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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第二章~首都・グランモール~
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争奪

第37回!


「え…?」


クラサは驚いたように目を見開いている。


神殺しの剣を受け取りに来た。


彼はそう言った。


「どういう事ですか?」


クラサは少し警戒しながらそう質問した。


クラサは当初、『ある場所』に剣を持っていく事が目的だと言っていた。

魔法都市がその、『ある場所』なのだろうか…?


しかし、同時にロッカさんの腕の話をしていた時には、最上級魔法使いは、簡単に会える人じゃないと言っていた。

つまり、僕たちのために魔法都市に行くだけで、当初の予定では、最上級魔法使いには会う気はなかったのではないだろうか。


「…今、色んな権力の人間が、その剣を欲している」


「え…?」


その言葉は、クラサを驚愕させるのには十分だった。


「何の為に…?」


「その剣の特異性。お前なら分かるだろう?」


「……」


「俺は、お前と顔見知りだからな、それで使いに出された」


「……」


クラサは唇をかみ締め、下を向いている。


「渡して貰おうか」


その答えに…。


「断る!」


僕が答えていた。


彼とクラサが僕へと驚きの表情を見せる。


この世界にとって僕は部外者だ。

しかし、この剣は譲ることは出来ない。

まだ雫はこの中に居るかもしれない。

もしくは、時間を戻すにしても、この剣がなくては話にならない。


「…クラサも、同じ意見か?」


「…はい、剣の番人として、譲るわけにはいきません」


「そうか…残念だな」


そうつぶやいた瞬間。

ドンッという衝撃がこちらまで伝わってくる。

彼が戦闘モードに入った証拠なのだろう。


ビリビリと空気の違いを感じる。


RPGでよくある、レベルの差。

それを肌で感じる事が出来た。

彼と僕たちとではレベルが違いすぎるのだ。


彼にとって、最初に出会った大柄の狼など敵ではないだろう。

男たちを手玉に取っていた。あの剣士すらも一瞬でやられてしまうのでないだろうか…。


なら、僕たちでは…勝ち目なんて…。


彼が一歩前へ踏み出す。


その時だった。


バチンッ!という音がこの裏路地に木霊したのだ。


上空から振ってきた何かが、彼の纏っているモノへと衝撃を与えたようだった。


だが、彼の周りにある空気は、ウィーネの水弾を弾いたように、天空から現れた何かの襲撃を弾き返した。


「よっと」


一回転し、その何かは地面へと着地する。


「……」


彼は上空から襲撃してきたそれを一瞥する。


当初は、一瞬の事で良く見えなかったが、それは立派な騎士の衣装を身に纏っていた。


「うちの兵がお世話になったようで…」


その声はか細い、少女の声だった。


その衣装、言動から騎士団の人間のようだ。


「ヒリナ…?」


クラサがその少女に声をかける。

その言葉にそのヒリナと呼ばれた少女はクラサの方をみて。


「危ないから下がっててね」


と、笑顔で返答した。


次の瞬間、少女は剣を構え、彼へと切りかかった。


「無駄だ。剣戟ではこれは切り崩せない」


そう言い。彼は何かをつぶやき出した。

詠唱というやつだろうか。


「そうかしら?」


そう言いながら、少女は剣を横一線に振り払った。


バチッという音と共に剣と彼が纏っていたものが合わさり合い。


彼の纏っていたものを切り裂いた。


「なっ…!?」


油断していた彼に向かい。即時に少女は次の攻撃を仕掛ける。


結論から言うと、剣は彼へとは届かなかった。

少女は剣を寸止めしていたからだ。


「帰って、最上級魔法使い様に報告してくださいます?神殺しの剣は手に入らなかったって」


不適に笑う少女に対し、彼は…。


「…そうだな。ここは引いてやるよ」


手をあげ、人を馬鹿にしたような降参のポーズをとる。

そして、クラサに向かい。


「そいつも神殺しの剣を狙ってるぞ」


彼はそう言い捨てると、その場から去っていった。

騎士とは思えない!不意打ち!

そこに痺れるあこがれるぅ!

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