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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第一章~異世界移転と神殺しの剣~
3/76

遭遇

第3回!


斬られた者達は一体何者なのだろう。


僕は斬られた人達に近づく事にした。

まだ助かる人が居るかもしれない。


「うっ…」


はっきりとその現場を視界に納めると、その無残さがよく分かる。

服を裂き、未だに肉から血液が流れ出ている。

その血液は血溜りを作り、円となって人の侵入を妨げるかのように広がっていた。


これは助からない。

医学に精通していなくても分かる程の惨劇だった。


血の匂いと、現場の状況が脳を刺激してくる。

口と鼻を自分の衣服で押さえ、その匂いの侵入を防ぐも、あまり意味のない行動かもしれない。

長居はしない方がいいだろう。


ここが何処か分からない。

だけど、この状況は理解できる。


ここは危険な場所だ。


ガサッ!


僕は物音に反応する。


やばい…さっきの人が戻ってきたのかもしれない。


ど、どうしよう。


正直、動く事が出来なかった。


きっと動いたら殺される。

そう感じていたから。


数秒待ってみたが、一向にその時はやってこない。


僕は勇気を振り絞り振り返る事にした。


……

………


誰も…いない?


気のせいだったか、それとも小動物だったとか?


しばらく注意深く回りを観察する。


異状はないようだ…。


もしかしたら…。


「小野…さん?」


彼女の名前を呼んでいた。

僕の姿を見たとして、出て来ないのはおかしいとは思うけど。

もしかしたら、この二人を殺したのが僕だと勘違いしているかもしれない。


(川本君…?)


声が…聞こえた。

はっきりと。あの子の声が。


「小野さん!」


無事だったんだ!

不安でいっぱいだった心が、安堵へと変わって行く。


だが、それでも小野さんは姿を現してくれない。


「小野さん!何処?」


僕は大声で叫んでしまっていた。


(分からない。暗くて…。何処だろう…ここ…。)


暗くて…?そんなに暗いだろうか?全然視界は開けているけど…。

もしかして、目を…?


なら…。


「声を出し続けて!探し出すから!」


(うん…ごめんね。ありがとう)


僕は声のする方へと歩き出す。


「あと少しかも!頑張って!」


(うん…!)


ここだ、ここから聞こえてくる。


僕は急いで草むらを掻き分けた。


だが、そこには。


知らない外国風の少女がそこに居た。


「…誰?」


思っていなかった事態が起こり。

突拍子のない意見が素のまま言葉となって出ていた。


「…※!□◇#△!」


その子は何語か分からない言葉を放ちながらで、持っていたナイフを抜き、僕に刃を向けてきた。


見た事もない衣装。

髪の長さは、ボブぐらいの長さだろうか…目の色はグリーン…その目には恐怖からか涙が溜まっていた。


きっとさっきの惨劇を目の当たりにしたのだろう。


「待って!お願い!」


僕は手を前にして降伏のポーズをとる。


「◎△$♪×¥●&%#!」


あちらもこちらの言葉が分からないのだろう。


震えながら、刃を下ろす気配はない。


(どうしたの…?!川本君?)


僕の様子にとまどった小野さんが話しかけてくる。


どうする?

僕は小野さんの所に行かなきゃいけないのに…。


震えてる女の子になら勝てるか…?


いや…刃物相手だぞ…?

一刺しでもされれば致命傷だ。


ガサッ!!


僕と少女は物音の方に目を見張る。


あ…。


そこに現れたのは狼のような獣だった。

初モンスター!

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