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神殺しの剣―キリヤード―  作者: からあげ丸・イッシ
第一章~異世界移転と神殺しの剣~
22/76

思案

第22回!

僕達は、先程の二人をつける事にした。


まずは、あの二人の確認からだ。


契約破りが怖いのか、それともあのおじさんが怖いのか、村人達はその男を避けて歩く。

それを自分の力と勘違いしているのか、その男はのしりのしりと闊歩している。


村の人はこの二人の事情を知っているのだろうか。

…いや、この契約書のルールを知っている者なら、すぐに察しられることなのだろう。


依然、少女は大きな荷物を揺らしながら歩いている。


すると…

少女は何かに気付いたように、こちらに振り向いた。


突然振り向くものだから、ふいに少女と僕たちは目が合ってしまう。


手を振った方が良いのだろうか…?

ごまかす振りをした方が…?


しかし、少女は僕達を見なかったかのように、またとぼとぼと前へと歩き出した。

僕達では、何も出来ないと悟っているのだろう。


前を闊歩する男にも報告する気はないようだ。


「……」


(諦めてる…感じだね)


「…うん」


雫の言葉に相槌を打ちながら先に進む。


後を付けると、結構大きな家に辿り着いた。

その中に二人は入っていく。

あそこが二人の暮らしている家なのだろう。


とりあえず、住処は特定した。

あとはどうやって契約を破棄させるかだ…。


目には目を歯には歯を…騙すという手は有効なのだろうか…。

色々と考えたものの、僕は順番にクラサに疑問を投げかけた。


まずは、契約書。

『それを破ろうとするものには、最上級の魔法使いの魔力をその身に受けることになる』

そうクラサは言っていた。


それなら、その契約を利用すれば、簡単にモンスターなども倒せたりするのではないだろうか…。

もしくは、それを使えば、殺人すらも…。


「クラサ、ちょっと良いかな?」


「どうかしましたか?」


「こんな時になんだけど…」


「…?」


僕はさっき考えた事を話してみる。


「なるほど…そういう使い方も出来る…と…。…いえ無理ですね」


「そうなの?」


「まず、紙に契約をしますが、魔法がかかるのはその二人の関係です。そして、それを破ろうとする意思に反応するはずです」


「善意や悪意関係なしに?」


「多分…そうですね。詳しくは私も分からないですけど…多分、そこまで複雑な事までは組み込まれていないかと」


あくまでも、契約を破ろうと行動した者のみに粛清が下ると…。


「…あのさ…」


僕は次の疑問を口にする。


「このキリヤードに、最上級の魔法使いの魔力に対抗する術はないの?」


剣をチラリとクラサに見せる。

神殺しの剣と言われているのだ、そのくらい出来そうなものだけど…。


「そうですね…。本当の力が使えれば、出来そうではではありますが…今の状態では…」


なるほど…。

後は…最上級の魔法使いに解いてもらうやり方。


またそこか…。

ロッカさんの時といい…。


「力か…」


すこし羨ましくなった。

そういう力があれば悩まずに済むだろう。


でも…。

きっと、違う問題に行き当たり、頭を悩ますことになるんだろうな…。


「なら、相手を騙そうとしても…?」


「ダメでしょうね…意思に反応してしまうので、契約を破るという意思を持っていると…」


バッサリと切られてしまう。

ぐぬぬ…。


この契約。単純なだけに、すり抜けにくい構造になっている気がする。


しばらく考えていると、空が暗くなり始めていた。

だが、良い考えが全然浮かばない。


「…とりあえず、今日は宿屋に行きませんか?」


と、クラサが提案してくる。


僕と違って、クラサも大荷物を持っている。

僕も長旅で疲れているが、クラサも相当疲れているのかもしれない。


あれ…これって僕もあのおじさんとあまり変わらない事してるんじゃ…。

だから、あの少女も僕達の姿を見ても助けを求めなかったのでは…?

そんな嫌な考えが頭をよぎる。


「宿屋に向かうだけだけど…お荷物…持たせて頂きます」


僕は罪悪感に苛まれながらそうつぶやいた。

クラサの顔を真正面から見れない。


「…いえ…大丈夫ですが…。…あ」


僕の意図に気付いてくれたようだ。


「ふふ、ありがとうございます。じゃあ宿屋まで」


くすくすと笑いながら背負っていた荷物を渡してくれた。

結構な重さだ。

その重さに、また少し罪悪感を膨らませながら、僕たちは宿屋に向かった。


宿屋につき、クラサが予約を入れている間も僕は考え続けた。


契約を契約でぶつけてみるか…?

いや、その時点で僕の意思は、相手の契約に見破られているだろう。


何か穴はないのだろうか…。


「取れました。部屋に行きましょう」


「…うん」


クラサの後に続き、階段を登り、部屋の前へと辿り着いた。


「ここです」


クラサはドアを開ける。


木のつくりの部屋。

大きなベットが一つ。

一人部屋にしては、大きな作りだと思う。


僕は荷物を降ろし、背伸びをした。


「ん~良い部屋だね」


「そうですね」


ふふっと、柔らかく笑うクラサ。


悩みは晴れないけど…。少し緩和された気がする。


「では、一階で食事の用意が出来てるようなので、夕食を頂きましょう」


「うん」


そう言いながら僕たちは部屋を出る。


そういえば…


「クラサの部屋は隣?」


後で作戦会議がしたいのでクラサの部屋の場所を聞いてみた。


「…いえ?ここですが?」


不思議そうな顔をし、クラサが指差したのは、今まさに僕達が出た部屋だった。


デスヨネー…

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