奇襲
第11回!
洞窟を進み始めて、自分の感覚で30分ぐらいたった頃だろうか。
洞窟の奥からたいまつと同じオレンジの温かい光が見えてきた。
多分、クラサを人質にしている犯人が持っているたいまつの光だろう。
「さて、見つけたが、どうする?」
ロッカさんの問いかけに、男達は頭を悩ませる。
相手は一人のようだが、クラサという人質が居る。
この大人数で出て行ったら、クラサにもしもの事があるかも知れない。
「ロッカさん、この先はどうなってるんですか?」
僕が質問すると、ロッカさんは地図を広げてくれた。
「今どの辺ですか?」
「丁度この辺だな。あいつはすぐに小さい部屋に突き当たると思う」
「この先は…全ての道が行き止まりなんですか…?」
「そうだな…たいまつを消して、この小部屋で待ち伏せするのが妥当だな」
ロッカさんの意見に、皆うなずく。
まずは二手に別れ、少人数で小部屋の前まで行き、動向を探る事になった。
ロッカさんと僕とあと腕に自身がある二人が前衛組四人。
そして、たいまつを持った後衛組が十二人。
何かあったらすぐに駆けつける算段だ。
岩陰から、隠れながら犯人の動向を隠れ見る。
クラサは自分の足で歩いている。だが、手は後ろで縛られている状態だ。
手を縛ったロープは、犯人の手にたいまつと共にしっかりと握られている。
クラサが案内しているのだろう。前を歩かされている。
その後ろに犯人というわけだ。
犯人の容姿はフードにマント…。
森でクラサ達を襲ったあの男だろうか…?
だとしたら、かなりの腕前だろう。
村の男達で歯が立つのだろうか。
チラリと男達を見る。
気の良い人ばかりだ…。
「行ったな…」
ロッカさんがそう言うと、小部屋へと足を踏み入れる。
ぐるりと見回したが、結構広い。
岩などの隠れる場所も多い。
僕達が小部屋に侵入したのを確認したようで、たいまつを持った後衛組が小部屋へと侵入してくる。
それを確認すると、ロッカさんがぐるりと皆を見回し、皆が頷くと、作戦通り各々に身を潜めた。
結構ガタイのいい男たちなのに、スムーズに隠れる事に成功している。
それを確認してから、たいまつの火が消された。
シンと静まり返った洞窟で、僕の胸はドキドキしっぱなしだ。
しばらくそんな中、息を殺していると、たいまつの温かみのある光が洞窟の奥から帰ってきた。
ドクン…ドクン…。
小部屋の中央に差し向かったところで、姿を現し一斉に襲い掛かる寸法だ。
まだ息を殺しておく必要がある。
犯人とクラサが小部屋に侵入する。
中央へと差し向かう途中…。
「出てきたらどうだ?」
…と、犯人の男が声を発した。
ドキリと僕の心臓は跳ね上がった。
どうやら僕達に感付いていたようだ。
チャキリと音を立て、男の太い剣がクラサの首下に添えられる。
どうする…?
考えていると、僕の近くに控えていたロッカさんがいきなり立ち上がった。
え…?
「何故分かった?」
ロッカさんの質問に
「奇襲を狙っているのなら、もう少し殺気を押さえたらどうだ?」
と返答する。
「はは…そうだな…参ったな…」
と、頭をかきながら苦笑交じりに返答をしながら。
「…よっと!」
頭をかいた手を相手に向かって振るう。
ブンッ!
ロッカさんは何か犯人へとを投げつけた。
「…ふん」
それを犯人が太い剣で盾のように防ぐと同時に、後ろからもう一人の男が斧での不意打ち交じり、縦一線の攻撃をしかけた。
「……」
だが、それすらも余裕で身をかわされた。
ガキンッ!!
鉄の生々しい音と共に、犯人とクラサの間に繋がれていたロープが切れた。
最初からそちらを狙っていたようだ。
その瞬間、他の男共の一人がクラサを抱きかかえ救出し、他の二人の男達がハンマーと言えるような鈍器で、犯人に容赦なく襲い掛かる。
キインッ!キインッ!!
「…ちっ!」
それには、流石の犯人も舌打ちをせざるを得なかったようだ。
「わざとだよ。わ・ざ・と、殺気を抑えなかったんだよ、周りの殺気に気付かれないようにな」
ロッカさんは勝ち誇ったように言葉を放つ。
「なるほどな…」
口元はマスクで分からないが、声でなんとなく犯人の嬉しそうな表情が伺える。
ロッカさんは頭上一直線に手をあげる。
すると、残った男達がスッと立ち上がる。
15名のガタイの良い男達。
そして僕…。
「さて、どうして欲しい?」
ロッカさんが犯人に問いを投げかけた。
男達ちょーつよいんですけどぉおおおお!///




