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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第一章~異世界移転と神殺しの剣~
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接触

第26回!


―――朝。


朝のはずだが、まだ日は出ていなく、静寂と共に薄暗さが室内を包んでいる。


結構早くに目覚めてしまったようだ。

しかし、ぐっすり寝れたせいか、とても気分が良い。


僕は上半身をむくりと起き上がらせた。


(おはよう)


すると雫が声をかけてくれる。


「おはよう」


僕は、雫の方に顔を向け、挨拶を返す。


すると…。


まだ眠っているクラサが目に入った。

荷物を持ってあの道のりを歩いていたのだ。

もしかしたら、僕以上に疲れていたのかも知れない。


そんなクラサを起こしたくなくて、僕は外に散歩しに行くことに決めた。


クラサを起こさないようベットから出る。

そして、クラサに布団を賭け直し、キリヤードを手にすると、部屋から外に出た。


廊下を歩き、入り口はまだ閉まっているようだったので、裏口から外に出る。


早朝。

まだ完全に日が差し込んでいない。

村もまた、静寂と薄暗さが周りを包み込んでいた。


「ん~!」


僕は一旦伸びをし、体の状態を確かめる。


長旅の疲れで、足に筋肉痛は残るものの、体のダルさは完全になくなった。

手の甲の痛みも、もうない。クラサがつけてくれた薬が効いたのだろうか。


うん…良い感じだ。


僕は少し歩き始めた。

村の雰囲気を楽しみながら僕は、雫と話をする。


「…雫は夜は寝れてるの?」


僕はある事を質問してみた。


実はずっと気にしている事だった。

ある物語で、物に定着した魂の話があった。

それと同じ状態なら…もしかしたら。


(えっとね…眠れないみたい)


言いにくそうに雫がつぶやいた。


やっぱり…。


前回、僕がキリヤードを使って一週間眠っている時は、誰とも話す事もなく、ずっと寂しい時間を過ごしていたのだろうか。

そう思うと少し、心が痛い。


僕が心の苦痛に歪めた顔に気付いたのか。


(あ、でも…それなりに楽しんでるよ?)


と、雫は言葉を続けた。


「え…どういう意味ですか?」


(うん、まぁ…色々とね…)


「どういうことですか?」


ホント、どういうことですか?


(…雄太君の寝顔見れるし、クラサちゃんの行動が…ふふっ)


そこで話を途切れさせる


「どういう事ですか!?」


(プライバシーの問題かな)


くっ…どういう事なの…!?

僕の寝顔は別に良いとして、クラサの行動が気になる…。


(だから、気にしなくていいよ?ありがとう)


そういうと、雫はお礼を述べた。


「まぁ、雫が苦しんでないなら…」


そんな明るい雫に対し、僕は苦笑を返す。


そうして、歩いていると…。


遠めに、何かを持った人影が目に入った。

少し警戒してしまう。

あの刺客の男だったらどうしようかと。


「こんな朝早くに?」


僕は、その人影をじっくり見つめた。

その姿は小さく、自分の半身ぐらいはあろうかという水桶を持って歩いている。

村から外れ、森の方へ向かうようだ。


(あの子だね)


「…うん」


辺りを見回してみる。


あのおじさんの姿は見えない。


「ちょっと話してみようかな?」


(…大丈夫かな?)


「危険はあるかもしれないけど、もしかしたら、契約書の突破口が見えるかもしれない」


(…事案発生?)


「しません!」


僕は雫のボケに突っ込みを入れながら、その子に近付いてみることにした。


「おはよう」


僕が声をかけると、少女はビクリと反応し、僕の方に向き返る。

警戒心のある目で。


「…おはよう…ございます」


しかし、挨拶は返してくれた。


「手伝おうか?」


「…大丈夫…です」


そう言うと森の中を目的地に向かい、歩き始めた。


僕はそれを追いかける事にした。


「…何…ですか?」


僕の行動が不思議なのか、少女は問いかけてくる。


「いや…」


僕は会話を繋げる為に何か話題を探した。


「…昨日、目があったよね」


聞く人が聞けば、完全にヤバイ人の発言な気がするけど。


「…はい」


「それで気になったからさ」


「…何が…ですか?」


「えっと、どうしてあの重そうな荷物を君のような小さな子が持ってたのかなって」


「…契約ですから」


ぼそりとその単語を口にした。

やはり、契約に縛られているのだろう。


「あなたも…女の人に持たせてましたね…」


うっ…痛いところをつかれた。


「あれは…ごめんなさい」


ここで言い訳をするのも何だか悲しくて、僕は素直に謝ることにした。


そんな僕を見て、少女は目を丸くする。


「あなたは…違うんですね…」


「え…?」


「目が…違います」


どういう意味だろうか。


この世界の住人と目が違うという意味だろうか。


そんな話をしているうちに、綺麗な湖に辿り着いた。


その光景は、かなり神秘的で、息を呑んでしまう程だった。

森の新緑に朝日が射し込み、キラキラと光っている。

湖にも光が当たり、反射してよりいっそうその場を輝かせている。


(綺麗…)


最初に声をあげたのは雫だった。


「うん」


僕は頷く事で同意した。


少女はこの光景を見慣れているのか、そんな事は気にせず、まずは水桶で水を汲み上げ。

その後に小さい手で、水をすくいあげ、コクコクと飲みあげる。


その姿に見習い、僕も少女の真似をしてみた。

ゴクリと喉を鳴らし、水を胃へ運ぶ。


あ…おいしい。


自分の住んでいた地域と似たような水の硬度なのだろうか…。

それはとても、飲みやすかった。


僕の表情をみて少女はクスリと何故か笑った。


「何?」


「…いえ、なんでもありません」


スッっと、立ち上がり、水桶に手をのせる。


タプタプに波立つ水桶を少女は両手で持ち上げようとする。


だが、水桶は持ち上がる気配がない。

少女はある方向を見ていた。


その方向。


そこには…数匹の、狼に似たモンスターの姿があった。


狼に似た狼ぃ…強そう。

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