たり前だろう。


「も~硬いなぁ」


そういうと、ヒリナと呼ばれた少女は、ポンポンとクラサの方を叩き。


「昔みたいに呼んでよ」


と、困ったように笑顔を見せた。


そんな彼女を、クラサはじっと観察するように見つめる。


「…あいつめ…ホント余計な事を…」


少女はボソリとそんな事を口にする。


その事から察するに、この少女は本音が隠せない性格のようだ。


「えっとね…。白状すると、クラサをここへ呼んだのは騎士命令。理由は、あいつが言ったうように、神殺しの剣を手に入れるため」


頭を掻きながら説明する少女。


「…そうですか…」


悲しそうに、クラサはつぶやいた。


『色んな権力者が、その剣を欲している』


彼はそんな事も言っていた。

ならば、騎士団長が欲しているのだろうか…?いや、騎士団の上にはもっと騎士団が仕える人間がいる。


この都市のトップだろう。


「でもね!会いたかったのは本当だよ?今だって会えて、すっごく嬉しいんだから!…って信じられないか…」


本気で訴える様子から、最後は苦笑する少女。

ころころと表情が変わる。


「いえ、それは私も嬉しかったので」


そんな少女に苦笑にも似た笑顔を見せるクラサ。


「良かった♪」


仲直り…なのかな?

でも、根本的な事が解決していない。


水を差すべきではないのかもしれない。

だけど、ここははっきりさせておく必要があるだろう。


「君は、敵なの?味方なの?」


僕が質問すると、少女は僕に顔を向ける。


「…貴方は?」


少女はクラサに向ける表情とは少し違った表情を僕に見せた。


今日二度目の質問である。


「僕はユウタ、この子はウィーネ。クラサと一緒に旅をしてる」


前回はクラサが答えてくれたが、今回は僕がしっかりと答えた。


僕はクラサの味方だという意思表示として。


「…そう」


僕の意思表示が通じたかは分からないが、少女はそうつぶやいた。


「それで…君は、敵なの?味方なの?」


僕は質問を重複させた。


「…そう…ね。神殺しの剣を渡してくれないのであれば、奪うしかない。敵になると思う」


少し言いにくそうに、少女はそれを口にした。


「……」


クラサは少し暗い顔をしたが、ここははっきりさせておかなければならない。

頼れる人間か、頼れない人間か。

僕たちの戦力を考えると、そこははっきりさせておかないと致命傷になる。


ただでさえ、戦力として、絶望的なものである。


「だからね…渡してほしい」


少女はそう懇願した。


「ダメです…」


それをクラサは即座に断った。


「なんで!?この都市の騎士団を敵に回す気なの?!」


「それが、私の使命だからです…」


チラリとクラサは僕を見る。

そこにどんな意味があるか分からないが、強い意志をしっかり感じた。


「……そう」


その答えに、少女は唇を噛み、無言で目を伏せた。


交渉決裂。

またしても、先ほどのように戦闘が始まる。


……かと思ったが。


ヒリナはスッと僕達を通り過ぎると、倒れている騎士団員へと近づいた。


「明日、宿屋に迎えに行くから…もう一度だけ…考え直して」


視線は騎士団員へと落とし、僕たちを視界に入れず、そう口にした。


「……」


ここで争っても、僕たちに勝ち目はない。

少女もここで争う気はないようだ。


僕たちは、その言葉に甘え、その場を後にした。


表通りに戻って来たが、露天のざわめきは変わらない。

なんだか、そのざわめきが先ほどの楽しいものではなく、ただ騒がしいだけのものに感じた。


「行きましょうか」


クラサは苦笑しながら僕へと行動を促す。


「…うん」


僕たちは、重い足取りで宿屋へと向かった。

そろそろ二文字題名苦しくなってきました(ぉぃ

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