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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第一章~異世界移転と神殺しの剣~
25/76

心地

第25回!


数十分後、クラサが帰ってきた。


「おかえり」


「あ…はい、ただいまです」


クラサはシーツを広げ、ベットに敷く作業に取り掛かる。


僕はさっきまでクラサが座っていた椅子に座り、クラサの行動を見守る。


「あの…」


すると、クラサから話しかけてきた。


「痛かったですよね…」


さっきの事だろうか。

なんと答えるべきだろう。


「…うん、痛かった」


「…はい」


クラサの肩が少し下がる。


「でも、ちゃんとクラサが伝えたいことは分かったから、感謝してる」


もう一度、僕は左手の甲に右手を添える。


「…はい」


苦笑で返事をするクラサ。


「……」


少し重たい空気が流れる…。


僕は空気を変えたくて


「…でも、これだとちょっとお風呂入りにくいかな」


と冗談を言ってみた。


「あ、では、お手伝いしますが…」


「ぶっ!!!」


僕は噴出してしまった。


「大丈夫ですか?!」


それだけクラサは僕を傷つけた事を、気に病んでくれてるのだろう。

僕的には…『そうですね』って返して欲しかったんだけど!?


なので…。


「いえ、遠慮します…このくらいならなんとかなるので」


丁重に遠慮させて頂きました。


「そうですか…あ、ここには温泉も沸いているので、きっと体力の回復に役立つと思います」


「へぇ…」


温泉かぁ…。

それは嬉しいかも。


(温泉いいなぁ…)


温泉に反応し、雫がつぶやく。


「その姿だと錆びる危険性あるから、我慢してね…」


僕が冷静に突っ込みを入れると。


(分かってますっ…)


頬を膨らませたような言い方で雫は答えた。


さっそく、僕は温泉に入らせて頂く事にした。

僕はキリヤードをクラサに預け、入浴場へ向かう。


あ…因みに、お色気シーンとかは一切ありませんでした。

その代わり、お筋肉シーンはありました。


それをここで語っても何の特にもならないと思うので飛ばしますね。



数十分後ぐらいたった後。


僕が部屋に戻ると、クラサがキリヤードを渡してくれた。

これが無いと、僕はこの世界の言葉が理解出来ないから。


「ただいま、クラサお次どうぞ」


「はい、どうでしたか?」


「うん、最高だった」(筋肉を除けば)


「ふふ、そうですか。では私も行ってきますね」


クラサはそう言いながら部屋を後にした。


(おかえり、私も入りたかったなぁ)


「あはは、現実に戻ったら温泉旅行でも行く?」


(あ…良いかも…冬の時期がいいなぁ…雪見ながら温泉に浸かりたい)


「それ良いかも…!すごい綺麗だろうなぁ」


(…一緒に見たいね)


雫の言葉に僕はドキリとしてしまう。


「それは、どういう事でしょうか…?」


僕は雫が話した言葉の真意を確かめるべく、ドキドキしながら問いかける。


(えっち…)


すると、雫の僕をえっち呼ばわりする声が聞こえてきた。

仕方ないですよね!男の子ですからっ!


(…でも、いつか一緒に見たいね)


変な意味ではなく、同じものを一緒にみたいのだろう。

僕も同じ気持ちだった。


「うん…見たい」


その為にも、僕は死ねない。

僕は左手の甲を右手で少し強く握る。

まだ治っていない傷がズキリズキリと痛みを放つ。


覚えておこう。

この痛みを…。

雫とした話と共に。


しばらくして、クラサが帰ってきた。

まだ少し濡れている髪と、火照った身体で。

少し色っぽく感じるクラサから、僕は目を反らし出来るだけ意識しないように心がける。


「では、今日は早めにお休みしましょうか」


クラサの言葉でドキリとしてしまう。

この問題を解決しなければならない時が来たようだ。


「えっと…?ベットが一つなんですが…?」


ついつい敬語になってしまう。


「はい…?あ、そうですね。私は野宿用のものを使いますので」


そういうと、荷物を探り出すクラサ。

いやいやいや、それは流石に気が引けるんですけど!


「いや、僕がそれ使うよ。クラサがベットに」


「いえ、貴方はまだ回復していないはずです。使って下さい」


「いや…女性を床で寝させて、僕だけがベットで寝るのは、男としてそれは流石に気が引けるんだけど」


「関係ありません。体力がない者が使う。その疲れが明日に響いては元も子もないんです。何の為に節約したのかもわかりません」


「ぐぬ…っ」


正論である。

明日力が出せなかったら本当に目も当てられない。

食べれる時に食べる、休むときに休む。


これがこの世界で生きていく為に必要な事なのだ。


(じゃあ、こうしたらどうかな?)


すると、雫が声をあげた。

クラサに雫の声は聞こえない。


だから、雫の提案を僕が口にする破目となった。


「一緒に寝よう」


最初、目を大きくしたクラサだったが。

説明を聞き、納得してくれた。


そう…雫の提案は…


クラサ・キリヤード【雫】・僕で、川の字で寝る事であった。


雫が間で見張る事で、僕は蛇に睨まれた蛙状態。

クラサはゆっくりと寝れるわけだ。


あれ…?これって…僕、寝られるの…?


本末転倒に向けて、猫もまっしぐらしそうな予感がするが、この形でないとクラサは納得してくれないだろう。


三人でベットに入ると…。


(えへへ、何だか楽しいね♪)


何故かすごいご機嫌の雫がそこにいた。

…確かに、ちょっと修学旅行な気分がする。


「…うん」


僕は数日前までの、僕達の日常を思い出し頷いた。


僕たちの気持ちが伝わってか伝わってないのか、クラサも…。


「なんだか、すごく心地良いです」


ふふっと、笑いながら話しかけてくる。


「…うん」


その笑顔に、ちょっと照れてしまう。

耐え切れず、僕は視線を天井に写した。


誰かの温もりが近くにある感覚が、とても心地よくて。

疲れもあってか、僕はそのまま眠りに落ちてしまった。


絆が深まっていきますね!

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