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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第二章~首都・グランモール~
35/76

旅路

第35回!


チュンチュンと、鳥が囀る(さえず)早朝。

僕達はその村を旅立つ事になった。


お世話になった、宿屋の亭主にお礼を言い。

『また泊まりに来ます』と約束すると、その宿屋を後にした。


「いこっか」


「はい」「うん!」


僕達は未来に向けて足を踏み出した。



今回は僕が荷物を持っている。

前回は、力の入らない状態で苦汁を飲まされたが…!


クラサは、半分持つ事と言ってくれたが、僕が断った。

ウィーネの手前、カッコつけたかったのも本音である。


食い下がるクラサに、前回一人で持ってくれたから今回は僕が持つ番だと、平等性を主張すると。

クラサは渋々といった形で、今回は僕に持たせてくれた。


村を出てすぐ、次の街へと続く山道を歩いていると。

とことこと歩いていたが、ウィーネが少し話されると、ててて…と小走りで追いつく素振りが気になった。


歩幅の問題だろうか。

懸命に追いつこうとするウィーネも可愛いのだが、僕は歩調を緩めた。


僕の歩調が遅くなったのに、クラサも気がついたのか、それに合わせてゆっくり歩いてくれた。


出来るだけ、急ぎたいのは山々だが、今急いでも何にもならない。

焦りは失敗に繋がる可能性もある。


「次は、首都と呼ばれる街です。首都・グランモールそこでやっと半分ですね」


すると、クラサが次の目的地の説明をしてくれた。


そのせいだろうか、今までより山道を歩く人の数が多いのは。


「太陽の街と呼ばれそこで有名なのが騎士団です。インペリアル・グランナイツ。王を守る騎士団長の元、10名の師団長が居て、その下に何百人の騎士が所属しています」


「へぇ…それは見てみたいかも」


やっぱり首都ともなると、騎士団とかあるんだ…。

なんていうか、中二心をそそられるなぁ…。


「街に入ったら、すぐに見れると思います。ですが、少し避けたい町でもあります……」


「どうして?」


「はい…それだけ大きい街ですと、私達を狙う者も潜んでいる可能性があるので…」


あ…なるほど。

確かにそういう危険性もあるのか…。


「…ですが、そこである人と合う約束をしていて」


クラサは、僕が眠っている時に、その人と手紙でやり取りをしていたようだ。


その目が優しいものとなっていたので。


「恋人?」


と僕は質問してみた。


「こいびと…?」


一瞬言葉意味が分からなかったようで言葉を繰り返し、その後言葉を理解したクラサは。


「ち、ちちちちち違いますっ!」


そう言いながら、顔を真っ赤にし、手を前にすると全力で否定してきた。


珍しい…クラサがこんなに取り乱すなんて…。


「じゃあ、好きな人?」


僕はもう少しからかってみる。


「違いますっ!」


プイッっとそっぽを向かれてしまう。


クラサもそういう年齢なのだろう。

そういえば、年齢とか聞いてなかったな。


それどころか、僕はクラサとは必要最低限の話しかしていない気がする。


「クラサは、何歳なの?」


気になってしまったので、僕は聞いてみた。


「え…?何ですか?いきなり」


「歳、何歳なのかなって?」


「15ですが…。えっと、ユウタは…?」


クラサも言われて気になったのだろう。


「そうなんだ?僕は19歳だよ、雫も一緒」


「そうですか…」


やっぱり今、雫の話題は場を暗くしてしまうようだ。


「ウィーネは?」


僕はウィーネに話を振ってみた。


「分からない…」


うっ…そうですよね。

気がついたら、この状態と言っていたのだから、覚えているわけがない。


「えっと…」


僕は他の話題を搾り出した。


「その人は、クラサと同い年なの?」


「はい、幼馴染ですね…。幼少の時を一緒にしました」


「へぇ~…」


少し嬉しそうに語るクラサ。

相当仲が良かったのだろう。


「あと、二人ほど居るのですが、今連絡先が分かるのはその子だけで…」


それが、次の街に居るのか…。


「楽しみだね」


「はい。楽しみです」


本当に楽しみなのだろう、足取りも軽いものだった。

クラサの幼馴染なら、信用できる人物なのだろう。



その後も、僕達は他愛のない話しをしながら歩く。

街道から少し離れた場所の草を見つけ、これは薬草になるとか、道端の露天でモノを見たりとか。


そして、お昼は三人で宿屋で少し分けていただいた食事と、保存食を頬張る。


だけど、雫の事を頭から離した事はなかった。

本当なら4人で楽しんでいた時間だろう。

過去は変えられないかもしれない。


そんな未来が早く来るためにも、僕は…。


「もうすぐです」


そんな事を考えて歩いていた時だった。

クラサの声が聞こえた。


もう少しで、夕方に差し掛かるであろう時間帯だろうか。

日が遠くの山へと沈む頃。


僕達は、首都・グランモールへと辿りついた。

イオンモールじゃないよ…?グランモールだよ…?

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