謝罪
第13回!
落とされた腕からは血が噴出している。
「っ…ぐあぁああああああああ!」
静かな洞窟内は、ロッカさんの苦痛な叫びによって支配されていた。
腕からは血が溢れ出るように出ている。
「……ぁ…あ…」
止血…止血しなきゃ。
僕は立ち上がり、ロッカさんに近付こうとした。
だが、目の前には犯人の男が立ちはだかった。
「どいてください!」
敵である犯人の男に向かい、僕は叫んでいた。
後ろに跳ね飛ばされ、頭を打ち、僕はパニックを起こしていたのだろう。
そんな僕へ対し、犯人の男は剣を振り上げる。
「うおりやぁああああああああああ!!!」
怒涛のような叫びと共に、後ろから男の横の強烈な一振りが犯人を襲った。
ギィイイイイイン!!!!
そんな重い金属音と共に、犯人の剣が弾き飛ばされた。
「ちっ…」
さっきの犯人ならば、その一振りも軽くいなし、もう一度その男は斬られて事だろう。
しかしそうはならなかった。
何故なら、犯人の男に斬られ倒れていた男が、犯人の男の足をタイミングよく掴んだのだ。
僕はというと、そんな事お構いなくロッカさんへ駆け寄った。
「すみませんっ…すみませんっ…!」
謝ることしかできない。
もちろん、ロッカさんは返事をする余裕すらない。
(川本君、早くしないと!!)
小野さんに言われて気が付いた。
えっと…えっと…。
確か…。
僕は何処かで読んだ漫画や小説・ドラマ、何でも良いからロッカさんを助ける為の知識を記憶からかき集めた。
僕はまずボールぐらいの石を捜し、それを布でくるみ男に渡した。
「この石を斬られた腕の脇に挟んで圧迫してください!」
「は…?え…?」
戸惑う男に僕はつい叫んでしまう。
「早く!助からなくなる!」
男は僕の指示に従って、ロッカさんの腕を圧迫してくれた。
明らかに血の噴出し方が変わった。
僕はそれを確認しながら、剣を一度置き、立ち上がると制服のズボンのベルトを外し、ロッカさんの腕へと回す。
僕は一気に力を入れてズボンのベルトでロッカさんの腕を締め上げ固定する。
それで何とか出血は収まってくれた。
後は、医者に見せれば何とかなるかもしれない…。
この世界の医者がどういうものか分からないけど…。
僕のやったのは、素人の見様見真似の合っているかも分からない応急処置だ。
早くプロの人に見せたほうがいいだろう。
僕達がロッカさんの応急処置に追われている間に、あちらの事態も沈静化していたみたいだった。
武器を手放してしまった犯人の男は、劣勢と感じたのか小部屋から退いたらしい。
とりあえず、目的は果たした。
早くここを出て村へ帰った方がいいだろう。
男達がロッカさんに肩を貸す。
「大丈夫か?動くぞ?」
「あぁ…すまねぇな…」
クラサは泣きながら謝っている。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
そんなクラサに、ロッカさんは
「気にしなくていい。俺が勝手にやった事だ。ユウタも気にするなよ」
苦笑しながら答えてくれた。
僕は…目が合わせられなくて。
「すみません…」
もう一度、謝り
「…助けてくれてありがとうございました。」
精一杯のお礼を口にした。
小野さんが謝る声を聞きながら。
―――別れたポイントで男達と合流する。
僕達のボロボロな姿に合流した男達は目を丸くする。
「おいおい…何があったんだよ?!」
説明を聞き、逆上する男達。
「くそっ…俺達も行動を共にしてれば」
数が居てもどうにかなったとは思えない。
相手が武器を手放し、退避してくれたのはただ偶然が重なった結果だと思う。
「そっちは何もなかったのか?」
「あぁ、モンスターの姿もなかったな…所々に馬鹿でかい穴はあったが」
「穴…?」
その途端、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴと。
洞窟内に地響きが鳴り響いた。
次回モンスター…出る?出ない?




